異世界いっといれ 〜失業したので異世界行き来しながらスキルで稼ごうとしていたがキャバ嬢に主導権を握られている

nov

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第32話 ゲーマーのサガ

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 軽く昼飯にソバをすすりながら、スマホでタイムカードとタイムレコーダーを検索する。迷宮入りの時間計測のためだ。今時ならアプリなどでもありそうだが昔ながらの紙に印字するスタイルで会員カード相当にしておけばいいだろう。法人会員も潜れるのは1回に1人にしてしまおう。

 購入。合わせて1万円ちょっとだった。明日届く。

 スチール製のロッカーも検索してみるがお高い。武器だの盾だの鎧だのを入れると考えるとある程度の大きさが必要なのだがデカい上にそこそこのお値段になってしまう。鎧も複数いけそうなワードローブだとなお高い。そしてふと気付いた。着替えるから更衣室も欲しいとか言われそうだ。女子勢に。

 うーん。でも装備着けるだけだから下着になるわけでもないか。装備預かり用で着替え保管用ではないのだから動きやすい服装で来てくださいと言うしかない。トイレは自由に使ってもらって結構だし。

 とりあえず、幅900×奥行515×高さ1800mmの3人用ロッカーで様子を見よう。1人分の幅26cmくらいだからなんとか鎧が入るだろう。長い槍とかは入らなそうだけど。5万円か……致し方なしとポチるが届くまで1週間近くかかる……。

 折り畳みマットレスも検索してみるとお値段以上のところで6つ折りのシングルのマットレスを2つ購入。6千円。厚さが3cmしかないがないよりはましだろう。こちらも届くまで1週間ほどかかる。

 勢いでポチポチしているとアユミさんから「これから会員希望者と向かいます」とメッセージがやってきた。こちらも家に帰らねば。




「おはようございます。先生。2人連れてきました」

「おはようございます」

「おはようございま~す。お邪魔しま~す」

 2人連れてっていうかマイさんも入れて3人連れていた。

「よろしくお願いしまーす!ノアです!」
「アイリです」

 身長高めのボーイッシュで元気なお嬢さんと、大人しそうな線の細いお嬢さんだ。正直なところ急に女性が増えてしまうと名前を覚えられる気がしない。

「入会金も持ってきました」
「わたしも~」

「お預かりします」

 それぞれ手渡された封筒が4つ。40万円の預り金だ。今日だけで70万円。これはダメになる。早く別管理しなければ。すでに10万円くらい使ってしまっているが。

「あと、これは昨日の売上です」

「ありがとうございます。あ、ただアルコール依存症の人から急にアルコールを抜くと禁断症状が出ることがあるので注意してください。小治癒ローヒール何回かで落ち着くとは思うんですけど」

 思わずマイさんを見てしまうが、なぜか照れくさそうにしている。そこは照れるところじゃない。

「了解です。MPに気を付けます師匠」

「迷宮潜り放題、いいな~」
「師匠って!なんかいいっすね!」
「弟子になると潜り放題なんですか?」

 女性が4人もいると姦しい。自宅なのにアウェー感だ。アユミさんが弟子になった経緯などを説明しているが、勝田さんの会社が法人会員になったのでこれ以上同じ仕組みの弟子を増やしても微妙なところだ。黒服さん達がヒーラーをやるだろう。

「そういえば勝田さんから法人会員の申し込みがありましたよ」

「やはりそうきましたか。先生、弟子を増やしましょう」

「なぜに!?」

「半端に迷宮に潜って小治癒ローキュアが使えるようになっても1日に1回か2回が限度です。私たちは攻守バランスの取れた固定パーティを組んで、より深層に潜ってレベルを上げるんです。圧倒的に」

「圧倒的に?」

「ええ、誰も追いつけないところまで。そうすれば自ずとMPも増えるでしょう」

 たしかに1人あくせくと攻略するより、バランスよくパーティを組んで早く下層に行った方がレベルの上がりもいい。
 しかし、アユミさんは一体何が目的なんだ?


「キャラビルドにおいて器用貧乏など論外。取得スキルを絞ってしっかり専門職にキャラビルドすべきです!」


 ……この人、ただの廃ゲーマーだったー!
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