浮気な彼氏

月夜の晩に

文字の大きさ
17 / 70

【浮気な彼氏#6-1】新しい恋の始まりはすでに詰んでる?ぜんぶ浮気した元彼のせい

しおりを挟む
追い払っても追い払っても脳裏に浮かぶ元彼の姿。

昨日の会話が頭の中をフラッシュバックして、色んな怒りだの悲しみだのが込み上げた。何度も何度も。


最後だっていうから会ったのに、騙された!くそ、くそ!!



ごろごろと寝返りを打ち、ロクに眠れないまま結局朝7時を迎えた。着信が鳴った。暁都さんの名前にぎくりとする。


おそるおそる出た。


「昨日は夜どこ行ってたの。返信ないし。バーにも居ないし」


拗ねた声で電話ごしに指摘されて、悪い意味でドキッとした。罪悪感が胸に広がる。


「昨日は寝ちゃってて・・すいません」



まさか元彼と会っていたとは言えるはずもない。嘘100%の言葉を紡いだ。


「ふーん・・。ま、いいんだけど。それより今日さ、どっか行かない?俺休みになったんだよ」


行く、行きます!と返事した。

未だ脳りに残る元彼の残像を、暁都さんにかき消して欲しかった。それに罪悪感も。










待ち合わせ場所に「おまたせ」と現れた彼。いつもよりもお洒落で格好良くて、僕はソワソワしてしまう。


「どこ行きます?」

「あのねえ、今コスモスが綺麗に咲いてるとこあるんだよ。近くにうまい飯屋もあるし」


とりあえずこっち来てと促されるままついて行ったら車が。え、あの高そうな外車もしかして・・?


「どしたの?乗ってよ」


彼はそうニコと笑うと、僕を助手席に放り込んだ。

運転中の彼の横顔は、真剣だけどどこか醒めた瞳。そんな冷たい感じにドキッとしてしまう。

僕はなんとなしに窓の方を向いて、雑談を始めた。



「車、持ってたんですね」

「そうだよ。好きな子以外絶対乗せないけどね」

「!」



つい振り返ってしまい、悪戯な瞳に射抜かれる。ストレートな言動に僕は弱かった。


「好きな子、この間これからってタイミングで家帰っちゃうし。あの後また1人で寝たわよ俺。寂しかったわ~」

「!・・暁都さんなんて嫌い・・」


なんでだよとアッハハと笑う彼。この人をやり込めるなんて、僕には一生無理だろうな。





着いたのは綺麗なコスモス畑。一面に広がる色とりどりのコスモスに目を奪われた。

「すごい!綺麗ですね・・!」

でしょお?と満足気の彼。それは結構広い公園のようなところで、暁都さんは僕を連れて歩き出した。



「たまには良いでしょ?こういうとこも。君、旅館に引きこもって仕事してるか、元彼のことで悩んでるか、俺に口説かれてドキドキしてるかのどれかだもんね」

「最後のは余計ですよ?」

「良いじゃん。まあ俺のことずっと考えててくれも良いんだけどさぁ。ちゃんとデートもしたいじゃん?」




なあ?と瞳を覗きこまれてどきどきが止まらない。
イケメンてこういうの、無自覚でやってるのかな。


 


人があまりいないのを良いことに、彼は僕の手をギュッと握った。

そしてこっちに良いもんあるんだよと引っ張って足速に歩きだした。





辿り着いたのは展望台。
高い塔の上から見下ろすコスモス畑は本当に綺麗だった。


すごいすごいと童心に帰ってはしゃいだ。おっさんの僕でもこんなテンションあがるんだから、若い子なら尚更だろうな。



なんて思っていたら。

暁都さんは人目を盗んで僕にそっとキスをした。それに耳元で「好きだよ」なんて言う。

 


僕は顔真っ赤になってたと思う。
そんな僕を見て彼はくすくすと笑う。


いや、嗤われてるのかもしれない。
おっさんのくせにウブでダサいって・・




あまりに恥ずかしいんで、広い展望台デッキの方に僕は駆けてって逃げた。人目につく場所なら何もされないし!



遠くまで広がるコスモス畑を眺めながら考えた。

・・元彼もこうだったんだよね、最初は。すごい熱烈で、いつも好きって言ってくれて・・
押されて嬉しくて付き合ったけど、結局浮気されてうまくいかなくて。



浮かれていた心にふいに不安が押し寄せてきた。









続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

思い出して欲しい二人

春色悠
BL
 喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。  そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。  一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。  そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

【完結】君の穿ったインソムニア

古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。 純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。 「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」 陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。

箱入りオメガの受難

おもちDX
BL
社会人の瑠璃は突然の発情期を知らないアルファの男と過ごしてしまう。記憶にないが瑠璃は大学生の地味系男子、琥珀と致してしまったらしい。 元の生活に戻ろうとするも、琥珀はストーカーのように付きまといだし、なぜか瑠璃はだんだん絆されていってしまう。 ある日瑠璃は、発情期を見知らぬイケメンと過ごす夢を見て混乱に陥る。これはあの日の記憶?知らない相手は誰? 不器用なアルファとオメガのドタバタ勘違いラブストーリー。 現代オメガバース ※R要素は限りなく薄いです。 この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。ありがたいことに、グローバルコミック賞をいただきました。 https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24

【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】

彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。 高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。 (これが最後のチャンスかもしれない) 流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。 (できれば、春樹に彼女が出来ませんように) そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。 ********* 久しぶりに始めてみました お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

勘違いへたれアルファと一途つよかわオメガ──ずっと好きだったのは、自分だけだと思ってた

星群ネオン
BL
幼い頃に結婚の約束をした──成長とともにだんだん疎遠になったアルファとオメガのお話。 美しい池のほとりで出会ったアルファとオメガはその後…。 強くてへたれなアルファと、可愛くて一途なオメガ。 ありがちなオメガバース設定です。Rシーンはありません。 実のところ勘違いなのは二人共とも言えます。 α視点を2話、Ω視点を2話の後、その後を2話の全6話完結。 勘違いへたれアルファ 新井裕吾(あらい・ゆうご) 23歳 一途つよかわオメガ 御門翠(みがと・すい) 23歳 アルファポリス初投稿です。 ※本作は作者の別作品「きらきらオメガは子種が欲しい!~」や「一生分の恋のあと~」と同じ世界、共通の人物が登場します。 それぞれ独立した作品なので、他の作品を未読でも問題なくお読みいただけます。

幸せごはんの作り方

コッシー
BL
他界した姉の娘、雫ちゃんを引き取ることになった天野宗二朗。 しかし三十七年間独り身だった天野は、子供との接し方が分からず、料理も作れず、仕事ばかりの日々で、ずさんな育て方になっていた。 そんな天野を見かねた部下の水島彰がとった行動はーー。 仕事もプライベートも完璧優秀部下×仕事中心寡黙上司が、我が儘を知らない五歳の女の子と一緒に過ごすお話し。

処理中です...