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本編
63 同じ者、違う立場
ポチが捕まえたヒロインに薬を渡していた黒幕をを提出し、エユの裁判が始まった。
僕は特等席からクリスと共に見下ろし、ときの成り行きを見守る。
「罪状を並べる。罪人エユはレオナルド殿下のご婚約者であるクリス・イグリエ殿に粗末な濡れ衣を着せ、名誉を毀損させただけでなく、レオナルド殿下のプライベートに無断で侵入、そしてご友人に洗脳に近い薬物を使用、最後は2度も殿下に毒物を撒いて一週間の治療を受け続けさせることになった。以上であります。」
ザワッと見物人たちがどよめきを起こす。ここに観客など普通はいないがクリスの名誉挽回のため客人を入れた。噂好きの貴族のことだ、きっとすぐ回る。
「何か異論はありますでしょうか、エユ殿。」
「……違う、こんなはずじゃない、違う、、ボクは、、、」
「彼は精密な検査の結果、精神病を患っている上、今回レオナルド殿下が事件の黒幕を提出してくださったため、打首の刑のところを、顔に奴隷の紋を押すことになります。」
奴隷の紋、それは大罪人が犯したら押されてブラック労働に回されるシステムのことで、聞くところによると死ぬことよりも辛いらしい。シーンと静まり返り誰もが息を呑んだ。
まさかそこまで辛いところに飛ばされるとは考えていなかったが、僕に口出す権利はない。向こうで死ぬのも逃げるのも働くのも自由だ。
「アイツが、!アイツが悪いんだ!!!僕のレオをたぶらかして!!!筋肉がついちゃってたいして可愛くもないくせにッ!!!!」
と、魔力封印の鎖を自力で解いてクリスに向かって光魔法を放ってきた。それは治療効果があれど強すぎると人に害をなす。
「ご安心ください、殿下。」
僕の身を庇うように前に出るとクリスはエユが放った魔法と正反対の深く暗い魔法をうった。彼の得意な属性である。クリスのおかげで光魔法と闇魔法が相殺され何事もなかった。
「…些か油断がすぎるのではないか、裁判官。厳重に拘束し直ちに刑を執行しなさい。」
静まり返った会場に僕の声が大きく響いた。
『号外!学園初の魔力持ちの平民!奴隷の紋を印される!』
街ではこんな新聞のようなものが出回っていて、みなが手にとっていると耳にした。クリスは聖人様のようだと評価が爆発的に上がり、妬むもの以外誰も彼のことを悪く言うような人は現れなくなった。
「たしかに彼は貴方に酷いことをしました。しかし知人が罰を受けるのはどこか堪えますね。」
「僕たちに魔法放ってきておいて同情するとは…優しすぎないか?クリス。」
しかし目を逸らして彼は「そんなわけないでしょう。ただ罪悪感は拭えません。」と言った。
そんなの僕にだってある。同じ転生者でも失敗すればこうも立場が違うのだ。もう少し普通の精神を持っていたら前世を語りたかったななんて思う。
とにかく僕が良い環境でいれたのは、クリスのことはもちろん。いい部下に恵まれたお陰だと思う。
「ほら、そんなことより今日は衣装を選ぶんだろ?」
「あっ!そうですよね。このことは忘れましょう。」
僕の手を取り歩んだ。今日は街にきており、学園の卒業パーティーの参加をするために選びに来ていた。
まだ2年ではあるが、僕たちは来年結婚を控えているので一年早く卒業する。そもそも人脈作りにきていたのだから授業の方は意味がないに等しい。
僕は特等席からクリスと共に見下ろし、ときの成り行きを見守る。
「罪状を並べる。罪人エユはレオナルド殿下のご婚約者であるクリス・イグリエ殿に粗末な濡れ衣を着せ、名誉を毀損させただけでなく、レオナルド殿下のプライベートに無断で侵入、そしてご友人に洗脳に近い薬物を使用、最後は2度も殿下に毒物を撒いて一週間の治療を受け続けさせることになった。以上であります。」
ザワッと見物人たちがどよめきを起こす。ここに観客など普通はいないがクリスの名誉挽回のため客人を入れた。噂好きの貴族のことだ、きっとすぐ回る。
「何か異論はありますでしょうか、エユ殿。」
「……違う、こんなはずじゃない、違う、、ボクは、、、」
「彼は精密な検査の結果、精神病を患っている上、今回レオナルド殿下が事件の黒幕を提出してくださったため、打首の刑のところを、顔に奴隷の紋を押すことになります。」
奴隷の紋、それは大罪人が犯したら押されてブラック労働に回されるシステムのことで、聞くところによると死ぬことよりも辛いらしい。シーンと静まり返り誰もが息を呑んだ。
まさかそこまで辛いところに飛ばされるとは考えていなかったが、僕に口出す権利はない。向こうで死ぬのも逃げるのも働くのも自由だ。
「アイツが、!アイツが悪いんだ!!!僕のレオをたぶらかして!!!筋肉がついちゃってたいして可愛くもないくせにッ!!!!」
と、魔力封印の鎖を自力で解いてクリスに向かって光魔法を放ってきた。それは治療効果があれど強すぎると人に害をなす。
「ご安心ください、殿下。」
僕の身を庇うように前に出るとクリスはエユが放った魔法と正反対の深く暗い魔法をうった。彼の得意な属性である。クリスのおかげで光魔法と闇魔法が相殺され何事もなかった。
「…些か油断がすぎるのではないか、裁判官。厳重に拘束し直ちに刑を執行しなさい。」
静まり返った会場に僕の声が大きく響いた。
『号外!学園初の魔力持ちの平民!奴隷の紋を印される!』
街ではこんな新聞のようなものが出回っていて、みなが手にとっていると耳にした。クリスは聖人様のようだと評価が爆発的に上がり、妬むもの以外誰も彼のことを悪く言うような人は現れなくなった。
「たしかに彼は貴方に酷いことをしました。しかし知人が罰を受けるのはどこか堪えますね。」
「僕たちに魔法放ってきておいて同情するとは…優しすぎないか?クリス。」
しかし目を逸らして彼は「そんなわけないでしょう。ただ罪悪感は拭えません。」と言った。
そんなの僕にだってある。同じ転生者でも失敗すればこうも立場が違うのだ。もう少し普通の精神を持っていたら前世を語りたかったななんて思う。
とにかく僕が良い環境でいれたのは、クリスのことはもちろん。いい部下に恵まれたお陰だと思う。
「ほら、そんなことより今日は衣装を選ぶんだろ?」
「あっ!そうですよね。このことは忘れましょう。」
僕の手を取り歩んだ。今日は街にきており、学園の卒業パーティーの参加をするために選びに来ていた。
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