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本編
5 ここで登場陰キャオタクのコミュ障!
「…この紅茶どう?僕のお気に入りなんだ。」
「とても美味しいです。お気遣いありがとうございます。」
「「…………」」
父上から呼び出された理由は婚約者との絆を深めてこいというもので、政略結婚ではあるがお互いを知っていた方が何かと良いだろうという好意であった。
前世の僕なら言っていそうな言葉が落ち着いたふうに補正される…王子の僕すっっっげえ!教育の賜物だろう。
それにしても気まずい。予め用意していた話題も推しを前にすると一瞬で真っ白だ。ときどき向こうからも話題を飛ばしてくれるが、どれも相槌を打ったら終わってしまうような内容で
………待って向こうも緊張してるのに頑張って話題振ってくれてるわけだよな!無理好き。顔に出さないようにしてるって思ったら可愛すぎる。僕の考え過ぎって可能性もあるけど。やめろそんな目でみるな。
「クリスはさ、どんな感じの飲み物が好き?」
「えっ」
よく言った僕。会話の王道は相手の趣味や好物を聞くこと。紅茶の話題を出しているし自然な流れ。perfect nice guy!(?)
「えっと…そうですね、さっぱりしたものとかが飲みやすくて好きですよ。」
「…じゃあ今の飲んでる紅茶は苦手だったかな?」
「え?あっ、いえ!そんなわけでは!!」
若干甘めの万人受けしそうな紅茶を選んだが、少なくとも好きではないのだろう。図星と言わんばかりに目を泳がせている。
「不快になんてちっとも思ってないから気にしなくていいよ。むしろクリスのこと知れて嬉しいな。」
「っ…!?」
少し顔を近づけて笑うと、顔は澄ましたままだが耳が真っ赤だ。え、何この可愛い生き物。もう頂いていいですかね。
僕の顔面はかなりイケている。流石二次元と言いたいくらいには。いや、結局は三次元か。使える武器は使っていくスタイルは崩さないつもりだ。
「レモンの酸味を落ち着けたのとかそういうのが好き?今度用意しとくから」
「は、はい!ありがとうございます。…で、でもこの紅茶も好きですから。貴方様がくださったものは何でも好き…です。」
王子妃教育って男を喜ばせる方法も学ぶのだろうか。一周回って賢者である。案外初心だと今日判明したので敬語を辞めてもらうのはもう少し先延ばしにしよう。
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