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番外編ストーリー要素強めなR-18
9 あれ、もしかして僕は空気?
茶色やクリーム色に髪と瞳の色を全員変えて、こっそり部屋を抜け出した。明日の朝にならないと誰も入ってこないよう言いつけてあるので帰れば全く問題ない。
クリスにはこの日を狙ってか行きたい場所があるらしく、計画を楽しそうに語っていた。
「食べ歩きをやってみたいのです!!!」
「え?」
「じゃあ何食べる?」
「えっ、?クリス様?殿下?」
王子とその王子妃がまさかの下品と相当するようなことをしようとしていて一般常識人のポチはありえないものを見るかのように震えていた。
まあ僕は前世があるし抵抗はない。ただこの場ではクリスの好奇心がすごいだけだ。
「……あの黒いのはなんですか?」
「ん?あー、あれは焼き鳥かもね。」
「「ヤキトリ?」」
ジャンクフードを思い出し無性に食べたくなる。この世界はなんと呼ばれているのか知らないが、今後見ることもないだろうし名前なんて適当でいい。
いつもシェフたちが作ってくれるものはヘルシーで見目を重視しましたと言わんばかりの料理だから中々こういうものにありつけなかった。
もう何十年ぶりだろう。これを食べたらしばらく恋しくなってしまいそうだ。
「買ってきました。これで良いんですか?」
いつの間にか並んでいた彼は3本手に持っている。元々庶民の生活をしていた彼も食べるのは初めてのようで、緊張しているようだった。
「毒味しましょうか。」
「いや、いらない。耐性がついたからね。」
「私も大丈夫です。そこらじゃやられません。」
と言い2人で豪快にかぶりついた。
うっま!!!!!
塩辛いタレが肉をひきたてていて、舌を刺激する感覚に感動する。オフクロの味とかではないが前世の世界を思い出すような涙の一品だ。
クリスも口元を抑えながら「美味しい!」と目を輝かせており、なんですかこの黒いのは!と僕に問い詰めてくる。知ってるだけで別に専門家じゃないので曖昧に笑っておいた。
「ポチも食べなよ。」
「は、はい。」
恐る恐る黒い液体がかかったそれを目をきゅっと瞑りながら僕たちと同じように口に多く含む。
「!!」
「ッハハハ顔が!」
「ふふ、ゆっくり召し上がらないと火傷しますよ?」
面白いくらいにカッと目を見開き、後から食べ始めた彼が1番最初にそれを平らげていた。
髪色は違えど明らか美形なのに、誰も僕達の正体に気が付かない。あの髪色で認識されてるのではないかと思うくらいには。
しかしチラチラと顔を赤くして僕以外の2人を見ていることはわかった。僕だってそれなりにかっこいいはずなのだが何がダメなのだろう。
いろんな屋台を食べていると、元々城を出たのは昼の話だったのでもう日が暮れてきた。
「レオ、ポチ。」
「?」「どうされました?」
ニコニコと笑っている彼は人がいないところまで2人を手招きすると、視界が暗転した。もう慣れたが転移魔法を使ったようだ。
「お二人をここに連れてきたかったんです!」
「おお、」
「綺麗、ですね…。」
目の前には半分夕日で赤くなっており、そして反対側を見れば星が散らばっていた。月のような、だけど明らか違う惑星も見える。草木は光を大きく反射し、半分は黄金に、もう片方は青白く輝いており、なんとも幻想的で感嘆の息を溢してしまう。
「ここ、私が幼少期の頃誤って転移してしまった場所なんです。おかげで素晴らしい絶景を見つけることができたんですけど。」
クリスの言葉に「そんなことがあったんだ!?」と驚く。よく無事で帰れたものだ。
「クリス様がですか?なんだか意外です。」
「私はどちらかというと失敗の方が多いんですよ。」
「でも今、そうは見えません。努力の証ですね。」
「……褒めても何も出ませんからね?」
ポチの何気ない一言にクリスは大層嬉しかったようで、本気で喜んでいた。元々喜び上手というやつだが、本当に嬉しかった時は手をもじもじさせてしまう癖があるのだ。かわいい。
うん。そして今僕はものすごく空気だ。目の前でイチャイチャし始めるので気まずくて頑張って気配を消す。友人と恋人同士の3人でデートしたときの友人ポジの気持ちだ。まあそんなの前世でやったことないし、一応僕夫なんだけども。
「レオ!ポチ!見ていてくださいね!!!」
遠い所に魔法陣を展開し、クリスが手を引くと同時に発動させる。それはたくさんの流れ星のようで、願い事を言えば叶えてしまいそうだ。
「……あの笑顔がずっと続きますように…。」
思わずそう呟いていた。だってあまりにもクリスが無邪気に笑いかけるから。
「クリス様はいい奥様ですね。」
遠くを見るようにポチはつぶやく。
「なんだよ急に。ポチの良さを分かってるやつがいないだけで、君は言い夫になるんじゃないかな。……いや妻側?」
男しかいないこの世界は夫婦の役が曖昧だ。たまにどっちも夫ですと言い、子供を作らない家系もいるくらいには。
「そう、ですかね。」
「そうだよ!僕の世話全部できるくらいにはしっかりしてるもんね。」
冗談で言ったのだけど、あんまり伝わってなかったのか彼はクリスと真逆で曖昧に笑った。
クリスにはこの日を狙ってか行きたい場所があるらしく、計画を楽しそうに語っていた。
「食べ歩きをやってみたいのです!!!」
「え?」
「じゃあ何食べる?」
「えっ、?クリス様?殿下?」
王子とその王子妃がまさかの下品と相当するようなことをしようとしていて一般常識人のポチはありえないものを見るかのように震えていた。
まあ僕は前世があるし抵抗はない。ただこの場ではクリスの好奇心がすごいだけだ。
「……あの黒いのはなんですか?」
「ん?あー、あれは焼き鳥かもね。」
「「ヤキトリ?」」
ジャンクフードを思い出し無性に食べたくなる。この世界はなんと呼ばれているのか知らないが、今後見ることもないだろうし名前なんて適当でいい。
いつもシェフたちが作ってくれるものはヘルシーで見目を重視しましたと言わんばかりの料理だから中々こういうものにありつけなかった。
もう何十年ぶりだろう。これを食べたらしばらく恋しくなってしまいそうだ。
「買ってきました。これで良いんですか?」
いつの間にか並んでいた彼は3本手に持っている。元々庶民の生活をしていた彼も食べるのは初めてのようで、緊張しているようだった。
「毒味しましょうか。」
「いや、いらない。耐性がついたからね。」
「私も大丈夫です。そこらじゃやられません。」
と言い2人で豪快にかぶりついた。
うっま!!!!!
塩辛いタレが肉をひきたてていて、舌を刺激する感覚に感動する。オフクロの味とかではないが前世の世界を思い出すような涙の一品だ。
クリスも口元を抑えながら「美味しい!」と目を輝かせており、なんですかこの黒いのは!と僕に問い詰めてくる。知ってるだけで別に専門家じゃないので曖昧に笑っておいた。
「ポチも食べなよ。」
「は、はい。」
恐る恐る黒い液体がかかったそれを目をきゅっと瞑りながら僕たちと同じように口に多く含む。
「!!」
「ッハハハ顔が!」
「ふふ、ゆっくり召し上がらないと火傷しますよ?」
面白いくらいにカッと目を見開き、後から食べ始めた彼が1番最初にそれを平らげていた。
髪色は違えど明らか美形なのに、誰も僕達の正体に気が付かない。あの髪色で認識されてるのではないかと思うくらいには。
しかしチラチラと顔を赤くして僕以外の2人を見ていることはわかった。僕だってそれなりにかっこいいはずなのだが何がダメなのだろう。
いろんな屋台を食べていると、元々城を出たのは昼の話だったのでもう日が暮れてきた。
「レオ、ポチ。」
「?」「どうされました?」
ニコニコと笑っている彼は人がいないところまで2人を手招きすると、視界が暗転した。もう慣れたが転移魔法を使ったようだ。
「お二人をここに連れてきたかったんです!」
「おお、」
「綺麗、ですね…。」
目の前には半分夕日で赤くなっており、そして反対側を見れば星が散らばっていた。月のような、だけど明らか違う惑星も見える。草木は光を大きく反射し、半分は黄金に、もう片方は青白く輝いており、なんとも幻想的で感嘆の息を溢してしまう。
「ここ、私が幼少期の頃誤って転移してしまった場所なんです。おかげで素晴らしい絶景を見つけることができたんですけど。」
クリスの言葉に「そんなことがあったんだ!?」と驚く。よく無事で帰れたものだ。
「クリス様がですか?なんだか意外です。」
「私はどちらかというと失敗の方が多いんですよ。」
「でも今、そうは見えません。努力の証ですね。」
「……褒めても何も出ませんからね?」
ポチの何気ない一言にクリスは大層嬉しかったようで、本気で喜んでいた。元々喜び上手というやつだが、本当に嬉しかった時は手をもじもじさせてしまう癖があるのだ。かわいい。
うん。そして今僕はものすごく空気だ。目の前でイチャイチャし始めるので気まずくて頑張って気配を消す。友人と恋人同士の3人でデートしたときの友人ポジの気持ちだ。まあそんなの前世でやったことないし、一応僕夫なんだけども。
「レオ!ポチ!見ていてくださいね!!!」
遠い所に魔法陣を展開し、クリスが手を引くと同時に発動させる。それはたくさんの流れ星のようで、願い事を言えば叶えてしまいそうだ。
「……あの笑顔がずっと続きますように…。」
思わずそう呟いていた。だってあまりにもクリスが無邪気に笑いかけるから。
「クリス様はいい奥様ですね。」
遠くを見るようにポチはつぶやく。
「なんだよ急に。ポチの良さを分かってるやつがいないだけで、君は言い夫になるんじゃないかな。……いや妻側?」
男しかいないこの世界は夫婦の役が曖昧だ。たまにどっちも夫ですと言い、子供を作らない家系もいるくらいには。
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