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第一章 大悪魔との契約
6話 黒井アゲハの私生活
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私は自宅へと、もとい邪神の神殿へと舞い戻って来た。ここで我が工房であるプライベートルームで動画のアップのための編集作業を行っている。
(やはり、アカネたちの姿は映らないか……しょうがないタイトルは使い魔召喚の儀式として、バステトを全面的に押し出すか……アレでも人気度は高いからなぁ……あの雌猫は)
パソコンという異端技術を駆使して手慣れたCG作業に入る。そんな時、自室の扉が少しづつ開いて雌猫が顔を出した。
「我が使い魔バステトよ。何を咥えている」
「主様、母上殿からのお手紙のようです」
「フン……どうせ一人暮らしの心配しての事だろうな……開く必要はない捨てておけ」
「よろしいのですか? きっとご心配されています。返事の一つや二つあっても良いのでは?」
「しんぱいぃ~~? フン、私はデイネブリスパピヨン、リスナーたる使い魔を100万人以上抱える大物ユーチューバーであるぞ。仕送りなど必要としないほどのなぁ……」
「それは、そうですが……冷凍食品ばかりの生活では健康に異常を喫します。たまにはまともな料理動画でも上げてみては……?」
「サプリメントがあるじゃないか……じゃなくて魔術的栄養剤があるではないか。この黒井アゲハに料理などという俗世の座興に興味を持つわけがない」
「しかし、覚えて損はないでしょう……? 男子である彼も、きっと料理上手な女の子を気に入るはずです」
「(それは、そうかもしれないが……作れないのだから仕方がないだろう。それくらい察して見せよバステトよ)古い! 古い! 今の時代! 料理の出来ない女子など山程いるわ! そして料理好きの男子など山程いる。何なら動画でも見せてやろうではないか!」
「わかりました。手紙はここに置いておきます。読むか捨てるかはご自身で決めてください」
バステトは手紙を部屋の入り口に置いて、下がっていった。
(母上か……心配ないというのに、これでも年間、数億万は稼いでいるほうなのに……はぁ~~~~)
改めて作業の方に戻る。しかし、どこから来たのかイヌの霊が部屋に侵入してきた。
(霊感体質になったは良いが、これでは作業もままならないなぁ~~)
「これでも喰らえ!」
私は十字架を向けてみた。するとイヌの霊はどこかへ行ってしまった。
(これで良し、まさかこんな物でも効果があるとは、本来の用途は違うが、備えあれば憂いなしか)
数時間後、動画の内容は出来上がった。その名も――バステトを肩から魔法陣に呼び出してみた――だ。
一度、試しに動画を流して、編集が完璧か見てみる。
(まずは路上でバステトと立ち尽くす私か……次に暗闇である日傘を電柱にくくりつけて、路上に魔法陣を描く……よし、バステトが路上を掃除するシーンはなくなったか、アレがあると視聴者は驚かないだろうからな……次に私が魔法陣を描き、ラテン語の文字を書きしるしていくか……ここからだな。編集した詠唱を聞くとしよう)
『偉大なる大邪神さま。我が使い魔たるバステトを瞬間移動の魔術に今ここに召喚せよ! 漆黒の毛並みに身を包んだ妖艶なる雌猫を、呼びたもうれ、その名はバステト。混沌の災禍に身を置きて、今ここに現出せよ!』
「そして、突風の先の描写にはバステトの思いっきりリアルなCGを、我ながら何というグラフィックか……肩に乗っていたバステトの姿もちゃんと消えているなぁ。よしこれをアップするか」
そして、午後18時に【バステト召喚】の動画をユーチューブにアップした。再生数は一時間で百万を超えた。
(やはり、アカネたちの姿は映らないか……しょうがないタイトルは使い魔召喚の儀式として、バステトを全面的に押し出すか……アレでも人気度は高いからなぁ……あの雌猫は)
パソコンという異端技術を駆使して手慣れたCG作業に入る。そんな時、自室の扉が少しづつ開いて雌猫が顔を出した。
「我が使い魔バステトよ。何を咥えている」
「主様、母上殿からのお手紙のようです」
「フン……どうせ一人暮らしの心配しての事だろうな……開く必要はない捨てておけ」
「よろしいのですか? きっとご心配されています。返事の一つや二つあっても良いのでは?」
「しんぱいぃ~~? フン、私はデイネブリスパピヨン、リスナーたる使い魔を100万人以上抱える大物ユーチューバーであるぞ。仕送りなど必要としないほどのなぁ……」
「それは、そうですが……冷凍食品ばかりの生活では健康に異常を喫します。たまにはまともな料理動画でも上げてみては……?」
「サプリメントがあるじゃないか……じゃなくて魔術的栄養剤があるではないか。この黒井アゲハに料理などという俗世の座興に興味を持つわけがない」
「しかし、覚えて損はないでしょう……? 男子である彼も、きっと料理上手な女の子を気に入るはずです」
「(それは、そうかもしれないが……作れないのだから仕方がないだろう。それくらい察して見せよバステトよ)古い! 古い! 今の時代! 料理の出来ない女子など山程いるわ! そして料理好きの男子など山程いる。何なら動画でも見せてやろうではないか!」
「わかりました。手紙はここに置いておきます。読むか捨てるかはご自身で決めてください」
バステトは手紙を部屋の入り口に置いて、下がっていった。
(母上か……心配ないというのに、これでも年間、数億万は稼いでいるほうなのに……はぁ~~~~)
改めて作業の方に戻る。しかし、どこから来たのかイヌの霊が部屋に侵入してきた。
(霊感体質になったは良いが、これでは作業もままならないなぁ~~)
「これでも喰らえ!」
私は十字架を向けてみた。するとイヌの霊はどこかへ行ってしまった。
(これで良し、まさかこんな物でも効果があるとは、本来の用途は違うが、備えあれば憂いなしか)
数時間後、動画の内容は出来上がった。その名も――バステトを肩から魔法陣に呼び出してみた――だ。
一度、試しに動画を流して、編集が完璧か見てみる。
(まずは路上でバステトと立ち尽くす私か……次に暗闇である日傘を電柱にくくりつけて、路上に魔法陣を描く……よし、バステトが路上を掃除するシーンはなくなったか、アレがあると視聴者は驚かないだろうからな……次に私が魔法陣を描き、ラテン語の文字を書きしるしていくか……ここからだな。編集した詠唱を聞くとしよう)
『偉大なる大邪神さま。我が使い魔たるバステトを瞬間移動の魔術に今ここに召喚せよ! 漆黒の毛並みに身を包んだ妖艶なる雌猫を、呼びたもうれ、その名はバステト。混沌の災禍に身を置きて、今ここに現出せよ!』
「そして、突風の先の描写にはバステトの思いっきりリアルなCGを、我ながら何というグラフィックか……肩に乗っていたバステトの姿もちゃんと消えているなぁ。よしこれをアップするか」
そして、午後18時に【バステト召喚】の動画をユーチューブにアップした。再生数は一時間で百万を超えた。
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