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本編
64 己の嫉妬に耐えろ!王子!
クリスと僕は3年生と混じり、卒業パーティーが開かれた。
僕は黒を基として己の黄金の髪と瞳が映える服装をしてみた。もちろん全身黒とは言わず、灰色や白の布とも合わせてもらい刺繍もかなり手の凝ったもので良い感じだ。クリスがおすすめしていた店で頼んで良かったと思う。
クリスは反対に淡い水色ぽい素材をベースにしていたので、覚えているかは定かではないが、初めて僕がパーティーを主催した時と真逆のコーデだ。クリスは銀髪に透き通った青い目をしており、神秘的な人像が出来上がっていた。
黒は相変わらず人気がないので、厨二病仲間が増やせるよう宣伝しておく。かっこいいんだぞ!
ザワザワ……
ただでさえここの主役のようなものなのに、あの事件のせいでさらに注目を浴びることになり少し疲れている。
気に食わないのは聖人様と崇められつつあるクリスがチヤホヤされていることだ。陰口を叩かれることに比べたら嬉しいことだが、挨拶にきたアルファたちは優しく天使のようなクリスに頬を染めているのが時々見受けられた。評価が上がった瞬間手のひらを返しやがって。
だからって僕はオメガの人と仲良くしてクリスを嫉妬させよう!なんてするくらい大人気ないわけではない。
そう悶々としている間に見慣れた顔ぶれが近づいてきた。
「久しゅうございます、レオナルド殿下。それとお初にお目にかかりますクリス・イグリエ殿。」
「初めまして、丁寧な挨拶をありがとうございます。」
「おお久しいねレイジェス!変わりないか?」
彼は僕に家庭教師がいた頃、第一団長から教えてもらう際、団長の息子、レイジェスとも手合わせをしていたことがあった。僕のように剣術が苦手だったのに今では次期団長と言われている、素晴らしい努力家だ。
1つ年上、尚且つSクラスにいなかったので会う機会はなかったがこうして会えてとても嬉しい。
他にも懐かしい人物と挨拶を兼ねて会話したあと、僕とクリスは休憩室に移動した。
2人きりで話をしたかったからだ。
「僕たち少し早いけど卒業しちゃうんだね。」
「ええ、本当に色々ありましたけど楽しかったですよ。」
また来年の結婚まで会えることはグッと減る。お互い多くの準備がいるのだ。
「……殿下、最後にお願いがあります。」
「珍しいね。もちろんクリスのお願いだったら何でも聞いてあげるよ。」
彼がお願いなんて僕の父に「騎士になりたい」と言い出したことくらいだろうか。物欲が乏しいのは知っているので、あまり想像がつかない。あ!まさか僕に会いたい!とか?可愛いこと言ってくれるじゃん。まあ、ここまで妄想だけど。
と脳内で色々なシュミレーションをしている間にクリスは意志が固まったようで僕に向き直った。
「レ、レオ。……キスしたい、です。」
「えっ、」
変な声が出るどころじゃなくて、一周回って奇声は出なかった。もちろん彼がなんと言ったのか理解できすぎているが、反芻してきまう。
き、きす、、、?童貞ノーキス男、ここにて卒業しちゃう?ファーストキスってやつ?
はわわと震えるはずの手足を王子様補正でどうにかして彼の白い手の甲に指を乗せた。
「わかった。ならもう少し近づいて。」
「は、はい、」
お互いぎこちなくゆっくりと近づき、僕がクリスを抱きしめると共にふにっとやわらかい唇が触れ合った。
「っ、ああ、今とても幸せです。」
「ふふ、僕もだよ。」
ぎゅっとキスしたときよりも近い距離で抱きしめると、心まで暖かくなった気がした。
ディープキスをお望みかと思ったがそうでもないようなので安心した。そこまで心の準備はできていないしな。僕だってキャパオーバーだ。
ー ゴーン、ゴーン、ゴーン ー
「あっ、」「おや」
2人で顔を見合わせると「戻ろうか。」と言って席を立ち上がる。こうしてあっという間に一日は鐘と共に終わりを告げた。
僕は黒を基として己の黄金の髪と瞳が映える服装をしてみた。もちろん全身黒とは言わず、灰色や白の布とも合わせてもらい刺繍もかなり手の凝ったもので良い感じだ。クリスがおすすめしていた店で頼んで良かったと思う。
クリスは反対に淡い水色ぽい素材をベースにしていたので、覚えているかは定かではないが、初めて僕がパーティーを主催した時と真逆のコーデだ。クリスは銀髪に透き通った青い目をしており、神秘的な人像が出来上がっていた。
黒は相変わらず人気がないので、厨二病仲間が増やせるよう宣伝しておく。かっこいいんだぞ!
ザワザワ……
ただでさえここの主役のようなものなのに、あの事件のせいでさらに注目を浴びることになり少し疲れている。
気に食わないのは聖人様と崇められつつあるクリスがチヤホヤされていることだ。陰口を叩かれることに比べたら嬉しいことだが、挨拶にきたアルファたちは優しく天使のようなクリスに頬を染めているのが時々見受けられた。評価が上がった瞬間手のひらを返しやがって。
だからって僕はオメガの人と仲良くしてクリスを嫉妬させよう!なんてするくらい大人気ないわけではない。
そう悶々としている間に見慣れた顔ぶれが近づいてきた。
「久しゅうございます、レオナルド殿下。それとお初にお目にかかりますクリス・イグリエ殿。」
「初めまして、丁寧な挨拶をありがとうございます。」
「おお久しいねレイジェス!変わりないか?」
彼は僕に家庭教師がいた頃、第一団長から教えてもらう際、団長の息子、レイジェスとも手合わせをしていたことがあった。僕のように剣術が苦手だったのに今では次期団長と言われている、素晴らしい努力家だ。
1つ年上、尚且つSクラスにいなかったので会う機会はなかったがこうして会えてとても嬉しい。
他にも懐かしい人物と挨拶を兼ねて会話したあと、僕とクリスは休憩室に移動した。
2人きりで話をしたかったからだ。
「僕たち少し早いけど卒業しちゃうんだね。」
「ええ、本当に色々ありましたけど楽しかったですよ。」
また来年の結婚まで会えることはグッと減る。お互い多くの準備がいるのだ。
「……殿下、最後にお願いがあります。」
「珍しいね。もちろんクリスのお願いだったら何でも聞いてあげるよ。」
彼がお願いなんて僕の父に「騎士になりたい」と言い出したことくらいだろうか。物欲が乏しいのは知っているので、あまり想像がつかない。あ!まさか僕に会いたい!とか?可愛いこと言ってくれるじゃん。まあ、ここまで妄想だけど。
と脳内で色々なシュミレーションをしている間にクリスは意志が固まったようで僕に向き直った。
「レ、レオ。……キスしたい、です。」
「えっ、」
変な声が出るどころじゃなくて、一周回って奇声は出なかった。もちろん彼がなんと言ったのか理解できすぎているが、反芻してきまう。
き、きす、、、?童貞ノーキス男、ここにて卒業しちゃう?ファーストキスってやつ?
はわわと震えるはずの手足を王子様補正でどうにかして彼の白い手の甲に指を乗せた。
「わかった。ならもう少し近づいて。」
「は、はい、」
お互いぎこちなくゆっくりと近づき、僕がクリスを抱きしめると共にふにっとやわらかい唇が触れ合った。
「っ、ああ、今とても幸せです。」
「ふふ、僕もだよ。」
ぎゅっとキスしたときよりも近い距離で抱きしめると、心まで暖かくなった気がした。
ディープキスをお望みかと思ったがそうでもないようなので安心した。そこまで心の準備はできていないしな。僕だってキャパオーバーだ。
ー ゴーン、ゴーン、ゴーン ー
「あっ、」「おや」
2人で顔を見合わせると「戻ろうか。」と言って席を立ち上がる。こうしてあっという間に一日は鐘と共に終わりを告げた。
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