4人の乙女ゲーサイコパス従者と逃げたい悪役令息の俺

りゅの

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18話

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「ようこそおいでくださいました。辺鄙な所ですのでさぞ苦労されたことでしょう。」

ニヤニヤと薄っぺらい笑顔を貼り付けたレファルド・リーゼンがテレポート室の前から出迎えてきた。

「さあ、こちらにおいでませ。部屋で自慢の踊り子が……」
「いやこちらも忙しくてな。長居するつもりはない。手短にいこう。」
「……左様でございますか。」

こめかみをピキッと動かして、しかし公爵家で1番力を持つ俺には口答えできないのかすぐに客室へと招待してくれた。

「そしてあの者ハンスは……。」
「俺の護衛でもあり執事だ。文句は言わせまい。」

威圧を与えれば流石にレファルドも押し黙った。ユースもこの者は嫌いなのか知らないが自然と敵意が溢れてくる。

ハンスはあれからワインをかけられた後も、今も全く表情を変えず何も読めないままだった。話しかけようか迷ったが、俺がいては逆に気を張ってしまうだろうとそっとしておいて今に至る。

「…それで?いい話ってのはなんだろうか。」
「察されているでしょうが、私がしてる個人業の件ですよ。存じてるでしょう、質の良い兵器を造っていることを。」
「……ふむ、それでその事業の拡張をしたいと。」
「流石はユース殿。その通りです。」

創造工程の資料を並べられ、ペラペラと確認していくとどんな項目よりもとある所に目が止まった。売り価格があまりにも安すぎるのだ。桁が2つほど少ない。

「これは記入ミスか?」
「何度も確認しましたのでそれはありませんよ。それにこれが我々の売りですからね。」

なるほど……安価で武器が大量に手に入るならそりゃ皆食いつくに決まっている。一体どれだけ販売しているのだろうか。見当もつかない。

「造る過程を見せてもらおうか。」
「……それは企業秘密でして。」
「契約を結ぼうとする者に礼儀を示すのが普通だと思うがな。」
「もちろん契約を結んで頂けたらすべてお見せ致します。」
「極一部でいい。のだからそれくらい良いだろう?」
「っ………わかり、ました。ユース殿にだけ公開しましょう。従者方はここで待機するように。」

渋々と言った顔で立ち上がったレファルドは、彼の付き人も差し置いて1人出て行った。それについて行こうとすると、背後から声がかかった。

「ご主人様…。」
「俺は大丈夫だ。それよりハンスを頼む。どうも様子がおかしい。」
「…はい。」

一見普通のように見えるが、よく観察するとまるで猫のように過敏で、その上何かを抑えるかのように耐えている姿は、こういっちゃあれだが出会った5人の中で1番人間らしく感じた。

まだ親しげに話していたトーアが側にいたらいくらかマシだろう。それにここにハンスの攻略ヒントがあるのなら俺が解明せずしてどうする。

「では行ってくる。そこにある菓子でも食べて待ってなさい。」

もしかしたら契約の内容を思い出せるかもしれない。それにハンスに恩を売って味方につけたらなんと心強いことだろうか。これは攻略イベントと呼ばれる類であるのかもしれない。

あれこれ考えつつ扉を閉めて、先の良い未来を想像する。まさかこの先己の身体が犯した罪により絶望に塗り替えられるなんてことになるとは誰が予期しただろう。
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