俺の幸せの為に

夢線香

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本編

49. 事件




 何だかんだ、有りながらも十七歳になった。

 俺の身長は百九十五センチで頭打ちになったみたいだ。

 シュザークは王配教育を本当にさっさと終わらせてしまった。大体、一週間に一度、ランドラーク王太子殿下と逢瀬を交している。

 最初は困惑顔だったシュザークも、ランドラーク王太子殿下と逢って、交流を持つ毎に好意を抱くようになったらしい。

 恋愛的なものではないようだけれど、嫌じゃないのなら……いいかな。




 ノルフェントは相変わらず、俺を避けている。

 背丈も伸びて、俺の肩に目線がある。

 キディリガンの他の皆と、よくダンジョンに行っているようで、身体も逞しいとは言い難いがしっかりして来た。

 成長して、少年らしさが抜けるほど……俺の好みに近付いて来る……。

 触れれば折れてしまいそうな印象は薄れ、より艶めいて妖艶さを纏い出す。

 憂いた表情が色香に磨きを掛けていた。

 中性的だけれど、女性と間違うことはない。

 まだ、学園に在籍しているので…心配ではある。

 ノルフェントに媚薬を盛った奴も、まだ学園にいるらしいから…。

 俺を避けまくっているノルフェントだが、偶に、猫の姿で俺の傍にやってくる。

 猫になる薬は、皆から分けて貰っているみたいだ。

 最初は……構わないようにしようと思った。

 ノルフェントの好意を袖にしたのは俺なんだから、ここで優しくするのは違うと思った。

 ──だけど……耳も尻尾も……へにょりと垂らして、猫の姿で現れたら……つい、抱き上げて……撫で回してしまう……。

 こんなのは、優しさじゃないと分かっているのに……余りの落ち込み具合に……手を出してしまう……。

 力無く、ニャ~ニャ~鳴きながら……尻尾を俺の腕に絡めて、きゅむきゅむ締め上げてくる。

 そうされると、もう駄目で……散々、モフり倒してしまう。

 モフり倒されて、くったりとした黒猫を抱いて寝るまでがルーティンとなった……。


 ノルフェントからは、いつも……いい匂いがしていた。


 其の匂いを嗅ぐと、何だか安心する。

 一体……いつになったら、ちゃんと喋ってくれるようになるのかな……?

 俺を避けて、他の皆と仲良くしている姿に……靄々するんだ……。勝手だな……俺……。

 俺に呆れているのかと思えば、こうやって……猫になって逢いに来る……。


 ──何を考えているのか、教えて欲しい……。


 俺に、……どうして欲しいんだ……?


 俺が、謝ればいいのか……?


 でも、何を謝ればいいんだ……?


 ──お前は、何を望んでいるんだ……?




 ノルフェ……。教えてくれ……。









 オオシャールのダンジョンも完全攻略した。

 キディリガン一家のパーティーは最低でもSSランクとなり、冒険者ギルドでは一目置かれる様になった。

 其れでも、まだまだ魔力値が下がらないので、今も討伐を続けている。

 オオシャールの海に溢れる魚の魔物をごっそり獲っては、オキシトロン領の民に食糧として渡しているので、助かっている。

 獲っていった魚の魔物から採れる素材は、売って復興資金に全額回していたら、元オクシトロン辺境伯のソルマルト男爵に、もう十分だと返された。

 仕方が無いので、アスロークとホワトムに渡して役立てて貰う事にした。




 そんな日々を送っていたある日。

 夕食後のお茶の時間に、シュザークが難しい顔で言った。

 王宮から国宝の一つが盗まれたらしい。

 其のせいで、ランドラーク王太子殿下が驚く程憔悴しているのだと。

「何故、ランドラーク王太子殿下が?」

 余程、大切なものだったのだろうか?

「詳しくは教えて貰っていないけれど、ランドラーク殿下の人生に関わる…とても重要なものらしいんだよ」

 国宝に付いては、最後の王配教育で教わる事になるので、シュザークも知らないらしい。

「王宮の宝物庫から、どうやって盗んだんですか?」

 王宮の宝物庫の警備は厳重だと聴く。

 王族でも、権利を与えられた者しか入れないと聴いた。

 今は、陛下と王妃殿下、王太子殿下のみが入れる。

 それ以外の者が宝物庫に入ると、即死するらしい。

 かなり、怖い魔法が掛けられているとか。

「其れが……国宝を詳しく調べる為に、宝物庫から出して魔法省で調べていたらしいんだ。─其処から、盗まれたらしいね…」

「──魔法省、責任重大ですね……」

 国宝を盗まれるなんて……唯では済まなそう……。

「魔法省は、血眼になって犯人を探しているらしいよ?」

 シュザークが困ったように眉を下げた。

「──私と婚姻出来ないと、ランドラーク殿下が泣くんだよ……。私も、困ってしまってね……」

 国宝が無いとシュザークと婚姻出来ない?

 ──一体、どんな国宝なんだ……?

「──他には、無いもの何でしょうか……?」

「どうだろうね」

 そんな話をしながら、お茶の時間はお開きとなった。




 そして、其れから一週間後。

 夕食の時間にノルフェントが現れなかった。

 必ず、夕食を一緒に取る訳ではないが、誰にも何も言わず夕食に現れないことはない。

「ソーン、ノルフェから連絡来てる?」

 夕食を摂らないときは、ギルドカードを使ってソーンに連絡を入れるはずだ。

「──いえ、何も来てませんが……」

 ソーンも浮かない顔をしている。

「──今日は、確か……学園に行ったんだよな……?」

 俺の問い掛けにソーンが頷く。

「学園に行った時は、いつもなら遅くても昼過ぎには戻って来る筈ですが……」

 タキートが首を傾げた。

 何だか……胸騒ぎがする……。

「ちょっと、学園に行ってくるよ」

「私も、行くよ」

 シュザークが立ち上がった。

「じゃあ、俺も」

 ユリセスも立ち上がった。

「ありがとう」

 礼を言って、三人で学園に転移した。




 学園のギルドに転移して来た。

 俺達は卒業してしまったので、直接、学園内に転移は出来なくなったからだ。

「ノルフェは、何の講義を受けているんだ…?」

 俺は、ずっと避けられているので…そんな事も知らない。

「薬学の講義を受けてる筈だぜ?」

 ユリセスが答えてくれた。

「取り敢えず、ギルドカードに連絡を入れてみたらどうだい?」

 シュザークに言われて、漸く気付いた。

 今、何処にいる?

 其れだけを打ち込んで送った。

「─あー……、俺だと連絡して貰えないかも…だから、二人も連絡してくれない…?」

 情けないが、しょうが無い。

「──ハーシャ、まだ拗れているのかい?」

 シュザークに、溜め息混じりに呆れられる。

「拗れているって言うか、何と言うか……」

 正直、今の俺とノルフェントの関係がどんなものなのか……分からない。

「─取り敢えず、ギルマスに会って学園に入れるようにしてもらいましょう」

 何と言って良いか分からず、話しを逸らした……。




 ギルマスのマルムに学園長に連絡を取って貰って、学園内に入る許可を取った。学園長にも会って貰える事になった。

 念の為、ノルフェントがダンジョンに入っていないか確認する。

「今日は~、入っていないみたいですね~」

 マルムに言われて、ほっとする。

 もし、ダンジョンに入っていたら、一回層毎に探索を掛けて探すことになる。

 造作も無い事だが、時間が掛かる。

 マルムに礼を言って別れ、学園長に会いに行った。

 時間は、夜の七時を過ぎている。

 流石に、此の時間は生徒が殆どいない。

 学園長なら学園に残っている生徒が調べられる。

 此の学園は入学時に、自身の魔力を籠めた魔石を納める事になっている。

 その魔石を元に、学園の敷地内に居れば誰が何処に居るのか把握することが可能だ。学園に入った時間も出た時間も分かるので、此処に来た。

 魔力を籠めた魔石は、卒業時に本人に返還される。

「こんな時間に申し訳ありません。ノルフェ…ント殿下が、まだ学園に居るか知りたいのです」

 ロバート・フレイソン学園長は公爵家の方だが、挨拶もお座形に本題を切り出す。

 学園長は快く調べてくれた。

「今現在、学園内には居ないね……。お昼の二時前には学園を出ているよ」

 部屋の壁一面が水晶板の様になっていて、其処に学園内の地図が映し出される。様々な色の光点が生徒や教員達だ。

 此れは、学園長しか操作出来ない大きな魔道具の一つだ。

「─今日のノルフェント殿下の動きを観てみようか」

 学園長がそう言うと、仄かに紅い一つの光点の上に、ノルフェントの名前が小さく出た。

「今日は─朝の九時前には学園に入っていたようだね」

 紅い光点の動きを早送りのようにして観ていく。

 ノルフェントは学園に来て、薬学の講義を受けに教室に向かい、昼の一時前には教室を離れた。恐らく、学園の転移門に向かっている途中で、光点が止まった。

「誰かに呼び止められたみたいですね…」

 シュザークが呟く。

「─此の、ノルフェント殿下の周りにある四つの光点が、誰だか分かりますか?」

 俺が学園長に尋ねると、彼は頷いて操作する。

「此れは──サドラス・オクトバリだな。トネリコルト国の侯爵家の次男だ……」

 学園長の顔が苦々しく歪む。

「余り、良い人物ではなさそうですね?」

 学園長の反応にシュザークが苦笑した。

「──ああ、サドラス・オクトバリは……大きな問題こそ起こしてはいないが……何と言うか……」

 学園長が言い淀む。

「──彼の側には、いつも三人の生徒が居るのだが……我が国の公爵令嬢と侯爵令嬢、其れと侯爵子息だ…。王太子殿下の婚約者候補と側近候補だった……」

 学園長が深く溜め息を吐いた。

「はぁ……、正視出来ないような破廉恥な格好で学園内を歩き回って居るのだよ……」

 ん…? 待てよ…? サドラス・オクトバリ……?

「あっ…! ノルフェント殿下に媚薬を盛った奴だっ…!」

「「「何…?」」」

 突然思い出して、大きな声が出てしまった。

 三人が俺を見る。

「其れが本当なら…不味いんじゃ無いのか…?」

 ユリセスがぼそりと呟いた。

 全員で、壁に映る五つの光点を見詰める。

 五つの光点は転移門に続く道を逸れて、校舎の中に入って行く。


 ──何で……。


 媚薬を盛ったのは其奴だから……近付かないように言っていたのに……。


 何で、付いて行ったんだ……!?


 校舎の中を、ノルフェントを囲むようにして歩いて行く。

 辿り着いた場所は───学習室。

 学習室は図書館の中にある個室だ……。

 予め予約を取ってから使用できる六畳程の部屋だ。

 その部屋は防音で魔法の使用が、一切禁じられる。

 貴重な書物を守るための処置だ。

「──何故、こんな所に……」

 光点を見詰めながら、呟きが漏れる。

 部屋の中には二つの光点があって、その中に五つの光点が入って行った。

「──此の二つの光点が誰か、分かりますか?」

 学園長に問い掛ける。

「ああ…、ヒンゼルとアクワナ……平民だな」

「何の講義を取っていますか?」

 シュザークが尋ねる。

「二人共、冒険者と魔道具職人の講義を摂っているな」

 学園長は手元の板のようなものを観ながら答える。

 まるで、元の世界のパソコンの様だ。

 壁の光点を見ていると、学習室からノルフェントと二つの光点が出て来て、転移門へ向かい……そして、消えた……。

「──学園長、転移先を教えて貰えますか?」

 学園の転移門に繋がる転移陣は登録される。許可されていない場所からは、転移出来ない事になっている。

 学園長は頷いて調べてくれた。

「転移先は、タルナ教会。平民が使う教会だ」

 教会か……。行き先を割り出すのが難しくなった……。

 其処から、更に転移されたら探せない……。

「なあ、此の学習室に残った四人……まだ、学習室に居るんじゃないか……?」

「「「は?」」」

 壁の光点を観ていたユリセスの言葉に、俺達の声が揃ってしまった。

「本当だ、まだ居るな。捕まえて事情を聞き出そう」

 他国の王子が絡んでいるだけに、学園長も動きが早い。

 学園長が居れば、彼の持つマスターキーで学園内なら何処でも入れる。

 俺達は急いで学習室に向かった。




 学園長のマスターキーで学習室の扉を開くと、むあっとした熱気と性交の匂いが溢れ出て来た。


「「「「…………」」」」


 部屋の中は、重なり合う男女の荒い息遣いと喘ぎ声がひしめいていた。

 俺達が入って来た事にも気付かずに、性交に没頭している。

 余りの匂いに浄化魔法を掛けてしまった。が、魔法が使えない部屋なので、出来なかった。

 口元をハンカチで押さえ、部屋の外から四人を鑑定する。此れなら、魔法が使えるみたいだ。

 ヒンゼルのスキルに結界破壊という嫌なスキルがあった。

 アクワナはテイマーで、従えている魔物に淫獣が多い。

 公爵令嬢と侯爵令嬢は……奴隷にされていた。

 しかも、状態異常に魔力操作と出ている。

 ノルフェントが媚薬を盛られた時にも、此れが出ていた。

 あの、気持ち悪い……ひるの様に動く魔力……。

 奴隷に貶しているのは……間違いなく、サドラス・オクトバリだ。

「……っ! な、何だっ…!? お前達はっ!? どうやって入って来たっ…!?」

「なっ…!? 邪魔するなよっ…!? ……離せっ……!?」

 シュザークとユリセスは騒ぐ彼等を無視して、魔力封じの腕輪をヒンゼルとアクワナに嵌めて、腕を後ろで拘束した。

 俺は虚ろな目でぐったりとしている令嬢達に近付き、魔力を探った。

 下腹部と胸の頂きに赤黒い魔力を見付けた。

 隷属されているので、念の為、彼女達にも魔力封じの腕輪を嵌めて……簡易毛布で二人を包んだ。

「学園長、魔法の使える場所に移動しましょう」

 令嬢の一人を抱き上げ、学園長を促す。もう一人の令嬢は、シュザークが抱き上げ、ユリセスは二人の男を担ぎ上げた。

「うう……臭え……!」

 ユリセスは鼻にシワを寄せて吐き捨てた。

 男なら、知らない匂いではないけれど……流石に、此れは酷い……。

「学園の治癒師は帰っただろうから、ギルドに転移しよう。彼処なら、治癒院がある。目眩ましの魔法を掛けるぞ」

 校舎の外に出ると、学園長はそう言って目眩ましの魔法を掛けてから、俺達全員をギルドへ転移させた。

 目眩ましの魔法を掛けたのは、彼女達の姿を人目に晒さない為だ。

 学園長がギルマスのマルムに事情を説明して、治癒院に案内して貰った。

 壊れた人形みたいな令嬢をベッドへ下ろす。

「彼女達は隷属されています。─其れと、胎内でおかしな魔力が動き回っているので、治癒の前に取り除かせて下さい」

 常勤していた治癒師の女性にそう告げると、彼女が頷いた。

 薬の入っていた空瓶を取り出し、被害者の令嬢の身体に蠢く赤黒い魔力を瓶に転移させる。一瓶には収まり切らず、令嬢二人で六瓶になった。

 蠢く魔力を取り除くと、令嬢達は、ほっとした様に体の力が抜けた。

 治癒師は蠢く魔力を気味悪そうに見詰めている。

 跡は、治癒師に任せて、部屋を出てシュザーク達のいる部屋に移動した。

 
 浄化魔法で綺麗にしたヒンゼルとアクワナは、毛布に包まりながら不貞腐れていた。

「君達は、自分が何をしたのか分かっているのか?」

 怒りを必死に抑えている学園長が、低い声で彼等に問い掛ける。

「同意の上での行為なんだから、文句を言われる筋合いはありません……」

 ヒンゼルが反論する。

 愉しんでいた処を邪魔されたのが、余程気に入らないらしい。

「同意…? 奴隷に貶されている彼女達に、選択など許されないのに…?」

「「っ…!」」

 思わず低い声で聴いてしまったら、彼等は息を呑んだ。

「お前達は、其れを知ってて彼女達を凌辱したんだろ?」

 低い低い声で、追い詰める。

「彼女達が、公爵令嬢と侯爵令嬢だって知っているよな? 平民のお前達は……此れから……どうなるんだろうな……?」

「っ…!!」

「だってっ…! あいつがっ…! 好きにして良いって言ったんだっ…!!」

 ヒンゼルは黙り込んだが、アクワナは噛み付いて来た。

「──あいつ?」

「サドラス・オクトバリだよっ…! 俺の淫獣を貸してくれたら、あの女達を好きにして良いって言ったんだっ…!」

「リップフラワーを五体、貸したのか…?」

 鑑定した時に、五体の従魔が不在だった。

「そうだよっ…! 俺が育てた奴だから、ダンジョンのリップフラワーより強力だからって……。だから、此れは…取引だっ…! 俺は報酬を貰ったに過ぎないっ…!!」

 リップフラワー……舐めて魔力を奪っていく魔物だ。

 ノルフェントから、魔力を奪って無力化させる気か?

 だけど……ノルフェントには俺の結界がある。

 猫の姿で俺の所に来る度に、掛け直していた……。

 ──結界破壊のスキル……。

 俺はヒンゼルを見据えた。

「お前……ノルフェント殿下の結界を破壊したのか…?」

「っ…!」

 ヒンゼルはビクリと身体を震わせた。

「─なあ、どうなんだ…?」

「…………」

 答えないので手に黒電を浮かべる。昔、キディリガンのギルドで創った魔法。

 麻痺と痛みも付けようかな…? 死にはしない。

「答えろ」

「…………」

 ヒンゼルは顔を引き攣らせて、其れでも答えなかったので黒電をポイッと投げた。

 野球ボール位の黒いバチバチと音を立てた玉が、ヒンゼルに打つかると……。

「あアアアァァァっ…!!!」

 ガクガクと震えながら悲鳴を上げた。

「ひっ…!!」

 アクワナは顔を引き攣らせて後退る。

「──早く、答えろよ?」

 床に突っ伏して、カクカク痙攣するヒンゼル。

 少し、痛みが強過ぎたかな?

 もう一度、黒電の玉を創っていると、シュザークに手首を掴まれた。

「ハーシャ……。これじゃあ、訊き出せないよ?」

 シュザークが、殊更、静かな声で諌めてきた。

 ──そうだな、これじゃあ……ノルフェントの行方は分からない……。

 俺は気持ちを落ち着かせる為に、深く、息を吐いた。

「──兄上。……お願いします……」

「任せて」

 俺は、シュザークに任せて素直に引き下がった。

「──俺、彼女達の隷属が解けないか試して来ます」

「ハーシャ、もし解除出来そうなら……自死しないように対策を忘れないでね?」

「──はい、分かりました」



 釘を刺して来たシュザークに頷きながらも、疑問に思う。

 果たして……其れが、彼女達の幸せだろうか? と…。

 だが、其れは、他人が決めることじゃない……。

 其れだけは──分かる……。

 俺も……一度は選んだ道だから……。

 ──でも、俺は……死ななかった……。

 時間は、確かに、強い想いを……薄れさせる効果が……あるんだ……。

 ──其れも、俺は知っている──。

 新しい出逢いが……救いになることも……。

 死んで欲しくないと、望んでくれる人も居た……。

 自分が知らないだけで、気付かないだけで、居るんだよ……。



 彼女達にも、そんな人達が居れば良い………。











 

 
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