レジェンドオーブ・ロード~物語に憧れて最強への道を歩み始めるオレは、魔王達の根源たる最魔の元凶を滅ぼし全ての異世界を平和へと導きます~

丹波 新

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第十七章 守るべき暑い暑い砂漠と湖の王様

第831話 その秘宝玉は当たりか外れか

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 サバーザードー界・王宮・入口。

 その場には魔王討伐を目指すロード一行とお見送りをするヨルヤ含めた家族の姿があった。

 スロプが自動車という見慣れないものに変身したので驚いている人もいた。

「北の森に行けばいいんだな」

 ロードが自動車になったスロプに乗る前に訊く。

「ああ、できれば早く行って兵士たちを助けてほしい」

 ヨルヤは頼み込む。

「わかった」

 ロードは自動車に乗り込んだ。

「うん、それよりも行ってしまうのかい? レディたち」

「当たり前でしょ。いつも一緒に死線を超えてきたんだから」

 スワンが言う。

「私にも手伝えることがあるかもしれませんからね」

 ドノミが言う。

「寂しくなるな~~」

 ヨルヤはがっくりしていた。

「それではハズレとグラスのことは頼んだぞ」

 ブケンがヨルヤに向けて言う。

「ああ、めんどくさいけど、クラッカとの約束だしな」

 この時、
「ヒャッハーーさっさと乗れやーー
 スロプの性格がクレイジーモードになる。

「ロード勝てよ」

 ハズレがロードの背中を押す。

「ちっ、かかしやろー今に見てろ」

「どういう意味だ?」

 窓越しに訊くロード。

「次あった時オレたちは秘宝玉所有者だ」

「そういうことか」

 ロードは前を見る。

「朝だから街も静かで人気が少ねー。今なら自動車で移動できるぜ」

 スロプがうるさく言う。

 スワン、ドノミ、ブケンも自動車に乗り込む。

「じゃあ行ってくる」

 ロードが言うとスロプは打倒魔王に向けて出発した。

「頼みましたぞーー!」「気を付けてーー!」「行ってらっしゃいませーー!」

 ヨルヤの家族たちが各々、出立するロードたちを応援していた。

 兵士たちも手を振り、敬礼したりしていた。

「さてと、ハズレとグラスだっけ? 早速始めようか」

 ヨルヤがめんどくさそうに話しかける。

「「ああ」」

 二人は返事をした。


 ▼ ▼ ▼


 王宮・エントランス。

「まず最初に訊く。秘宝玉は持っているんだな?」

 ヨルヤがエントランスの階段に座り込み訊いてくる。

「ああ、この透明な秘宝玉だけどな」

 ハズレが答える。

「どうやったら使える?」

 グラスがせかす。

「まぁまぁ慌てるな。それで何の秘宝玉かわかているのか?」

 ヨルヤがもう一つ質問する。

「いや、なんの秘宝玉かはわかっていない」

「いいから使い方だけ教えろ」

 グラスはイラ立っていた。

「何の秘宝玉かわからないと使いようがないだろ?」

「えっ」「はぁーー!?」

 ハズレとグラスは自分たちの秘宝玉を見た。そして――

((考えたこともなかった))

「その顔、自分たちがどんな異能の秘宝玉を持っているか考えたことすらないだろ。当たり外れがあるんだぞ」

 この時
((外れだったらどうしよう))
 二人は思った。

「言っておく。一度秘宝玉の能力を得ると生涯二度とその異能から離れることができない」

「「――――!!!?」」

「逆に言えば、秘宝玉の異能で当たりを持っている状態が一番いい」

「……………………」

「使い方は教えてやってもいいが、どうする? 今ならまだ引き返せるぞ? 外れの異能なら所有者にはなりたくないだろ?」

 ヨルヤの顔はいたってまじめなアドバイスだった。

 ハズレは口角を釣り上げる。

 グラスは親友の背中を思い出す。

「「愚問だな」」

 二人そろって覚悟を決めていた。

「そうか……まず第一段階クリア」

「「?」」

「何ボケッとしてるんだよ……秘宝玉所有者になるための試練は始まってるんだぞ。受け入れる。これがはじめの一歩になる」

「受け入れる」

 ハズレが口にする。

「最初の一歩」

 グラスが口にする。

「秘宝玉を片手に目を閉じろ。そして何かしらの色が心の目で見えてくるはずだ」

「心の目?」

「言ってることが意味わからねーー」

「いいからやる! オレは一旦仕事に戻るから、何か見えたら教えてくれ、二人同時で来てくれよ。じゃあな」

 ヨルヤとその家族はそれぞれの仕事に戻っていった。

「頑張ってください」「挫折しないでくださいね」「ごめんなさい界王はやることが多くて……」

 ヨルヤの妻たちが応援してきた。

 この時、
((ほったらかしかよ))
 心の中で二人はツッコんだ。

「とにかく言われたことをやればいいんだろ。楽勝じゃねーか!」

「秘宝玉を持った片手を上げて目を閉じる。簡単じゃねーか!」

 二人は秘宝玉を片手にあげて、目を閉じる。

「で、ここから」

「心の目で色を見ればいいんだな」

 二人は色を見ていた。

「「……………………」」

 心に意識を集中させる。

 見えた色は黒。

「黒が見える」

「目閉じてんだから当たり前だろ」

 二人は色を探していた。


 ▼ ▼ ▼


 片手を上げて、目を閉じて色を探す。

 それだけでハズレとグラスは一時間をさまよっている。
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