浮気な彼氏

月夜の晩に

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【浮気な彼氏#13-2】

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悔し紛れだろうか。暁都さんは見た目はカッコいいからその辺なじれないし。



元彼は暁都さんの明るめの茶色でウェーブがかった髪を忌々しそうに見ながら言った。

普通のサラリーマンに見えないのは同意だけど、失礼過ぎる!




「失礼なこと言わないでよ!」

怒る僕を良いよと制して、暁都さんは続けた。



「俺ねえ小説家やって飯食ってんの。だから服装髪型自由って訳」

「どうせ大して稼げねえだろそんなんじゃ」




「んなことないよ?アキトって名前で小説家調べてみてよ。それが俺。今年の春先に話題になった恋愛の映画あるでしょ?あの原作書いたのも俺だし。
まあ今の年収は君の10倍くらいかな。悪いね自由で金あって」


「10倍って嘘つけ!」




「嘘じゃねえよ。あそこ停めてる外車あんでしょ。あれ、俺の。あの佇まいと乗り心地に一発で惚れちゃってさあ。見つけたその日に一括払いで買ったよ」




外車を指差して見せる。そして上着のポケットから車の鍵を取り出し目の前でチャラチャラと降ってみせた。その誰でも知ってる高級車の・・。


唖然とした元彼。そりゃそうだ、こんなの見せられたら誰だって・・。




「惚れたら何でもすぐに手に入れるのが俺のやり方さ」

暁都さんは続ける。



「それに俺は手に入れた後もちゃんと手入れするぜ。何でも。

この子も随分可愛くなっただろ?磨いた分輝いてくれるってもんよ。車も恋人もな。

まあ釣った魚に餌はやらず、更に新しい魚釣りに行くっていうお前みたいなタイプには一生分からない醍醐味だろうがな・・」


「く・・!」




イライラと暁都さんを睨みつけている。それを余裕の笑みで見返す暁都さん。

これが人生経験の差なんだろうか。



暁都さんと直接やり合ってもダメだと察したのか、元彼は僕の方に話しかけてきた。





「なあ、こんなとこ引き上げて戻ってこいよ!今度こそ大切にするから!」

「やだ、戻らない!」



「お前がいないとダメなんだ。それに・・こんなに可愛くなるなんて知らなかった!別の男にやりたくない!」

「いまさら何!?」



「大好きって俺に言ってたよな!?俺を見捨てるのか!」

「・・その大好きだった人に裏切られた僕の気持ちなんか、何も分かんないくせに!
ずっと僕なんてほったらかしで、女の子に夢中でさ!散々浮気しといて自分が振られるってなったらヨリ戻したいってムシが良すぎるよ!!」



「もうしないって!俺、変わるから!!俺ん家に帰ろう!」



僕の手を引こうとするのを振り切って逃げる、でも辞めてくれない!助けて・・っ!

「良い加減にしろ!!」


突然ダアン!と音がした。びっくりして振り向く。暁都さんがテーブルに手をついてブチギレていた。



「君本当しつこいね。でももう諦め時だ」







続く
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