3 / 7
3話 やっぱり倫理は難しい
よし!席が1つだけ空いてるぞ!と心の中でガッツポーズをして飛び座ったのは、バイト帰りの通勤ラッシュ真っ最中の電車の席だった。
もちろんお年寄り優先との日本人の暗黙のマナーはよーく存じているが、そこは悪魔である。そんな倫理は持ち合わせてない。
さて、自宅まで少し時間がかかるのですぐさまSNSを開き、通知の確認とDMの返信、それから推し俳優レドの名シーンを切り抜いた動画などの確認を丁寧にしていく。
「この場面はあの映画のやつだな」とか「見たことのないものがあるから、あとで調べておこう」など色々な感情が渦巻く中、ふと肩に重さが増した。
まさかと思い隣を横目で見ると、分厚い眼鏡をかけた、1世代前くらいの奇抜なダサオタクファッションをした細身の男が睡魔に敗北したのか俺の肩に頭を預けている状態だった。
「最悪……。」と呆れてため息をついたのは許してほしい。悪魔は美しいものが好きだ。そりゃセンスや顔だって性格より重視する。
先ほどから首が前と後ろにぐわんぐわん揺れて、お疲れなんだろうなと他人事のように思っていたが、まさかこちらまで巻き添いを喰らうとは考えていなかった。
ちょっと身体をどかしてみてもさらに深くもたれかかってきたので、観念して声をかけることにした。
「あの……起きてください。」
「……ん……?……ってえ!すみません!!」
浅い眠りのおかげか案外すっと起きた彼は分厚い丸眼鏡の反射のおかげで表情はわかりづらかったが、声から驚いているのがよくわかった。
「いえ、起きたならいいんです。」
「……はは、本当にすみません。」
完全に反省モードに入っている彼は苦笑いをしつつ、どこか気まずそうに目を泳がせていたのだが、ふと俺のカバンに目が入ったようで
「…それって、『レド』さんのグッズ…」
「ん?……ああ、はい。」
さっきので会話は終わりだと思っていたのだから、隣から聞こえてきた声に驚いたが、見る限り俺に話しかけたというより、興味はモノの方にあるらしい。
……まさかこのオタク君は同担というやつか、それとも知っているからか……まあ見知らずの人に知ってるだけで声をかけるようなことはないと思うので前者だろう。
「レドさん好きなんですか?」
「え?…はは、まあそんなところです。」
とシャイなのか複雑そうな顔をして答えた彼は、よく見ると髪色などがレドの雰囲気と似ておりどこか納得した。……でも寄せるなら服装をどうにかしたらどうなんだろうと頭によぎったのは許してほしい。
トップスター(微私情)なだけあって同性でもこんなに近くにオタクがいるとは流石悪魔をも虜にする最推しである。
もちろんお年寄り優先との日本人の暗黙のマナーはよーく存じているが、そこは悪魔である。そんな倫理は持ち合わせてない。
さて、自宅まで少し時間がかかるのですぐさまSNSを開き、通知の確認とDMの返信、それから推し俳優レドの名シーンを切り抜いた動画などの確認を丁寧にしていく。
「この場面はあの映画のやつだな」とか「見たことのないものがあるから、あとで調べておこう」など色々な感情が渦巻く中、ふと肩に重さが増した。
まさかと思い隣を横目で見ると、分厚い眼鏡をかけた、1世代前くらいの奇抜なダサオタクファッションをした細身の男が睡魔に敗北したのか俺の肩に頭を預けている状態だった。
「最悪……。」と呆れてため息をついたのは許してほしい。悪魔は美しいものが好きだ。そりゃセンスや顔だって性格より重視する。
先ほどから首が前と後ろにぐわんぐわん揺れて、お疲れなんだろうなと他人事のように思っていたが、まさかこちらまで巻き添いを喰らうとは考えていなかった。
ちょっと身体をどかしてみてもさらに深くもたれかかってきたので、観念して声をかけることにした。
「あの……起きてください。」
「……ん……?……ってえ!すみません!!」
浅い眠りのおかげか案外すっと起きた彼は分厚い丸眼鏡の反射のおかげで表情はわかりづらかったが、声から驚いているのがよくわかった。
「いえ、起きたならいいんです。」
「……はは、本当にすみません。」
完全に反省モードに入っている彼は苦笑いをしつつ、どこか気まずそうに目を泳がせていたのだが、ふと俺のカバンに目が入ったようで
「…それって、『レド』さんのグッズ…」
「ん?……ああ、はい。」
さっきので会話は終わりだと思っていたのだから、隣から聞こえてきた声に驚いたが、見る限り俺に話しかけたというより、興味はモノの方にあるらしい。
……まさかこのオタク君は同担というやつか、それとも知っているからか……まあ見知らずの人に知ってるだけで声をかけるようなことはないと思うので前者だろう。
「レドさん好きなんですか?」
「え?…はは、まあそんなところです。」
とシャイなのか複雑そうな顔をして答えた彼は、よく見ると髪色などがレドの雰囲気と似ておりどこか納得した。……でも寄せるなら服装をどうにかしたらどうなんだろうと頭によぎったのは許してほしい。
トップスター(微私情)なだけあって同性でもこんなに近くにオタクがいるとは流石悪魔をも虜にする最推しである。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
田中家の男たち…
B
BL
田中家…
ごく普通のどこにでもいる5人家族…
そんな田中家の男たち…
父親-田中駿-Shunー in one's 40s businessman
長男-田中慎二-Sinjiー in one's 10s 男子高校生
次男-田中守-Mamoruー in one's 10s男子中学生
祖父-田中昂-Noboruー in one's 60s free-lance