俺の幸せの為に

夢線香

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本編

52. ノルフェ (中) ☆




 今日は、薬学の講習の日。

 姿を変えて学園に来た。

 朝の九時から講習を受けて、昼の一時に近づいた頃に終わった。

 今日は少し講習が長引いて、こんな時間になってしまった。

 食事は、キディリガン家に帰ってから摂る事にして、帰るために転移門に向かっていた。

 余程の事がない限り、転移門を使う。

 媚薬を盛られた時みたいな緊急事態なら、校舎の外から直接転移する。そうすると、後から学園に転移理由を提出しなければならないので面倒になる。

「ノルフェント殿下、ご機嫌よう」

 姿を変えている私に声を掛けて来たのは……サドラス・オクトバリ。いつもの三人も一緒だ。

 やっぱり、サドラスには姿変えがバレていた……。

「──ご機嫌よう……。私は急ぐので…此れで失礼…」

 さっさと、立ち去ろうとしたら……四人に囲まれた。

「まあ、そう言わずに。ノルフェント殿下に、是非、お訊きしたい事がありまして」

「無礼ですよ。其処を退きなさい」

 一瞥して、低い声で拒絶を顕にする。

 其れなのに、サドラスは気にした様子もなくにこにこと笑っている。

 相変わらず、仮面を貼り付けた笑顔で気味が悪い。

 もう、此処で転移してしまおう。

 そう思ったら、他の三人に腕を掴まれてしまった。

 ハーシャの結界があるから触れられない筈なのに。

「──離しなさい。無礼者」

 三人は、ビクリと身体を震わせたけれど、手は離さなかった。

 私を掴む手の指先が震えている。

「そんなに、つれ無くしなくても良いじゃありませんか。ちょっとだけ一緒に来て欲しいだけです。─ああ、そうそう。其の三人を連れて転移すると……三人は死んでしまいますからね?」

 笑いながら、私の顔へ手を伸ばすサドラス。

 その手は、私に触れる前に弾かれた。

「チッ…。──本当に、面倒な結界ですね……」

 舌打ちしながら、不快そうに顔を顰めた。

 ──ハーシャの結界は、ちゃんと発動している……。

 そう謂えば……ハーシャの結界がどんなものなのか聴いたことはなかったな…。

 私に害がある者が弾かれるのかな……?

 だとしたら、此の三人には私を害する意志がないって事なの……?

 三人の死んだ様な表情と、此の怯えよう……。

 三人を鑑定して見る。状態異常には、何も出ていない…。

 今では、サドラスよりも私の方が頭半分背が高い。

 サドラスを見据える。

「──貴方の言う事など、信用出来ない」

「ふふっ! ノルフェント殿下の鑑定魔法は…まだまだ未熟ですね。──ほら、もう一度鑑定して見て下さい」

 私の鑑定が未熟? もう一度三人を鑑定すると……奴隷と出ていた…。隠蔽していた…?

 奴隷……。ずっと、そうだったの…?

 だから、いつも死んだ様な目をしていたの…?

 此の……破廉恥な格好も強要されていた…?

「何て、事をっ……!」

 其れならば、転移したら死ぬと謂うのは…そう命令されているって事だよね…。

 今のサドラスに付いて行くのは、非常に拙い。危険過ぎる。

「其の三人が死んでも構わないと謂うのなら…どうぞ、お好きに」

 本当に厭な男だ。私に罪悪感を植え付けて来る。

 三人に目を向けると私から視線を外して俯いた。私を掴む手は震えているから、サドラスの言う事は嘘ではないみたいだ…。

 私は、深く溜め息を吐いた。

「──分かった」

 私の返答に、サドラスは満足そうにわらった。




 サドラス達に囲まれて、連れてこられたのは図書館の学習室の一室だった。

 中には、二人の男子生徒が居た。背はサドラスよりもやや、低い位。

 部屋に入る前に鑑定してみると、茶髪茶目の角張った顔をした生徒がヒンゼル。金髪茶目の細い身体付きの生徒がアクワナ。どちらも平民。

 此の学習室の中では、魔法が使えない…。入りたくない…。絶対に、逃げるべきだ。

 周りの者を振り切って走って逃げようとすると、奴隷にされた三人に抱き着かれるように拘束された。

 三人は、小さな声で”ごめんなさい…“と呟きながら、私を部屋の中に押し込んだ。

 ──部屋の中に……入ってしまった……。

 部屋の扉の前にサドラスが陣取る。

「早速、始めてくれ」

 サドラスが言うと、ヒンゼルが私の前に立った。

 この部屋では、魔法が使えないけれど…最初から掛けている防御系の魔法はそのままだ。

 ──だから、大丈夫…。

「…始めろって言われても…こんな状況じゃ、勃たねぇよ…」

 ヒンゼルが顔を顰めてぼやいた。

「はあ…仕方無い。手伝ってやれ」

 サドラスは、私に獅噛み付いて居る金髪碧眼の可愛い系の…彼女の肩を押した。

 獅噛み付かれているので、彼女の身体がビクリと跳ねたのが分かった。

 彼女は、のろのろと私から離れると、ヒンゼルの前に膝立ちになり、彼のズボンを脱がし始めた。

 な、何…? 何をしようとしているの…?

 彼女はヒンゼルの股間のものをあらわにすると……其れを口に含んだ……。

 え…? 何で急に…こんな事を…?

 あれは…シュザーク殿が貸してくれた閨の本に載っていた…。

 え…? あんな処を口で…? 本当にやる事だったの…?

 本の中だけの事だと思っていた…。

 湿った水音と荒くなる息遣い……時々漏れる……呻き声……。

 卑猥さが溢れる部屋は、異質な空間に変わったような気がした。

 ──嫌だ……。早く、此処から出たい……。

「……くっ……! もう……いいっ……イきそうだっ……!」

 ヒンゼルは、彼女の口から…猛ったものをズルリと抜いて押し退けて私に近付いてくる。反射的に逃げようと後退るが…奴隷にされた二人が離してくれない。私の直ぐ後ろには、サドラスが立って退路を断つ。

 ヒンゼルは、自身のものを擦って……私に向かって、子種を飛ばした……。

 ハーシャの結界に子種が掛かり……ピシピシピシッと亀裂が入って綺麗な音色を立てて、カシャーン…と割れた……。

 ──子種で……結界が……!?

 信じられない思いで其れを視ていたら、後ろから両腕ごとサドラスに抱き締められた。

 堅固な外殻のスキルが発動しているので、直接触られては居ないけど……近過ぎて気持ち悪い……!

「なっ…! 離しなさいっ…!!」

 振り解こうと暴れるけれど、三人で押さえ付けられては…どうにもならないっ…!

「ほら、もう一度だ。さっさとやれ」

 サドラスがヒンゼルを促す。

 金髪碧眼の彼女が…また…ヒンゼルの股間のものにしゃぶりつく……。

 何っ…? 何なのっ…? あいつの子種には…結界を破る力があるのっ…?

 だから、ハーシャの結界が壊れたのっ…!?

 ハーシャの結界がなくなったことで、ハーシャの魔力が感じられなくなった…。

 身体が急に寒くなった気がした。

 あの安心できる魔力に、ずっと慣れていたから当たり前になっていた…。其れが無くなると…こんなにも不安で、心細いだなんて……知らなかった……。

 ハーシャの魔力なしに…私は…一人で生きて行けるの…?

 此の寂寥感を……ずっと……抱えて行くの……?

 私がどれ程強く望んでも、意味が無い……。ハーシャが一緒に居る事を望んでくれなければ……意味が無い……。

 其の考えに囚われて意識を飛ばしている間に、ヒンゼルの押し殺したような呻き声にハッとする。
 
「──イくぞっ……!……くっ……!!」

 ヒンゼルが…私に向かって子種を掛けた…。

 避けようと暴れたけれど、無駄だった。

 私の頭の中で、ガシャリと何かが壊れた音がした。

 その瞬間、私の身体がサドラスにしっかりと抱き込まれた。

 伝わって来るサドラスの体温、項に掛かる息遣い、全身に鳥肌が立った。

「は、離せっ…!!」

 気持ち悪いっ…! 気持ち悪いっ…!!

 そして、私の腕に魔力封じの腕輪が次々と嵌められていく。六つも嵌められた……。

 もう一人の男子生徒、アクワナが近付いて来て、私の唇に何かの薬瓶を宛てがった。

 唇をきつく閉じて顔を背ける。ヒンゼルが私の頭を掴んで固定した。アクワナが私の鼻を摘んで呼吸を阻んだ。息が出来なくて、顔が熱くなってくる。

 暫くは耐えたけど……限界が来て、呼吸の為に口を開けてしまう…。其処へ、すかさず薬瓶が突っ込まれて口の中に液体が注がれた。吐き出さないように頭を固定されたまま顎を押し上げられて、口を開けないようにされ……飲み込んてしまった……。

 その後は、急激な眠気が襲って来て……暗転した。




 目覚めると知らないベッドの上だった。

 黒いシルクのシーツ。枕も、掛け布団も同じ。

 天蓋付きのベッドは、赤いレースの薄布が垂らされている。

 趣味の悪い部屋……。

 こんなんじゃ、落ち着かない……。

 身体を起こすと……白いシルクの、矢鱈と裾が長いシンプルで大き目なシャツを着せられていた。シャツの裾は私の膝上くらい。裾を捲ってみると……下着が……おかしい……。

 此れも、白いシルクで出来ているけれど……腰の両脇を紐で結んである。

 何…? これ……女性用の下着じゃないの…? 恥ずかしい……。

 え? 誰かが、着せ替えたんだよね…? まさか、サドラスじゃ………。

 想像して、鳥肌が立った。

 あれから、どの位の時間が経ったんだろう……?

 此処は、何処なんだろう?

 ベッドから下りようと思ったら、首が締まった。

「ぐっ…!?」

 ジャラリ…。

 金属音がして後ろを見ると、銀色の丈夫そうな鎖がベッドヘッドの中心から、私の首へと繋がっている……。

 首に触れてみるとニ、三センチ程の幅がある首輪を着けられていた……。

 布団を剥いでみると、両足首もベッドの天蓋の柱に鎖で繋がれて居た。

 首に繋がる鎖を引っ張ってみても、全然…抜けそうもない。其れでも、ジャラジャラ音を立てながら引っ張っていると、声を掛けられた。

「──やっと、起きましたか」

 赤いレースを寄せて、サドラスが入って来た。

「──此れは、何の真似ですか? 今直ぐ外しなさい」

 サドラスを睨みつけて、冷ややかに言い放つ。

「嫌です」

 サドラスは仮面のような笑顔で、あっさり拒否する。

「──何が、目的なんですか……?」

「ノルフェント殿下ですよ」

「……私? 私をどうするつもりです?」

「ふふっ、私のお嫁さんにします」

 嬉しそうに笑うサドラス。でも、胡散臭い……。

「……何の冗談ですか? 私は男ですよ?」

「ええ、見れば分かります。でも、ちゃんとお嫁さんにしてあげますから、心配しなくて大丈夫」

「私は、そんなものにはなりません」

「ふふっ、今は、そう思っていればいい。──さて、はじめましょうか」

 サドラスの黄蘗きはだ色の眼が嗤っている

 パチン、とサドラスが指を鳴らした。

 自由だった両手が鎖に繋がれた。鎖の先はヘッドボード側の天蓋の両柱に繋がれていた。

 サドラスがベッドに上がって来る。

 気味が悪くて後ろにずり下がろうとしたけど、足に繋がれた鎖が其れを許さなかった。

 シャツのボタンに手が掛かり、一つずつ外されていく。

「なっ…!? 何をっ…!?」

「──ああ……。やっぱり厭らしい身体だ……」

 厭らしい身体……? どういう意味……?

 ボタンが全部外されて、前合わせを拡げられた。

「っ…!」

 女性の様な下着姿を晒されて……羞恥に顔が赤くなる。

 サドラスのねっとりとした視線が身体を這い回る。

 ──嫌だ……。気持ち悪い……。

 サドラスの両手が、身体の線をなぞる様に脇の下から腰までをじっとりと撫で下ろす…。

「っ…!」

 ぞわり、ぞわり、と悪寒が奔る。身を震わせると喉で嗤われた。

 腰に下りた手が上へと戻ってきて、両手の親指が胸の頂きをなぞった。ビクリと身体が跳ねる。

「──前に、此処に私の魔力を付けたのに……気付いたんですか?」

「っっ…!?」

 前に…? 魔力…? なんの事…?

 どうでもいいけど、胸を触るのを止めて欲しい……。

「……分からない? 前に媚薬を盛った時ですよ? ここ、疼いてしょうがなかったでしょう……?」

 そう言いながら、胸の頂きをぐりぐりと撫で擦る。

「やっ…!! 触るなっ…!!」

 嫌だっ…、嫌だっ…! ざわざわするっ…!!

「どうやって気付いて、どうやって取り除いたんですか? ……あの媚薬、強力だったでしょう……? 一人で処理したんですか? 無理ですよね? 誰にしてもらったの? いっぱい、お強請りしたんでしょう?」

 確かに……ハーシャに触ってと何度も懇願した……。

 ──ハーシャは、あの時…私をどんな眼で視ていたの…? 絶え間なく与えられる刺激にいっぱい、いっぱいで……ハーシャがどんな顔をしていたのかも覚えていない。……見る余裕などなかった…。

「……知らない……覚えていない……」

 あの時のハーシャの顔は、表情は覚えていない……。

「そう……。まあ、其れもしょうがないか……」

「いっ……!! 痛いっ…!!!」

 サドラスに、両方の小さな突起を摘まれぐりぐりと指で揉まれた……。

 凄くっ…! 痛いっ…!!!

「あっ、ごめんね……? 舐めて上げますね?」

 そう言われて吸い付かれた。

「ヒッ……!!!」

 いつかの父王を思い出した……。あの時と同じ……。ぬめるなにか……蠢く悍ましいものっ……!!

 折角っ…! ハーシャが書き換えてくれたのにっ…!
また…戻されたっ……!!

「嫌っ…! 嫌っ…!! 嫌っ…!! やめてっ……!!!」

「うーん、そうだなあ……。止めて上げても良いですよ? 此れを飲んでくれたら、直ぐに止めて上げる」

 サドラスが収納空間から取り出した瓶を私の眼の前にかざした。

 随分と意匠を凝らした、繊細な作りの装飾瓶だった。瓶だけでも価値が有りそう。魔力を封じられて鑑定魔法が使えないので、どんな薬なのか分からない……。

「な、何の……薬……?」

「──内緒。でも、毒ではないですよ?」

「──媚薬……?」

「そんな物ではないですよ。──飲みますか?」

「…………」

 私を拉致して、鎖で繋いでいる此の男を信用出来る訳が無い。

「そう、じゃあ続けますね」

 薬を収納空間に戻すと、私の胸の突起をきゅっと摘み上げた。

「イタっ……!! 痛いっ…!!!」

 痛くて涙が滲んで来る。だけど、サドラスは、止めない。引っ張り上げながら、くりくりグリグリと指で転がされる。

 千切れてしまうんじゃないかと思う程…痛いっ!!!!

「あー、こうされるのは痛いんだっけ?」

 そしてまた、舐められる。

「嫌っ…!! 嫌だったらっ…!!!」

「だって、薬、飲まないんでしょう?」

 片方の突起をぐりぐりしたまま、もう片方を口の中に含まれる。

 全身総毛立った。

 気持ち悪い、気持ち悪い、キモチワルイッ……!!

「薬、飲みますか?」

「…………」

「そう」

 黙り込んでいると胸を強く吸い上げられた。

「ヒィィッ…!!!」

 総毛立って、ブツブツと鳥肌が立つ。

 嫌だっ…! 気持ち悪いっ!! 気持ち悪いっ!!! 助けて……誰かっ!……助けてっ…………ハーシャ……。

 嫌悪感と恐怖に身体が震える。涙が滲んで来る……。

「泣いてるんですか? でも……貴方が泣くと、益々、虐めたく成りますね」

 巫山戯るなっ……!!

「うーん、どうやら私では駄目みたいなので…別の方法を試しますか…」

 私から離れて行くサドラスに、ほっとする。

 此の男、本当に気持ち悪い……。魔力の相性がよっぽど悪いとしか思えないっ……!

「テイマーの知り合いに頼んで貸して貰ったんですよ、リップフラワー。知ってますよね?」

 ──リップフラワー…? 魔力を舐め取る魔物だ…。

 嫌な予感がして青褪める。まさか…嘘でしょう…?

 サドラスは厭な顔で嗤いながら、三十センチ程の背丈のリップフラワーをベッドに出した。

「や、やめ…て……」

 花の茎や葉の様に見える透ける緑色の体、頭は大きな唇で舌を持つリップフラワーが、私に向かってくる。逃げようと藻掻くけど、鎖で首が締まって逃げられない。

 プルリとした赤いゼリーの様な唇と舌で、脚を舐められた。

「ヒッ…!!」

 ぞわり、悪寒が奔る。ひと舐めされる度に、ぞわり、ぞわり、と魔力を奪われていく。

「薬、飲みますか?」

 サドラスが嗤いながら聴いてきた。

「い、いやっ…! 取ってっ…!! 早く取ってっ……!!!」

 冷たい舌で魔力が舐め取られる感触が悍ましいっ…!!!

 ざわり、ぞわり、と舐め取られるっ……!

「ふふっ、強情ですね。なら……もう一体、どうぞ?」

「やだっ…! 止めてっ…!!」

 新たにベッドにリップフラワーを出されて蒼白になる。

 もう一体のリップフラワーは、今、私の脚を舐めているヤツとは反対の脚を舐め始めた。

 ゾワゾワと怖気が止まらない……。

「~~~~っ…!!!!」

「薬、飲みます?」

 声も出ない私を覗き込んで、いつもの胡散臭い笑顔では無く、心底愉しそうな笑みを浮かべたサドラスが……新たなリップフラワーを抱きながら聴いて来る。

 また…? 何体居るの……!? もう、要らないっ…!!

 私は、必死で首を横に振る。

「そうですか」

 サドラスは、抱いていたリップフラワーを私の脇腹付近に置いた。リップフラワーは、ペタペタと寄って来て私の脇腹を冷たい舌でゾロリと舐めた。

「……あっ…!……あああぁっ………!!」

 魔力がじわじわと奪い取られて行く……。私は、恐怖と悍ましさに泣いていた……。

「薬を飲むなら、取って上げますよ?」

 サドラスを見ると……其の腕には新たなリップフラワーが……。

 止めて……もう、近付けないで……。

 其の思いでしきりに首を横に振る。

「もしかして、リップフラワーが好きなんですか?」

 そんな訳ないっ…!!

 サドラスは愉しそうに嗤って、空いている方の脇腹に四体目のリップフラワーを置いた。

「っ…!…っ…!!…っ…!!!」

 反対の脇腹も、ゾロリと舐められた。

 余りの悍ましさに、悲鳴が喉に引っ掛かって出て来なかった。

 サドラスが嗤いながら、私の顔を覗き込んで来た。其の腕には、五体目のリップフラワー……。

「こんなにぐちゃぐちゃに泣いているのに……其れでも、美しいなんてね……。ノルフェント殿下の色香はとんでもないね?」

 サドラスは、五体目を私の顔の傍に置いた。

 プルリとした半透明の唇が迫って来て……顔面をベロンと舐められた……。

「~~~~~!!!!」

 悲鳴は……声にならなかった……。

 耳が塞がって来て朦朧もうろうとしてくる……。



「まあ、薬は、無理矢理飲ませるけどね。ふふふっ…!」 





 其の言葉に絶望しながら……私の意識は遠退いた……。













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