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ここまで堕ちて
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配信者として活動して分かった事。それはただ配信を聞きに来るリスナーか冷やかしに来る輩のどちらか。ただ聞きに来ていた人が固定リスナーになることもあれば、コメントすら残さず消えてしまう人もいる。
頭では分かっていても、視聴率が減れば気分は下がったし。特に知りもしない人からの心無いコメントに、苦い何かが喉に詰まった様だと感じた。それでも話すことが好きで、配信が好きで、数少ない視聴者が楽しんでくれたら嬉しくて。
だから頑張って来れたんだと思った。
結局それはただの綺麗事だと知ったのは、配信を初めて1ヶ月経つか立たないかの時だった。
たまたま、そう。たまたま運が悪く大手配信者の企画時間と配信が被った日。
その日は配信開始して、普段なら5分もしない内に来てくれるリスナーが誰一人として来てくれず。無言のまま1時間が過ぎていた。
「…あ、」
人が来ないことで焦り、喉が乾いたままの状態で閲覧数が1になる。
今この瞬間に誰かがここに来てくれた。そう思うと嬉しいはずなのに、喉が掠れて…唇が震えた。
いらっしゃい、その一言を言う前に
閲覧数が1から0へと戻り、
やるせなさを感じた。結局はリスナーあってこその配信だ、と知ったのはこの日だった。
どんなに配信が好きでも聞いてくれる人がいないと意味が無い。リスナーがいない配信なんて…やる意味あるのかな。
沈んだ気持ちは止まらず、今日はこのまま枠を閉じてしまおうか。そう思い終了ボタンへと手を伸ばした時、
本日2人目のリスナーが枠へと入ってきてくれた。過疎だけど自分が決めてるマイルール
1人でも視聴者がいる際は唐突に枠を終わらせない事。せっかくなら話したい。来てくれた人と絡みたい、そう思ったから決めたルール
最後の終わりの挨拶までしてきちんと綺麗に枠を閉じられる配信者は何人いるのだろう
配信が終わったあと、また来たいな。とリスナーに思って貰える配信者はどれくらい居るのか。
推していて恥だと思われないような、そんな配信者になりたい。なんて、目標高めかな。
「1名様いらっしゃい。よかったらゆっくりしてってなー!」
今日は出だしから失敗しちゃったし、だからこそゆっくり息を吐き出したあと
緊張を溶かし、明るめの声で2番目のリスナーを出迎えた。最初に来てくれた人には声すら掛けてあげれなかったから、その分も気持ちを乗せて。
これで来てくれたこの人がこの場から去ったら…うん、今日は枠を辞めてヒトカラ行こう
全力で女々しく○を歌ってやる
そう思っていたのに、
『お邪魔します。声綺麗ですね』
本日2番目に来てくれたリスナーがコメントを落としてくれた。
2番目に来てくれたリスナー、
最初はただそれだけの認識だった…筈。
初見である彼が常連になり
リスナーとして彼を意識し始めたのは…そう遅くはなかった。
ただの配信者とリスナー
目には見えない1枚の壁
顔も名前も知らない関係
彼だけではなく他の常連にもそれは当てはまる筈なのに、
「あ、シロくんTwitte○で呟いてる」
いつからか2番目のリスナーのSNSをチェックする様になっていた
近づきたいわけじゃない
ただ知りたい
今の距離で大丈夫。きっと間違ってない
だって距離を自分が慌てて詰めなくても…彼はきっとどこにもいかない。
信じて疑わなかった。
あの日、初めてシロくんと出会ってからずっとずっと
彼は自分を推してくれていて。
だから想像なんてしてなかったんだ。
キミが離れて行く未来を。
「んっ…♡シロ、くん…き、…すきっ」
無理やり、彼に抱いてもらった身体は音を上げくたりと力が抜けた。
跨っている状態の自分は、彼に全体重を預ける様にして引き締まった胸板へと身体を寄せて。
事後で上がる互いの体温も、呼吸も
吹き出す汗も。全部全部愛おしい。最初から彼を縛って既成事実さえ作ってしまえば良かったんだ。
下手な小細工なんて必要なかった。
最初から彼の意思なんて尊重してあげない。
(こんなに僕を狂わせたんだから責任取ってね。うんん、取らざる得なくなるよシロくん)
彼が不在時に仕掛けた4つのカメラ。
今も、この瞬間を4つの内のどれかが綺麗に録音、録画している事だろう
「シロくん、早くここまで堕ちてね」
未だ繋がった秘部からは、厭らしくも精液が垂れて…床であるフローリングを汚した
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配信者として活動して分かった事。それはただ配信を聞きに来るリスナーか冷やかしに来る輩のどちらか。ただ聞きに来ていた人が固定リスナーになることもあれば、コメントすら残さず消えてしまう人もいる。
頭では分かっていても、視聴率が減れば気分は下がったし。特に知りもしない人からの心無いコメントに、苦い何かが喉に詰まった様だと感じた。それでも話すことが好きで、配信が好きで、数少ない視聴者が楽しんでくれたら嬉しくて。
だから頑張って来れたんだと思った。
結局それはただの綺麗事だと知ったのは、配信を初めて1ヶ月経つか立たないかの時だった。
たまたま、そう。たまたま運が悪く大手配信者の企画時間と配信が被った日。
その日は配信開始して、普段なら5分もしない内に来てくれるリスナーが誰一人として来てくれず。無言のまま1時間が過ぎていた。
「…あ、」
人が来ないことで焦り、喉が乾いたままの状態で閲覧数が1になる。
今この瞬間に誰かがここに来てくれた。そう思うと嬉しいはずなのに、喉が掠れて…唇が震えた。
いらっしゃい、その一言を言う前に
閲覧数が1から0へと戻り、
やるせなさを感じた。結局はリスナーあってこその配信だ、と知ったのはこの日だった。
どんなに配信が好きでも聞いてくれる人がいないと意味が無い。リスナーがいない配信なんて…やる意味あるのかな。
沈んだ気持ちは止まらず、今日はこのまま枠を閉じてしまおうか。そう思い終了ボタンへと手を伸ばした時、
本日2人目のリスナーが枠へと入ってきてくれた。過疎だけど自分が決めてるマイルール
1人でも視聴者がいる際は唐突に枠を終わらせない事。せっかくなら話したい。来てくれた人と絡みたい、そう思ったから決めたルール
最後の終わりの挨拶までしてきちんと綺麗に枠を閉じられる配信者は何人いるのだろう
配信が終わったあと、また来たいな。とリスナーに思って貰える配信者はどれくらい居るのか。
推していて恥だと思われないような、そんな配信者になりたい。なんて、目標高めかな。
「1名様いらっしゃい。よかったらゆっくりしてってなー!」
今日は出だしから失敗しちゃったし、だからこそゆっくり息を吐き出したあと
緊張を溶かし、明るめの声で2番目のリスナーを出迎えた。最初に来てくれた人には声すら掛けてあげれなかったから、その分も気持ちを乗せて。
これで来てくれたこの人がこの場から去ったら…うん、今日は枠を辞めてヒトカラ行こう
全力で女々しく○を歌ってやる
そう思っていたのに、
『お邪魔します。声綺麗ですね』
本日2番目に来てくれたリスナーがコメントを落としてくれた。
2番目に来てくれたリスナー、
最初はただそれだけの認識だった…筈。
初見である彼が常連になり
リスナーとして彼を意識し始めたのは…そう遅くはなかった。
ただの配信者とリスナー
目には見えない1枚の壁
顔も名前も知らない関係
彼だけではなく他の常連にもそれは当てはまる筈なのに、
「あ、シロくんTwitte○で呟いてる」
いつからか2番目のリスナーのSNSをチェックする様になっていた
近づきたいわけじゃない
ただ知りたい
今の距離で大丈夫。きっと間違ってない
だって距離を自分が慌てて詰めなくても…彼はきっとどこにもいかない。
信じて疑わなかった。
あの日、初めてシロくんと出会ってからずっとずっと
彼は自分を推してくれていて。
だから想像なんてしてなかったんだ。
キミが離れて行く未来を。
「んっ…♡シロ、くん…き、…すきっ」
無理やり、彼に抱いてもらった身体は音を上げくたりと力が抜けた。
跨っている状態の自分は、彼に全体重を預ける様にして引き締まった胸板へと身体を寄せて。
事後で上がる互いの体温も、呼吸も
吹き出す汗も。全部全部愛おしい。最初から彼を縛って既成事実さえ作ってしまえば良かったんだ。
下手な小細工なんて必要なかった。
最初から彼の意思なんて尊重してあげない。
(こんなに僕を狂わせたんだから責任取ってね。うんん、取らざる得なくなるよシロくん)
彼が不在時に仕掛けた4つのカメラ。
今も、この瞬間を4つの内のどれかが綺麗に録音、録画している事だろう
「シロくん、早くここまで堕ちてね」
未だ繋がった秘部からは、厭らしくも精液が垂れて…床であるフローリングを汚した
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