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1話 推しと恋愛は違う
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むかーしむかし、ある所にかなりの力を持った悪魔がいました。……いやいます。
彼は悪魔らしく人に溶け込んでは悪さをして人間から生み出る負の感情を糧にのらりくらり、退魔師などから上手く逃げて生きておりました。
彼はいつの日か召喚され、いい感じに神として降臨したあと人を惑わし争いを起こしては酒を飲みながら高みの見物をするくらいには根は腐っております。
平和になった現在、そんな彼を止めるものはいませんでした………そう、いなかったはずなんだけど……
「レドさんの演技この年から上手かったのか!思いっきりのめり込んじゃった。」
同僚の悪魔に誘われ娯楽であるドラマを見て即座に人間界に住みこもうと決意して早10年。そう、偉大なる悪魔はただのドラマオタクになったのだ。
「今まで退屈だったからな、天から与えられた贈り物のようだ。まあ授けた相手悪魔なんだけど。」
と一人でにツッコミつつ、SNSのチェックも忘れない。
「レド」…そう俺の俳優の最推しである。正直その辺の顔の人間じゃ絶対に浮いてしまうような透き通った淡い青い髪に、淫魔でもイチコロ間違いなしの容姿。もちろん顔だけでなく演技力もピカイチで週間ランキング「実力派俳優」は常に1位をキープしていた。
15歳から芸能活動を始め、18歳のときに主演を勤めた大作「世界の終わりがくるまで」で一目注目を浴び、今ではもうテレビやネットを見ない人でない限り知らない人はまずいなかった。
「はあ、かっこいいな。」
「世界の終わりがくるまで」を見て娯楽にハマったのはもちろん、あの顔のサムネで興味をもったと言っても過言ではない俺が今で言う『推し』になるのにそう時間はかからなかった。
ああ、勘違いしないでほしい。あくまで推しだ……悪魔だけに?
俺達は人間と違って恋愛なんかしない。というか出来ないような体質になっている。そもそも人を陥れるのが職業みたいなものなのに、余計な感情はほとんど持てないようなっていた。ここ数千年生きていて分かったことだ。
悪魔はイタズラも楽しいことも、美しいものを見るのも全部だいすきだ。
精々楽しませてくれよとほくそ笑む彼はこのとき知らなかった。「映像と生で拝むのは全く次元が異なる」ということを。
彼は悪魔らしく人に溶け込んでは悪さをして人間から生み出る負の感情を糧にのらりくらり、退魔師などから上手く逃げて生きておりました。
彼はいつの日か召喚され、いい感じに神として降臨したあと人を惑わし争いを起こしては酒を飲みながら高みの見物をするくらいには根は腐っております。
平和になった現在、そんな彼を止めるものはいませんでした………そう、いなかったはずなんだけど……
「レドさんの演技この年から上手かったのか!思いっきりのめり込んじゃった。」
同僚の悪魔に誘われ娯楽であるドラマを見て即座に人間界に住みこもうと決意して早10年。そう、偉大なる悪魔はただのドラマオタクになったのだ。
「今まで退屈だったからな、天から与えられた贈り物のようだ。まあ授けた相手悪魔なんだけど。」
と一人でにツッコミつつ、SNSのチェックも忘れない。
「レド」…そう俺の俳優の最推しである。正直その辺の顔の人間じゃ絶対に浮いてしまうような透き通った淡い青い髪に、淫魔でもイチコロ間違いなしの容姿。もちろん顔だけでなく演技力もピカイチで週間ランキング「実力派俳優」は常に1位をキープしていた。
15歳から芸能活動を始め、18歳のときに主演を勤めた大作「世界の終わりがくるまで」で一目注目を浴び、今ではもうテレビやネットを見ない人でない限り知らない人はまずいなかった。
「はあ、かっこいいな。」
「世界の終わりがくるまで」を見て娯楽にハマったのはもちろん、あの顔のサムネで興味をもったと言っても過言ではない俺が今で言う『推し』になるのにそう時間はかからなかった。
ああ、勘違いしないでほしい。あくまで推しだ……悪魔だけに?
俺達は人間と違って恋愛なんかしない。というか出来ないような体質になっている。そもそも人を陥れるのが職業みたいなものなのに、余計な感情はほとんど持てないようなっていた。ここ数千年生きていて分かったことだ。
悪魔はイタズラも楽しいことも、美しいものを見るのも全部だいすきだ。
精々楽しませてくれよとほくそ笑む彼はこのとき知らなかった。「映像と生で拝むのは全く次元が異なる」ということを。
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