レジェンドオーブ・ロード~物語に憧れて最強への道を歩み始めるオレは、魔王達の根源たる最魔の元凶を滅ぼし全ての異世界を平和へと導きます~

丹波 新

文字の大きさ
311 / 942
第七章 千年以上眠り続ける希望のダンジョンの宝

第311話 ロードは鍵を外しに来た

しおりを挟む
 オハバリは50体を超える魔物を前にしてもひるまない。


「グラスに似た動きだ……」

 ボクネンジンが倒された魔物を前に呟く。

「グラスの故郷だっけ? 知り合いかもしれないわ……捕えなくては……」

 孔雀のような魔物が言う。その時だった。

『我がフリフライの配下たち!! 今からここの者たちに一切の手出しをしてはならない!! そして直ちに天翔木馬トロイアに戻るのだ!! 我らはこの地より立ち去ることになった!! 繰り返す!! 配下たちすみやかに天翔木馬に戻るのだ!!』

 魔王フリフライが街中に聞こえるように天翔木馬トロイアから宣言する。

「――わっ!!」

 スワンの拘束が解ける。

「行くぞ」

 ボクネンジンが仲間たちに言う。

「ええ……」

 スワンを手放した孔雀の魔物も同意する。

 そして魔物たちは何らかの力だろう空を飛んで天翔木馬トロイアへ帰還していった。

「「「……………………」」」

 魔物たちの去り際を茫然と見るハズレ、スワン、オハバリたち。

「何だ急に……」

 ハズレが呟く。

「た、助かったーー」

 スワンが安堵する。

「それよりロードを追わなくちゃいけないんじゃないか!?」

 オハバリが話を進める。

「そうだ」

 ハズレが同意する。

「い、行こう」

 スワンが立ち上がり言い出す。

 そして、タタタタタタタッと走っていくハズレたち。

「オハバリ、キミはどこへ行ってたんだ?」

 走りながらハズレが訊いた。

「ああ、ちょっと野暮用。時代を変えるための一仕事だ」

「「?」」

 ハズレとスワンはきょとんとした。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 ハラパの街・とある建物の屋上。
 今だにグラスはニワトリのような魔物に捕らえられていた。
 しかし、街から人々の叫び声が消えていく。
 魔王フリフライの配下たちが次々と退いていくのだ。

「――――!! (魔物たちが退いていく)」

 ロードが少し安堵する。

「これでいいなグラス。それで地図は?」

 ぬいぐるみ型の魔物を通して話す魔王フリフライ。

「連れてけ……」

 グラスが力を抜いて言う。何の抵抗もせずに、

 バサッとニワトリ人間の魔物から翼が生えだす。

 バサバサと翼をはばたかせ宙に浮いていく。

 その時グラスはロードをチラ見した。

 ロードは我慢していた。助けたかったのだ。

(グラスを助に行くとこの街の人たちが襲われる)

 ロードは助けたくても助けることは出来なかった。ただ腰に提げた剣に手をそえることしかできなかった。

 この時、
(そのまま黙って見てろ)
 グラスは黙ってそう思っていた。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 話は少しさかのぼる。
 グラスとロードは魔王を呼ぶ前ある話をしていた。

「最後の勝負?」

 ロードが訊く。

「そうだ、オレはこれから奴らを希望のダンジョンまで案内してやる」
「だが、あの木馬のスピードからして一日も経たねー内に着いちまう」
「そこでオレは一芝居打つ……もう一つオレが別に残しておいた。落書きの地図がある。そいつを取りに向かわせる」
「オレですら分からねー地図だが、時間を稼ぐには丁度いい」
「そいつを手にしたからと言っても解読できねーから、そこでオレが用済みになることもねー」
「3日は稼げる」

 グラスは空で滞空する木馬を見上げていた。

「それが勝負と何の関係がある? 3日間が何だ?」

 ロードが訊いてみる。

「オマエここへ何しに来た……」

 今度はグラスが訊くが、

「その手に持った鍵でオレの命を預かっているつもりか?」
「ふざけるな!! テメーにオレの命も自由も預けたつもりはねー!!」
「お前は奪ったんだオレから!!」

 グラスは叫んだ。

「確かになかば無理やりお前を連れ出してきたのはオレだ。預かったのではなく奪ったに等しい」
「お前が逃げ出してからよくわかった。お前の自由がこの手の中にある。この手枷のカギに……」
「もしそのせいで魔王に襲われ殺されてしまったら、そう思うとこの鍵で拘束したことに後悔さえした」
「もはや、オレにお前の命を預かる権利はない。失ってからでは遅い」
「だから、鍵を外しに来た」

 ロードはここへ来た理由を話した。

「……………………」

 グラスは黙って聞いていた。

 そしてロードがカギを外そうと踏み込むと、

「来るんじゃねーーーー!!」

 グラスが吠えた。

「今ここで鍵を外されても、オレの怒りは治まんねー!!」
「恨みも憎しみも治まんねーーーー!!」
「気色が悪いぜ、誰かに命を握られてんのは、ぶっ殺したくなるほどにな!!」
「胸糞わりーぜ!!」
「これがお前がオレに教えたかったことか!? ああ!!」

 グラスは怒っていた。

「――――!! 違う!!」

 ロードは否定した。

「だったら勝負するしかねー、この3日間でお前が勝って違うということを証明しろ!!」
「この3日間の間にお前がこいつを外せるかどうかのな!!」
「外せばお前の勝ちだ!!」

 グラスは手枷を見せつけて来た。

「外せなかったら?」

 ロードが訊く。

「オレの勝ちだ。お前のカギは何でもねーただの鉄くずだー」
「ようはオレが魔王に殺されれば俺の勝ちだ!!」

 グラスは笑っていた。驚くロードの顔が見たくてたまらないというような顔だった。

「――――――!?」

 当然ロードは驚く。

 グラスは驚くべき勝負内容を示してきた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...