スマフォ画面0.001ミリ差の恋

丹波 新

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二章 超AIの大活躍

12話 変わり果てたオレの朝

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『朝~~、朝ですよ~~』

「う、うぅ~~ん」

オレは瞼を擦りながら目覚める。

『よいしょっと!』

掛け声に応じてカーテンが自動で開き、朝の陽ざしを窓から滑り込んでいく。
スマフォの時計を見ると午前6時になっていた。

「はぁ~~もう起床時間か……」

ここ一週間はこの時間に起きている。早起きだろ? 超AIの可愛らしい彼女が起こしてくれるんだぜ、羨ましいだろう。何という自分に対しての皮肉。

『さぁ、ケンマ様! ジョギングジョギング!』

(なんて元気のいい声だ……ジョギングか~~、一週間立て続けだといい加減気が滅入る)

そう超AIの完成からもう一週間がたっていたのだ。しかもジョギングを始めて一週間でもある。

オレは寝巻のジャージ姿で寮部屋を離れ、玄関先の下駄箱で靴を取り出し履き替えて寮の外へ出る。
外に出るとチュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえてきたり、透明感のある涼しい風が吹き抜けて気持ちを爽やかなものにする。

本来はそうなんだろう。だが俺の場合は、、、

「もういい加減、ジョギング辞めないか? 正直飽きた……」

『いけません! ただでさえ引きこもりがちのケンマ様、おまけに体育の成績は芳しくない。もやしっ子。ここは是が非でも、ジョギングして因縁の相手、隣のバスケ部部屋の方にも、めにものみせるように頑張りましょう』

「あの人とは顔を突き合わせたことはないんだが、そんな因縁の相手みたいに言われても……」

『とにかく早起きは三文の徳、努力は必ず実ります。さぁ頑張りましょう! おーーーー!」

「お、おぉーーーー」

棒読みのオレは寮の入り口から一区画分走って、またここへと戻ってきた。

それから学生寮に戻り朝食をとる。現在の時刻6時30分。

朝食を食べ終わったあとは、部屋と戻り学生服に着替える。

『さぁ鏡の前に行って歯磨きと身だしなみを整えましょう』

オレは言われるがままに洗面台へと移動する。そしてまず自分の顔を見る。寝癖が凄いことになっていた。

『さぁ、そこにある櫛で髪型を整えてください。それともそこにあるヘアアイロンを使います』

何度か櫛とヘアアイロンで寝癖を梳き、いつも通りのヘアスタイルにする。

『さぁお次は歯磨きです。チューブと歯ブラシを持ってごしごしと磨きましょう』

チューブから薬用歯磨き粉を捻りだし歯ブラシに付ける。

『ゴシゴシ~~♪ ゴシゴシ~~♪』

「あんのさぁ、子供じゃないんははら、いい加減そほ掛け声やめてくれないは? 聞いてるこっちは恥ずはしくなってくる」

歯を磨きながらオレは返した。

『そんな照れなくてもいいじゃないですか……?』

「照れてない」

『デレデレですね』

「ギャグにしては寒くない」

『ギャグじゃありません……さぁしっかりと奥歯まで磨いて~~』

「磨いてるほ」

適度な力加減で歯を磨きながら答える。

そして水で口を漱ぎ歯磨き粉と唾液を吐きだした。

『ケンマ様、また猫背になっていますよ……? いい加減治さないと……』

「治そうと思っても治らないのが猫背なんだよ」

うがいしながら適当に答える。ガラガラガラ&くちゅくちゅっぺ。

『一度整形外科で見てもらった方がよろしくないですか?』

「考えておくよ」

――と言っても行く気はさらさらなかった。

さてと時刻は7時30分何をして過ごそうか。

『そうだ! 朝にぴったりの音楽がないか探していたんですよ。そしたらお勧めできそうなものがあって、聞いてみますかケンマ様?』

「頼むデレデーレ」

そうして登校時間となる8時15分まで、リラックス効果のある音楽を聴いて過ごしていた。

(オレの朝の時間もすっかり変わり果てたもんだ)
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