きちんと転生しなさいよっ

Neet42

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魔法と剣技 新たなスキル

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いつものベッドで朝早く起こされた

コンが朝早く起きては顔に飛び乗ってきたのだ

「キューン」

顔をペロペロ舐めてくるので くすぐったくてしょうがなく起きたのだが

「おいおい 今日はどうした こんなに甘えてくるなんて おお よしよし」

起き上がりコンを膝にのせて 頭のあたりを何度も撫でてやる

「ご主人 気持ちいいよ もっと撫でて」

コンの木が済むまで何度も撫でてやると 気が済んだのか肩に乗り出したので

そのまま準備を済まして一階で朝飯を食べることにしたのだが

早すぎたのかまだ準備が出来ていなかったようで

「ごめん まだ準備出来てないんだ もう少ししたら出来るから待ってて」

ルビーちゃんが奥から出てきて謝るのだが

こちらもいつもより早く降りてきたのだから しょうがない

とはいえ待ってる間も暇なので 外に散歩してからまた来ようと思った

「ごめん ルビーちゃん 早く起きすぎたみたいだし もうちょっとしてから来るね」

そう断わって 外に出る

「ご主人 コン 早く起こした ごめん ご主人が寝てるところ見たら

 甘えたくなった 朝ごはん 食べれない」

「大丈夫だよ コン もう少ししたら出来るから また行こう

 でもコンが甘えてくれるのも嬉しいから いつでも甘えてね」

前世でも動物は飼っていたことはあったが 何を考えているかわからない事は都度 あったが

意思疎通できるってのは いいもんだなと心から思った

朝早い散歩を終えて 宿屋に戻ると 宿屋の宿泊客が起きてきたようで

朝ごはんを食べてる人たちで盛り上がっていたようだ

「おい ニート おまえ 大型のワイルドボアを退治したんだって

 すっかり 噂になってるぞ」

「そうだ そうだ 冒険者になって数日に男が見たこともない大きいワイルドボアを倒したってな」

宿泊客にも自分と同じく冒険者も数人 泊っていて鉢合わせすると アドバイスしてもらったり

あれこれ世話を焼いてもらったりしていた

最初に話しかけてくれた人がスミスさん 二人目のひげを生やした人がドランさん

二人とも体格がよく ベテランの冒険者だ

「ありがとうございます でもまぐれですよ ほんと 危なかったんですから」

「いやいや まぐれでも 倒せるなら それは実力だぞ だが 命は一つだ

 逃げることも大事だからな 覚えておけ」

こうやって 自分の事をいつも心配してくれるのは嬉しいものだ

「お兄さん 大型のワイルドボアを退治したの?」

ルビーちゃんが横から朝飯を持ってきては話しかけてきた

「うん まぐれだけどね」

「この料理 昨日 持ち込まれたワイルドボアを使ってるみたいだから 

 お兄さんが退治したワイルドボアかもね」

テーブルに乗せられた料理を見てみると 猪の肉を焼いたものと ご飯 卵のセットだった

朝から焼肉とは胃に重そうだけど冒険者が多いこの宿屋ではこれが普通みたいだ

「おお 最近 店に卸してるワイルドボアはニートが飼ってくるのが多いって

 ミトがしゃべってたが へぇ 結構 頑張ってるんだな」

「どうだい 俺たちとパーティーでも組んでみないか 今日はオーク退治に行こうかって話してたんだが」

オーク退治か たまにはパーティーを組むのもいいかと思っていたが 今日はちょっと試したいことがあったので

「すいません 今日はちょっと試したことがあって ゴブリン退治に行こうと思ってるんです」

「そっか そっか じゃぁしょうがねぇか」

「振られちまったな 今日は二人でいくか」

俺より早く朝飯を食べていた二人は ルビーちゃんに ごちそうさまといい 外に出た

「ごちそうさま ルビーちゃん 美味しかったよ」

自分も朝飯を食い終わり 宿屋を出てギルドへ向かう

ギルドに着くと いつも通りクエストボードの前に立つと ワイルドボアのクエストの依頼書があったが

今日は ゴブリン退治の依頼書をはぎ取り 受付へもっていく

「あれ 今日はワイルドボア退治じゃないんですか?」

いつもワイルドボアを狩っているので ちょっと違う事をすると不思議がられるのだが

「ちょっと試したいことがあってね 今日はゴブリン退治に行こうと思うんだ」

「そうなんですか この依頼ですが 町の近くにゴブリンが目立つようになってきたので

 駆除してほしいという町長からの依頼です 依頼料はいつも通りですので頑張ってください」

依頼内容を聞いて ゴブリンをよく見かける平原に行くことにした

「ご主人 今日はゴブリン倒すの コン 大っきくなる?」

「今日は大丈夫 昨日LVが上がった時に 魔法を覚えたみたいだから 試したくてね」

他の人はLVとか そういう概念がないらしいのだが 他の星からの転生者の自分には

LVが上がるごとに スキルなどを覚えるらしい 神様ありがとう

「ゴブリン近くにいるよ あそこ登ってすぐ」

こちらからはまだ見えないのだが コンは嗅覚がするどいらしく ゴブリンの匂いを感じて居場所を教えてくれる

丘を少し上ると下の方にゴブリンの集団がいた 5匹ほどまとまって歩いていたが

高台のこちらには気づいていないらしい 町や他の人を襲う前に退治しなければならない

「ファイアショット」 覚えてたの魔法を声に出してみると

手のひらから炎が飛び出して ゴブリンめがけて 飛び出していく 

結構な大きさと早さなのだが ファイアショットって初級の魔法って聞いていたのだが

思ったより威力がありそうなのでびびってしまった これもステータス補正なのかな

たった一発のファイアショットで ゴブリン5匹がふっとんでいってしまった

「ご主人 すごい ゴブリンあっという間に倒した」

「いやいや 初級魔法だったけど 威力ありすぎ 初期ステータスのせいかな

 コンも ゴブリン見つけてくれてありがとう」

コンがゴブリン見つけては 魔法と剣で倒していくのだが かなり繁殖していたのか

いるわいるわで 30匹も倒してしまった またLVが上がったのか 今度はスキルを覚えていた

ソードスラッシュ と書いてあったので 剣を使ったスキルなのだろう 

流石にもうゴブリンもいないようで コンの鼻にも察知されないようなので帰ることにしたが

「ソードスラッシュ」 剣を構えスキル名を声に出すと 体が前に飛び出し勢いよく剣を振り下ろした

これだけ素早く敵に近づき振り下ろせば相手は構えることも出来ずに 真っ二つだろうな

「怖いな 人相手には使いたくないな とりあえず モンスター相手だけにしとこう」

グウー

「ご主人 お腹空いた 帰ろう」

自分のスキルの怖さを考えていたのだが コンのお腹の音に周りの空気が和らいだので

「俺もお腹空いたし 帰るか コン 何が食べたい」

「肉 お腹いっぱい肉が食べたい」

「ワイルドボアの肉 あるかな 昨日 狩った肉が余ってればいいけどな」


この世界は自分がいた世界とは違う事にあらためて気づかされた一日だった
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