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王太子編
ランドラーク・パラバーデ (六) ☆
しおりを挟むシュザークに身体の準備を手伝って貰った日から、二人の逢瀬の場所は、私の自室になった。
そして、毎回、身体の準備を手伝って貰っている…。
嬉しいのだが……なんて謂うか……欲求不満になるのだ……。
手伝って貰った時は、シュザークの手によって極めているから、欲求不満になるはずはないのだが…直ぐに、シュザークが恋しくなってしまうのだ。心も身体も疼いてしまって、会いたくなるのだ。…触って欲しくなるのだ…。
シュザークと触れ合う度に、私の如何わしい夢は、より現実的になって行った。微笑むだけだった夢の中のシュザークの表情が、多彩になった。夢の中の彼が私に話し掛けるようになった。私に触れる動作が多くなった。触れるシュザークの身体の感触が、現実的な質感を伴うようになった。彼に触れられる私の身体の感覚が、生々しくなり…前よりも、夢精する事が増えた…。
後孔の準備のはずなのに、今では全裸で身体中を撫で回される。シュザークの大きくて硬くて、ごつごつした手が、指先が…絶妙な力加減で私の身体を這い回る。私は全身でシュザークの感触を追ってしまって、その手の感触を覚えてしまった…。触られていなくても、鮮明に思い出せる程に…。
シュザークは、胸の頂きをよく触ってくる。そこは少しだけ擽ったいような気がするだけだったのに、ギリギリの処を掠めるようにされているうちに、今までなかった感覚が出て来た。不思議に思って、その感覚に意識を集中して追っている内に…ひくりとするような感覚に変わって行った。
「あ…??」
私が意識せず漏らした声に…シュザークが、にやり と男らしく笑った顔に、何故かドキドキして…ぞくりとした。
シュザークに見惚れていると、指の腹で優しく胸の頂きをトントンと叩かれ、意識を其処に戻される。ごま粒のような、ちっちゃな乳首が勃っていて、其のちっちゃな尖りをシュザークの指先が優しく触れてくる様を見せられる。
決して細くはない男の指で、器用に触れてくる。彼の指の爪の形や質感まで覚えてしまう程、見続けた。
私の気が反れる度に、頂きをトントンと指で叩かれて意識を戻されるので、見ていろ、と謂う事なのだろう…。
シュザークは、身体の至る所で指先をトントンとする。そういう時は、其処に集中しろと謂うことだと理解した。素直に集中して見ていると、やがて、ひくひく、ぞくぞく、ざわざわする場所に変わって行った。
勿論、後孔の準備も進んでいる…。今では、シュザークの指が三本も入るようになっていた…。内壁を小刻みに撫で擦られて、ここもトントンと指先で叩かれる場所が何箇所かある。
特に、閨教育で習った前立腺は、頭がおかしくなりそうな程、刺激が強い。シュザークも当然其れを分かっていて、刺激してくる。何度も何度も其処を弄られて、極めさせられる…。
とても強い刺激なのに…何かが足りない。其の刺激で何度も達しているのに…足りない…。其処を弄られ続けられた時は、もう止めて欲しいと思うのに、終わってしまえば、もっと触って欲しくなる。
弄られた前立腺が、じんじん、じくじくと…疼くのだ。うっかり、シュザークの指の感触を思い出したりすると、勃起してしまう…。シュザークに触れて欲しくて疼いて悶える日が増えて、溜め息が出る。
只、私はいつも全裸だが、シュザークは服を着たままだし、服を乱す事も無かった。私は、シュザークの陰茎を見たことはない。
だから、夢の中の彼の陰茎は、半透明の紅色が濃いピンク色の、閨の道具と同じもののままなのだろう…。
私は是程、欲情してしまうのに…シュザークはいつも平然としている。私では、彼を勃起させる魅力は無いのだろうか…。其の現実に落ち込む。
「全裸で身体を好きに触らせても、相手が勃起しない場合はどうすれば良いのだ…? 私は、そんなに魅力がないのか…?」
ある日、閨教育係に聞いてみた。彼は、困ったように首を傾げた。
「いえ、魅力なら十分にお持ちです。最近のランドラーク王太子殿下は、漂う色香が凄いと、もっぱら、噂の的ですよ? ──そうですね…お相手が勃起しないのであれば、口淫を試されては如何ですか?」
「口淫……?」
其処からは、閨教育係に口淫のやり方を事細かく説明された。渡されてある道具を使って、練習をすると良いと言われた。
言われた通り練習してみたが、上手くいかない。どうしても、歯が当たる。咥えるのが難しければ、舐めたり吸ったり、手を使えと言っていたので試してみる。でも、何だかしっくりこない…。本物じゃないからだろうか…?
シュザークにお願いすれば…練習させて貰えるのか…? ──次の時に、お願いしてみよう。
「──シュザーク、今日は、口淫の練習をさせて欲しい」
「ごふッ…!…ゲホッ…ケホッ…!」
優雅に茶を飲んでいたシュザークが、茶を噴き出して噎せた。咄嗟に、浄化魔法を掛けて側に近付き背中を摩った。
「……すまない、…ありがとう。──何故、急に…?」
落ち着きを取り戻したシュザークが、側に立つ私の両手を握って、子供に問い掛けるように私の眼を下から覗き込んできた。
「その…いつも、私ばかりが……極めてしまっているだろう…?」
「まあ…そうだね」
シュザークが頷く。
「シュザークは、全裸の私に触れても平然としている…。私に、魅力がないからだろう…? だから、口淫を覚えて…シュザークに喜んで貰えるように努力したいんだ。…道具で練習してみたのだが、上手く出来なくて…。本物の陰茎なら、上手く出来るんじゃないかと思ってな…」
恥ずかしいので、眼を逸らしながら話す。
シュザークは項垂れて、盛大な溜め息を吐いた。
私の身体がビクリと震えた。呆れられたのだろうか…? 嫌われた…? お願いしたら、駄目な事だったのか…? 不安に押し潰されそうになっていると、シュザークが立ち上がって私を抱き締めた。
え…? は…?
シュザークに抱き締められたのは、二度目だ。一度目は冒険者講習のとき。私を護るために抱き寄せられた。あの時は、シュザークの鳩尾辺りに私の顔があったが、今は、シュザークの胸に顔がある。丁度、彼の鎖骨辺りが私の目線の高さだ。
顔から火が出そうだった。心臓が大きく脈打つ。
「──ランドラーク殿下は、本当に…可愛い人だね…」
「かっ…!…えっ…!?」
い、今、可愛い人だと言われたのかっ…!? シュザークが言ったのかっ…!? 私に…? 私を…!?
喜びと、混乱と、動揺で、頭の中が騒がしくて訳が分からないっ…!!
「口付けも知らないのに、…口淫を先に覚える気なの…?」
「え…? くち…? えっ…!?」
え? 何を言われているのだ…? く、口付け……?
シュザークに抱き締められているせいで、心臓は煩いし、色んな感情で頭が大混乱で、もう、どうしていいか分からないっ…!!
──でも、このままでいたい……。
シュザークの手が、するりと私の頬を撫でた。そして、額にしっとりとした唇を当てられた。頭が真っ白になって、かあぁっと顔に血が上って、何も考えられなくなった…。
「──本当に、可愛いね…。口淫は、まだ知らなくていいよ。全部、私に任せて…?」
シュザークのトロトロに甘い声が、耳朶を打つ。
もう、何が何だか分からないけれど…私は、只管、コクコクと頷いた。
その後は、寝室に誘導されて、いつもより執拗に前立腺を弄られて、何度も極めさせられた…。泣いて、もう止めてくれと何度も懇願したけれど、止めて貰えなかった…。
──何か、怒らせてしまったのだろうか…?
そして、閨の事はシュザークが全て教えるから、閨の事に付いて、これ以上、誰からも教わる必要は無い。聞きたい事があるのなら、シュザークに聞くことを約束させられた。
極め過ぎと泣き過ぎで、ぼうっとする頭で、私は小さくコクリと頷いた。
そうしたら、シュザークが私を抱き締めてくれた。
「はぁ……可愛過ぎるね……」
シュザークが、ボソリと何かを呟いた。だけど、私は限界で…シュザークの腕の中で眠ってしまった…。
そんな風に日々は過ぎて行った。
私にとって、とても幸せな時間だったと言える。
このまま、順調にシュザークとの関係を深めて行けば、愛しては貰えないかもしれないけれど、親愛位の関係なら…望めるのでは…? と、思えるようになった。
そんな明るい未来に浮かれて居た時だった。
私は、またしても…絶望の淵に落とされた。
国宝の秘薬が盗まれたのだ。
シュザークと伴侶になる為に必要な秘薬が……。
其の知らせを受けた時、私の世界は光を失って何も分からなくなった。
目を覚ますと、自室のベッドに寝ていた。
側に付いていた王宮侍医の話に拠れば、私は気を失って二日程、寝込んで居たのだと謂う。
「国宝は…秘薬は…見つかったのか…?」
「いえ…まだ…。現在、総力を上げて捜索中です」
答えてくれたのは、近衛副団長のジックバルだった。
「──そうか。急がせろ」
「はっ」
ジックバルが、もう一人の護衛に指示を出すと、その護衛は頷いて部屋を出ていった。
ジックバルから詳しい話を聞く。
秘薬を詳しく調べる為に、宝物庫から父王、母上、私の三人で外に持ち出した。其れを魔法省に預け、厳重な管理の元で調べていたのだと謂う。
秘薬は、魔法省で厳重な結界を張り巡らせた部屋で保管し、限られた人間しか入れないようにしていた。
其れなのに、盗まれた。出入り出来る人間を集め、供述魔法を掛けて取り調べた所、まだ、経験の浅い魔法師が犯人だと分かった。だが、どうも言うことがおかしい。
「盗まなければならなかった…」
「街外れにある神樹の根元に置いた…」
「そうしなければならなかった…」
「何故、そうしたのか分からない…」
何らかの方法で操られていたのでは? と結論付けて、犯人の魔法師を徹底的に調べた所、脳の中から怪しい魔力が検出された。赤黒い蛭のように動く、気持ちの悪い魔力だったそうだ。
魔力を取り出された魔法師は、現在、意識不明のまま眠っていると謂う。
今は、其の気味の悪い魔力の持ち主を捜索中らしい。
国宝の秘薬は、薬だ。飲んでしまえばなくなる…。
なくなってしまえば…私とシュザークは……。
嫌な予感は、確定に思えた。
暫くして、父王が私の元を訪れた。
「ランドラーク。──分かっていると思うが…秘薬が見付からなかった時は……シュザークとの婚姻は…諦めろ。──覚悟をしておけよ…」
「…………は…い…」
ベッドに半身を起こして座っていた私は、俯いて…そう、返事をするしかなかった。
父王は私の肩を労るように一撫でして、部屋を出て行った。
俯いた目からパタパタと涙が落ちる。
上手く行っていると思っていたのに…。何故なんだ。シュザークとは、伴侶になることは出来ないのか…? 覚悟を決める……?
今更…無理だ。無理だ、無理だ、無理だ……。
胸を締め付ける痛みに、胸のシャツを掴んで前屈みになって蹲った。キュウゥゥゥッと絞られるような胸の痛みに堪えながら、泣くことしか出来ない…。
そうしている内に、泣き疲れて眠ってしまった…。
気が付くと、ベッド脇の椅子にシュザークが座って居た。
「ランドラーク殿下、──大丈夫ですか?」
シュザークの姿を見たら、また…涙が溢れて来た。
驚いて目を見開いたシュザークが、立ち上がりベッドに腰掛けてハンカチで私の涙を拭ってくれる。
私は、シュザークに獅噛み付く様に抱き着いた。シュザークは抱き留めてくれて、背中を優しく撫でてくれる。
「──シュザークとっ……伴侶に……なれないかも知れないっ……!」
嗚咽混じりに言葉にして、泣いた。
「ランドラーク殿下…」
シュザークは、私の背中をずっと撫で続けてくれた。
私は気鬱になってしまい、ベッドから起き上がれなくなってしまった。
身体に、力が入らない。何もする気が起きない。人と会話することすら億劫だった。
シュザークが度々、見舞いに訪れてくれた。その時だけは、シュザークに獅噛み付いて泣いた。
シュザークは、黙って背中や頭を優しく撫で続けて、私が泣き疲れて眠りに落ちると帰って行った。
そして、真犯人が捕まった。──秘薬は失われた。
犯人は、トネリコルト国の侯爵家の次男で、サドラス・オクトバリと謂う男だった。ノルフェント殿に執着しており、彼を拐って自身の伴侶にする気で、秘薬を無理矢理、飲ませたのだと聞いた。
ノルフェント殿も貞操こそ無事だったが、酷い目に遭ったようだ。ハーシャやシュザーク、偶々、一緒になったジックバル達と救出したようだ。
秘薬を無理矢理、飲ませられたノルフェント殿は、高熱を上げて苦しんだ。意識が混濁したまま悪夢に魘されているとか。ハーシャが付きっ切りで、甲斐甲斐しく世話をしているらしい。
秘薬の効果を検証する為に、王宮内に留めて居るそうだ。
ノルフェント殿が…。“神結糸の仲”であるハーシャが居るのだから、子を孕まなければならなくなっても、ハーシャと子をなせば良い…。
被害者であるノルフェント殿を、妬ましく思ってしまう。見当違いな感情だ…。分かっているが……。
私が飲むはずの、秘薬だったのだ……。
シュザークも一緒に王宮に滞在して、私の傍に居てくれるけれど、今だけだ……。もう直、居なくなる…。もう直、私の婚約者ではなくなる…。もう直、自由に逢えることもなくなる…。
──ならば、せめて……。
「シュザーク…。私を、ちゃんと抱いて欲しい……」
獅噛み付いて居るシュザークに、懇願する。
「ランドラーク殿下……」
困ったような声色に、哀しくなる。だけど、引く訳には行かない。
「シュザークに取っては迷惑だろうが、私に取ってはとても大きなことなんだ……。お願いだ…シュザーク…。私を……抱いて欲しい……お願いだ……」
私は、必死に縋り付いた。
せめて、忘れられない思い出が欲しい。そうすれば、きっと…夢の中のシュザークが同じように抱いてくれるはずだから……。
シュザークの手が私の頬を挟んで、上向かせる。涙でぐちゃぐちゃの顔を覗き込まれた。浄化魔法を掛けて、綺麗にされた。でも、直ぐに涙が流れ落ちる。
「──そんなに、私が好きかい?」
シュザークの白金色の睫毛に縁取られた、透き通るような碧い氷の眼が私をじっと見詰める。
好きかだって…? 今更…何を……。
「──好きだ。──愛してる。どうしようもない程、どうにもならない程、──愛してるんだ……」
シュザークの眼を見詰め返しながら訴えた。
「──そう」
シュザークは、眼を細め薄く微笑んだ。
そして、シュザークの顔が近付いて来て……私の唇にシュザークの唇が触れた…。
え…。
驚いて動けないでいると、また、柔らかい感触が唇に触れる。
え…。
ぼんやりとシュザークの眼を見ていた。そうしたら、また、唇が触れて…ぬるりと舌が入って来て、私の舌と絡み合う…。
………。
私はどうして良いか分からずに、されるがままだった。シュザークの舌が私の舌を撫でて来る。優しく掬われて、絡めて、擽ってくる……。
口付けをされている……?
シュザークに……シュザークと……口付けをしている……。
理解した途端、かあぁっと顔が熱くなって来た。
「ん…んっ…」
自分でも驚く程、甘い声が漏れた。
シュザークの口付けが深くなる。優しかった舌が強引に動き出す。私の口の中を何かを探すように動き回って、見付けると其処を集中的に甜め上げてくる。
「はっ…ん…!」
苦しい……。息が上手く吸えない……。だけど…気持ちいい……。シュザークの舌に、一生懸命、舌を絡める。舌の付け根の際を舐められて、震える……。苦しくて…気が遠くなりそうだ……。そう、思っていたら、口が離れて行く……。
「あ……」
名残り惜しくて…追い掛けてしまう……。シュザークは喉で笑って、追い掛けた私の舌をちゅうっと吸って離れた。
「──あの秘薬があれば、良いんだね?」
「え…?」
「良いよ。探して来てあげる」
シュザークの言葉に耳を疑う。だが、あの秘薬は、何処のダンジョンから出たものかすら分かっていない代物だ。普通ならば、何処のダンジョンからドロップしたか記載されているはずなのだ。其れが、あの秘薬には記載が無かった。
「無理だ…。何処のダンジョンからドロップした物か分からないんだ…」
シュザークは、にこりと笑った。
「任せて。──だから、もう泣かなくても良いよ」
シュザークは、私の唇にもう一度触れるだけの口付けをして、私をぎゅっと抱き締めてくれた。
頭がふわふわする。任せて…良いのか…? 自信の有りそうなシュザークの言葉に心が揺れる。
「だから、身体の準備を続けようか。暫くしていなかったから、狭くなってしまったかもね」
「え…?」
身体の準備をするのか…? え…? シュザークは、私と婚姻する気でいるのか…?
混乱している私を余所に、シュザークはベッドに上がって来て、するすると夜着と下着を脱がされた。
シュザークの手が身体中を撫で回す。もう、すっかり覚えてしまった其の手に、身体が震える。余り感じなかった胸の頂きも、とても敏感なものに変わっていた。でも、この慣れた手に落ち着く。シュザークのこの手が好きだ。
沈んでいた気持ちが、シュザークの手によって官能へと誘われる。
いつものように前立腺を指で弄られて、頭の中が真っ白になった。余計な事は何も考えられなくなる…。いつかのように前立腺と陰茎を散々、弄り倒されて…何度も極めさせられて、もう、止めて欲しいと何度も懇願したのに、やっぱり、止めて貰えなかった…。
泣き過ぎと、極め過ぎで、頭がぼうっとなっていると、口付けられた。シュザークの舌に舌を絡める力もなくて、彼のなすがままだ。でも、心地良い……。
ゆっくりと離れて行く唇に、寂しさを覚える。
「全部、私に任せて。何も心配しないで、安心してお休み──」
シュザークの腕の中に抱き締められて、甘く優しく囁かれて……私は、何だかぼうっとして…久し振りに安心して眠りに落ちた。
次の日も、シュザークは私を官能に落とした。前立腺と陰茎を弄り回されて、限界まで極めさせられる。ぼうっとした私に、甘い声で“お休み”と言われて眠りに落ちる。
其の次の日も、また其の次の次の日も、官能の淵に沈められた…。
弄られ過ぎたせいか、何もしていなくても前立腺がじんじん、ぢゅくぢゅく、と痺れて…下腹が疼くのだ。常に疼いているから、意識が其処に集まってしまい、気が付けばシュザークの指の感触まで思い出して…悶える。──また、今日も此処を弄られたら…、想像してぶるりと身体が震えた。
駄目だ…。このままでは、色事で頭が馬鹿になってしまうっ…!
ベッドに居ては、また、シュザークに弄られてしまうと思い、起きる事にした。
いつの間にか、気鬱が治っていた…。
シュザークは、起きている私に微笑んで抱き締めてくれた。
照れくさくて…恥ずかしくて…でも…嬉しい…。
──たが…背中に回された手で撫でられると…ゾクリと身体が震えて、下腹部の疼きが強くなる…。思わず、シュザークに甘えるように抱き着いてしまう。
「──ふふっ、本当に…可愛いね……」
耳元でシュザークに囁かれ、ぞくり、と身体が震えた。片頬を撫でられながら上向かされ、唇に触れるだけの口付けを落とされる。其れだけで、頭の中がトロリと蕩けてしまう。
何だ…? 此れは…? まるで、恋人のようではないか……。
熱を持ち始める顔をシュザークの胸に押し付けて隠した…。
シュザークのお陰で気は持ち直したものの、現状が変わっている訳ではない。
父王は、落ち込む私を慮ってシュザークを何とか側室にしようと動いて下さっているようだ。
意識を取り戻したノルフェント殿に、侍医が説明するのにも同伴した。
子を成さねばならなくなったことに、蒼白になって震えていた。その姿は、今にも崩れてしまいそうで見ていられなかった。隣に寄り添っていたハーシャが抱き寄せていた。
私は、複雑な心境を抱えながら彼らを見詰めていた。
何故、望んでもいない者に秘薬を飲ませるのだ…。
私こそが…必要としていた秘薬だったのに…。
私が、シュザークの子を孕む筈だったのに…。
自分の中に渦巻く様々な感情が気分を落ち込ませる。無意識に自分の下腹を撫でて……ズクリと甘い痺れが奔って身を震わせる。シュザークに散々弄り回された前立腺がぢゅくぢゅくと疼いた。
私の意識が、一気にシュザークに支配される。
甘い吐息が漏れそうになって、慌てて部屋を後にした。
廊下にはシュザークがいて、羞恥で顔が赤くなって隠すように俯いてしまった。
薄っすらと微笑みながら近付いて来たシュザークが、私の耳元に口を寄せて小さく囁いた。
「──ベッドに行くかい…?」
「あ……」
顔に火が点いたように熱くなる…。
今日も…あれを……? 流石に、頭がおかしくなってしまう…。だけど…下腹部の疼きは、期待して…ズクンと疼いた。
今日は………だめ………だが………。 ズクン。
駄目だと頭が言っているのに、私は…小さく頷いていた…。
そして其の日も、何も考えられない程にシュザークの手によって、真っ白な官能に甘く沈められた……。
頭から…知性が無くなってしまいそうだ……。
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