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第10章
10-18
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10-18「ライリーのターン」
太陽は真上に昇り、いつ浮島からモンスターが発生してもおかしくない頃合い。
(もう、そろそろね・・・・・・)
私は石積みの上に腰かけその時を待っていた。
少し離れた位置ではアデリナが石積みの上に立って、モンスターを見逃さないようにと真面目に監視をしている。ココはその隣でアデリナの気を引こうとしているのか一人で喋っている。
「ライリー殿・・・・・・ちょっとお話が」
腰かけている私の前にエリアスが立った。石積みの上に座っているというのに私と彼の目線はさして変わらない。彼は大柄だ。
それに増して今日はプレートアーマーを身に着けおり、そのガタイの良さが際立っている。私が気を抜かないようにと言った為に重装備だ。
「何の話?」
おおよその予想はつく。もうすぐ始まる戦いの事か、ドラゴン退治の話だろう。
エリアスは石積みに背を預け、私の横に並んだ。
「・・・・・・」
話し始めない彼の横顔を見ると、その目線は戦いの準備を進めるフィンとメリーナに向いている。
「微笑ましいですよね」
「そうね」
「彼らを見ていると、心が和みます。・・・・・・同時にどうしようもない不安にかられる」
彼の横顔はフィン達に向きつつも、どこか遠くを眺めているようだった。
「・・・・・・私とパウルは古い付き合いでもう長い間、2人だけでパーティーを組んでいたのです。これからも2人だけでやっていくのだろうと思っていたのですが、ある時、酒場でたまたま隣り合ったフィンからパーティーに入れさせてほしいと頼まれましてね。最初は入れてやるつもりなんて無かったのに、フッ、彼はあの性格でしょう?飲みかわすうちに簡単にいいくるめられてしまったのです」
「フフッ、彼ならありそうだわ」
「そしたら次の日にメリーナを連れてきて、コイツも入れさせてほしいと言ってくるじゃありませんか。はははっ」
「二人では入れさせてもらえないと踏んで、先に彼が話を付けたって事?」
「私もそう思ったんですがね、メリーナはフィンを追って村を飛び出してきたばかりだというんですよ」
「あら、メリーナの方が・・・・・・」
「ええ、いじらしいでしょ。そんな話を聞かされては断ることも出来なくて結局メリーナもパーティーに入ることになったんです。フィンは、妹みたいなものだからオレが面倒を見ると言っていたんですがね、」
「フフッ、面倒を見られているのはフィンの方のようね」
視線の先では、装備を整えるフィンをメリーナが甲斐甲斐しく世話を焼いている。
「私とパウルの二人なら無茶はきくんです・・・・・・酒の席でいつも言っているんですよ。お互い何かあったら骨は拾ってやるってね。だが、あの二人に無理をさせることはできない・・・・・・私には責任がある。このパーティーのリーダーだから。」
エリアスは左腕にはめている小ぶりな盾を撫でていた。戦いによって所々へこんで使い古された盾を。
「モンスターがめっきり少なくなって他の冒険者達が遠征へ行ってしまった時にも、私は街に残ることを選んだ。彼らの為に。本当はお金を稼ぎたくて冒険者になったのだろうに、不甲斐ないリーダーですよ」
エリアスは背を丸め頭を掻いた。
「リーダーならメンバーの安全を第一に考えるのは当然よ」
「そう言ってもらえると救われます。今回、ライリー殿に声をかけてもらえたのは助かりました。想像以上に稼ぐことが出来ましたからね・・・・・・一度フィンに聞いたことがあるんです。どうして冒険者なのか?って。冒険者なんて危険な仕事はメリーナの為にもやめた方がいいとも諭したんですけどね。彼はハッキリとは言いませんでしたが、どうやらお金を貯めてコッレの街に移り住みたいようなんです」
「それはメリーナと?」
「そうでしょうね。今まで頂いた分け前で、十分その夢は叶うはずです。無茶をする必要はもう無い・・・・・・」
「そう、」
私は頭の中で思案した。
(エリアス達が抜けるとなると・・・・・・)
アデリナとココの方を見た。アデリナは額に手をかざし、相変わらず浮島を監視している。ココも隣で静かに浮島の方を見ていた。
二人ともこちらの会話を聞こえていないフリをしているようだ。
(二人に代わりを務めてもらうには荷が重そうね。・・・・・・ジューリアに兵士を貸してもらうか、)
教会の兵士を貸してもらうのはジューリアに迷惑がかかるため出来ればしたくなかったがこの際、仕方がない。
ただ、いきなりドラゴン退治だと言われ果たして兵士たちの統率を取れるかどうか、その点は不安が残る。
思案する所にパウルが近づいて来て言った。
「リーダーなら他のメンバーにも相談するのが筋じゃないのか?なに一人で決めようとしているんだお前は、」
太陽は真上に昇り、いつ浮島からモンスターが発生してもおかしくない頃合い。
(もう、そろそろね・・・・・・)
私は石積みの上に腰かけその時を待っていた。
少し離れた位置ではアデリナが石積みの上に立って、モンスターを見逃さないようにと真面目に監視をしている。ココはその隣でアデリナの気を引こうとしているのか一人で喋っている。
「ライリー殿・・・・・・ちょっとお話が」
腰かけている私の前にエリアスが立った。石積みの上に座っているというのに私と彼の目線はさして変わらない。彼は大柄だ。
それに増して今日はプレートアーマーを身に着けおり、そのガタイの良さが際立っている。私が気を抜かないようにと言った為に重装備だ。
「何の話?」
おおよその予想はつく。もうすぐ始まる戦いの事か、ドラゴン退治の話だろう。
エリアスは石積みに背を預け、私の横に並んだ。
「・・・・・・」
話し始めない彼の横顔を見ると、その目線は戦いの準備を進めるフィンとメリーナに向いている。
「微笑ましいですよね」
「そうね」
「彼らを見ていると、心が和みます。・・・・・・同時にどうしようもない不安にかられる」
彼の横顔はフィン達に向きつつも、どこか遠くを眺めているようだった。
「・・・・・・私とパウルは古い付き合いでもう長い間、2人だけでパーティーを組んでいたのです。これからも2人だけでやっていくのだろうと思っていたのですが、ある時、酒場でたまたま隣り合ったフィンからパーティーに入れさせてほしいと頼まれましてね。最初は入れてやるつもりなんて無かったのに、フッ、彼はあの性格でしょう?飲みかわすうちに簡単にいいくるめられてしまったのです」
「フフッ、彼ならありそうだわ」
「そしたら次の日にメリーナを連れてきて、コイツも入れさせてほしいと言ってくるじゃありませんか。はははっ」
「二人では入れさせてもらえないと踏んで、先に彼が話を付けたって事?」
「私もそう思ったんですがね、メリーナはフィンを追って村を飛び出してきたばかりだというんですよ」
「あら、メリーナの方が・・・・・・」
「ええ、いじらしいでしょ。そんな話を聞かされては断ることも出来なくて結局メリーナもパーティーに入ることになったんです。フィンは、妹みたいなものだからオレが面倒を見ると言っていたんですがね、」
「フフッ、面倒を見られているのはフィンの方のようね」
視線の先では、装備を整えるフィンをメリーナが甲斐甲斐しく世話を焼いている。
「私とパウルの二人なら無茶はきくんです・・・・・・酒の席でいつも言っているんですよ。お互い何かあったら骨は拾ってやるってね。だが、あの二人に無理をさせることはできない・・・・・・私には責任がある。このパーティーのリーダーだから。」
エリアスは左腕にはめている小ぶりな盾を撫でていた。戦いによって所々へこんで使い古された盾を。
「モンスターがめっきり少なくなって他の冒険者達が遠征へ行ってしまった時にも、私は街に残ることを選んだ。彼らの為に。本当はお金を稼ぎたくて冒険者になったのだろうに、不甲斐ないリーダーですよ」
エリアスは背を丸め頭を掻いた。
「リーダーならメンバーの安全を第一に考えるのは当然よ」
「そう言ってもらえると救われます。今回、ライリー殿に声をかけてもらえたのは助かりました。想像以上に稼ぐことが出来ましたからね・・・・・・一度フィンに聞いたことがあるんです。どうして冒険者なのか?って。冒険者なんて危険な仕事はメリーナの為にもやめた方がいいとも諭したんですけどね。彼はハッキリとは言いませんでしたが、どうやらお金を貯めてコッレの街に移り住みたいようなんです」
「それはメリーナと?」
「そうでしょうね。今まで頂いた分け前で、十分その夢は叶うはずです。無茶をする必要はもう無い・・・・・・」
「そう、」
私は頭の中で思案した。
(エリアス達が抜けるとなると・・・・・・)
アデリナとココの方を見た。アデリナは額に手をかざし、相変わらず浮島を監視している。ココも隣で静かに浮島の方を見ていた。
二人ともこちらの会話を聞こえていないフリをしているようだ。
(二人に代わりを務めてもらうには荷が重そうね。・・・・・・ジューリアに兵士を貸してもらうか、)
教会の兵士を貸してもらうのはジューリアに迷惑がかかるため出来ればしたくなかったがこの際、仕方がない。
ただ、いきなりドラゴン退治だと言われ果たして兵士たちの統率を取れるかどうか、その点は不安が残る。
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