3 / 26
魔法使いを拾ったので警察に届けようとしたら、呼んでもないのにパトカーがきた
しおりを挟む
友人の話によると――俺は昨日、友人主催の飲み会に参加した。学校関係者ではない気楽な友人同士の付き合いに、俺は飲み過ぎたらしい。しこたま飲んだくせになじみの酒屋で一升瓶を購入し、そのまま友人たちと別れた。別れ際に俺は「大丈夫、近道して帰るから大丈夫」といった俺は、友人に止められるのも無視して山道にわけ入っていったらしい。
友人たちも普通の状態だったら、殴っても止めてくれただろうが全員が泥酔状態であり最後には「ばいばい」と笑って俺を見送ったと言う。一歩間違ったら遭難事故になっているところであったが、幸いなことに俺は山の奥深くにはいかなかった。
目が覚めた瞬間に見覚えがある森だと思ったのは――ここが実際に見覚えがある祖父の裏山であったからである。
俺は頭痛と節々が痛む体を引きずって、サモナーと共に下山した。もっとも下山というほど大した距離ではなく、十五分も斜面を下ると道路が見えた。そこから見えた風景は、異世界と呼ぶのが恥ずかしいぐらいにいつもどおりの風景だった。
どこまでも続く、田んぼと畑。
ときより走るのは、農家のトラック。
辛うじてチェーン店のスーパーはあるが超大手のスーパーからは見放されて、地元資本のスーパーが住民たちの救いの神みたいな顔をしてどっしりと店を構えていた。
間違いなく、俺が子供時代を過ごし――現在も住んでいる町である。
「そっ、そうだよな。いい歳した大人が、異世界に飛ばされましたなんて夢をもっちゃいけなかったんだよな。あは、はははは」
俺は、とりあえず笑ってごまかした。
四方を山で囲まれたわが町は、都会出身者から見れば村に見えるのかもしれない。だが、まだ辛うじて小学校、中学校、高校は要していたし、若者もそれなりにはいた。仕事を求めて毎年多くが都会へと旅立つが、それは致し方あるまい。俺自身も小学校から大学までは、親の都合で都会で過ごしていたし。
「あの……すごく発展している都市ですね。うわ、何でしょうか?あの巨大な生物は……」
俺の後ろでサモナーが怯えるものの正体は、おんぼろの軽トラックである。
運転手は三軒隣の佐沼さんで、彼は煙草をふかしながら道路を走って行った。
「都市って……こんなのド田舎をそんな厭味ったらしく褒め――」
俺は少しばかり考える。
サモナーが俺に見せた魔法(本人は魔術と言っていたが)は、おそらくは本物だろう。つまり、俺ではなくサモナーのほうが現代にトリップしてしまっていたのだ。
「げっ」
俺はこれから、サモナーの現代での過ごし方とかを教えないといけないのだろうか。それは、すごく面倒くさそうだ。第一、身分証も戸籍もない人間を現代社会でどうやって暮させればいいのだろうか。
「警察に届けよう」
俺の決心は、素早かった。
結局、ここは現代だったのである。ならば、使えるものは出来る限り使わなければもったいない。こういう時にサービスを受けられるのが、現代社会に生まれた者の特権である。
「サモナー。これから、警察に行ってお前を保護してもらう」
「警察ですか?」
サモナーは、首をかしげていた。
魔法が出てくるRPGと言えば大抵のものが中世ヨーロッパ風だと思うのだが、そこには警察組織というものはないであろう。城の衛兵ともまた違うし、もちろん傭兵でもない。さらに、サモナーが来た世界が中世のヨーロッパに似ていなかったら俺の気遣いはすべて無駄になる。
「困っている人を助ける役人だ」
いろいろ考えた結果、シンプルに伝えることにした。
その言葉で、サモナーには伝わったようだ。
「お役人様がいらっしゃるのですね。やはり……ここは都なんですね」
そうやら、サモナーがきた世界では役人というのは地方にはいなかったらしい。じゃあどうやって治めていたのかという疑問はあったが、こういう時にいために地方貴族というのはいたのかなとも考える。どちらにせよ、別にここに判明させなくてもいいことだ。
「言い難いんだが、ここは本当にド田舎だ」
俺は、サモナーのその間違いだけは正さなければならなかった。現代人として、東京から遠く離れたわが故郷を都だと信じさせるわけにはいかなかったのである。
「それにしても……」
異世界からやってきたわりには、サモナーは落ち着いている。普通の人間が異世界に飛ばされたら、もっと色々な反応をするものではないだろうか。俺みたいに喜ぶのは少数派だと思うが、少なくとも「これが現実か」どうかぐらいは確かめるような気がする。
それに彼の話を信じるならば、彼は騎士に襲われているはずだ。信じられないことに俺が追っ払ったというが、普通ならばその場から離れたりするものだろう。なのに、サモナーは俺の近くにいた。
善良とか優しいとかだけじゃ、説明がつかない。
「カズキ様!」
大声でサモナーが俺を呼んだので、俺は驚いてしまった。
なにせ、人生で一度だって下の名前に様をつけて呼んでもらったことなどない。ちなみに、名字に様付はよくある。現代人のあるあるだと思うのだが。
「様をつけるな、様を。どうしたんだ?」
「あちらから、奇妙な生物がこちらに向かってきます」
俺たち以外の人がいない道をちんたらと走ってきたのは、パトカーであった。もっともサイレンは鳴らしておらず、急いでいるふうでもない。挙句の果てに、運転している人間は窓を開けて挨拶をしてくる始末である。
「若先生、お久しぶり」
「……若先生もやめて」
俺は、パトカーにのる駐在にため息をついた。
警察官の多田さんは、俺が子供のころから町の駐在として働いている。そのため顔見知りなのだが、俺が教師になったことや祖父が議員だったことを引っ張り出して「若先生」などと呼ぶので困っている。
「ちょうど、若先生の家に行こうと思ってたところだったんだよ。入れ違いにならなくて良かったけど……そんな恰好でなにをやってたんだ?」
森で一晩過ごした俺の恰好は薄汚れているし、サモナーに至っては薄汚れたコスプレにしか見えないだろう。駐在の多田さんが、俺を不審がるのも当然の姿である。
下手なことは答えられないぞ、と俺は生唾を飲みこんだ。
サモナーは見た目だけならば美少女で、こんなのと一晩森で過ごしたと知れたら不味いことになる。主に教師生命的な意味合いで。異世界に行けるのならば遠慮なく職業は捨てたいが、現実社会で生き抜くためには職業は大事にしたいところである。
「山菜を取りに行ったんです」
サモナーが、余計な口を開く。
「そんな恰好で?」
ぼろぼろのローブ姿のサモナーに、多田さんは怪しむ。俺だって、他人がそう言ったら怪しいと思うだろう。山歩きでサモナーのような裾が長い服を着ていたら、枝に引っ掛かって一歩も進めなくなってしまう。俺は、断腸の思いでサモナーの肩に手を置く。
「知り合いの弟です。都会に住んでて、汚れてもいい服で来いって言ったらこのとおりで……」
「ああ、都会の人ね。なら、山は慣れてないだろうから大変だったね」
多田さんは、サモナーを山に慣れていない都会っ子だと信じてくれた。
だが、俺の知り合いの弟だとも説明してしまったので――多田さんにサモナーを押し付けると言う計画は瓦解してしまった。……今度の日曜日に都会のお巡りさんを頼ることにしよう。
「ところで、俺に用事ってなんですか?回覧板を回し忘れて、苦情が来たとかですか?」
田舎の人間が警察を頼ることはあまりない。
農家は稀に作物が大量に盗まれたりするときに頼ると言うが、それだって稀であろう。猪や熊が出たときは役所に電話するし、登山道が崩れていても役所に電話する。そのほかの困りごとは、大抵は自分たちで解決することが多い。
「いいや、若先生のところの生徒が交番に飛び込んできてね。騎士に襲われたってわけが分からないことを言うもんだから、若先生なら分かるかと思って」
後ろに乗っているよ、と多田さんは言った。
黒い学ランは、確かに俺が教師として働いている学校の制服であった。
友人たちも普通の状態だったら、殴っても止めてくれただろうが全員が泥酔状態であり最後には「ばいばい」と笑って俺を見送ったと言う。一歩間違ったら遭難事故になっているところであったが、幸いなことに俺は山の奥深くにはいかなかった。
目が覚めた瞬間に見覚えがある森だと思ったのは――ここが実際に見覚えがある祖父の裏山であったからである。
俺は頭痛と節々が痛む体を引きずって、サモナーと共に下山した。もっとも下山というほど大した距離ではなく、十五分も斜面を下ると道路が見えた。そこから見えた風景は、異世界と呼ぶのが恥ずかしいぐらいにいつもどおりの風景だった。
どこまでも続く、田んぼと畑。
ときより走るのは、農家のトラック。
辛うじてチェーン店のスーパーはあるが超大手のスーパーからは見放されて、地元資本のスーパーが住民たちの救いの神みたいな顔をしてどっしりと店を構えていた。
間違いなく、俺が子供時代を過ごし――現在も住んでいる町である。
「そっ、そうだよな。いい歳した大人が、異世界に飛ばされましたなんて夢をもっちゃいけなかったんだよな。あは、はははは」
俺は、とりあえず笑ってごまかした。
四方を山で囲まれたわが町は、都会出身者から見れば村に見えるのかもしれない。だが、まだ辛うじて小学校、中学校、高校は要していたし、若者もそれなりにはいた。仕事を求めて毎年多くが都会へと旅立つが、それは致し方あるまい。俺自身も小学校から大学までは、親の都合で都会で過ごしていたし。
「あの……すごく発展している都市ですね。うわ、何でしょうか?あの巨大な生物は……」
俺の後ろでサモナーが怯えるものの正体は、おんぼろの軽トラックである。
運転手は三軒隣の佐沼さんで、彼は煙草をふかしながら道路を走って行った。
「都市って……こんなのド田舎をそんな厭味ったらしく褒め――」
俺は少しばかり考える。
サモナーが俺に見せた魔法(本人は魔術と言っていたが)は、おそらくは本物だろう。つまり、俺ではなくサモナーのほうが現代にトリップしてしまっていたのだ。
「げっ」
俺はこれから、サモナーの現代での過ごし方とかを教えないといけないのだろうか。それは、すごく面倒くさそうだ。第一、身分証も戸籍もない人間を現代社会でどうやって暮させればいいのだろうか。
「警察に届けよう」
俺の決心は、素早かった。
結局、ここは現代だったのである。ならば、使えるものは出来る限り使わなければもったいない。こういう時にサービスを受けられるのが、現代社会に生まれた者の特権である。
「サモナー。これから、警察に行ってお前を保護してもらう」
「警察ですか?」
サモナーは、首をかしげていた。
魔法が出てくるRPGと言えば大抵のものが中世ヨーロッパ風だと思うのだが、そこには警察組織というものはないであろう。城の衛兵ともまた違うし、もちろん傭兵でもない。さらに、サモナーが来た世界が中世のヨーロッパに似ていなかったら俺の気遣いはすべて無駄になる。
「困っている人を助ける役人だ」
いろいろ考えた結果、シンプルに伝えることにした。
その言葉で、サモナーには伝わったようだ。
「お役人様がいらっしゃるのですね。やはり……ここは都なんですね」
そうやら、サモナーがきた世界では役人というのは地方にはいなかったらしい。じゃあどうやって治めていたのかという疑問はあったが、こういう時にいために地方貴族というのはいたのかなとも考える。どちらにせよ、別にここに判明させなくてもいいことだ。
「言い難いんだが、ここは本当にド田舎だ」
俺は、サモナーのその間違いだけは正さなければならなかった。現代人として、東京から遠く離れたわが故郷を都だと信じさせるわけにはいかなかったのである。
「それにしても……」
異世界からやってきたわりには、サモナーは落ち着いている。普通の人間が異世界に飛ばされたら、もっと色々な反応をするものではないだろうか。俺みたいに喜ぶのは少数派だと思うが、少なくとも「これが現実か」どうかぐらいは確かめるような気がする。
それに彼の話を信じるならば、彼は騎士に襲われているはずだ。信じられないことに俺が追っ払ったというが、普通ならばその場から離れたりするものだろう。なのに、サモナーは俺の近くにいた。
善良とか優しいとかだけじゃ、説明がつかない。
「カズキ様!」
大声でサモナーが俺を呼んだので、俺は驚いてしまった。
なにせ、人生で一度だって下の名前に様をつけて呼んでもらったことなどない。ちなみに、名字に様付はよくある。現代人のあるあるだと思うのだが。
「様をつけるな、様を。どうしたんだ?」
「あちらから、奇妙な生物がこちらに向かってきます」
俺たち以外の人がいない道をちんたらと走ってきたのは、パトカーであった。もっともサイレンは鳴らしておらず、急いでいるふうでもない。挙句の果てに、運転している人間は窓を開けて挨拶をしてくる始末である。
「若先生、お久しぶり」
「……若先生もやめて」
俺は、パトカーにのる駐在にため息をついた。
警察官の多田さんは、俺が子供のころから町の駐在として働いている。そのため顔見知りなのだが、俺が教師になったことや祖父が議員だったことを引っ張り出して「若先生」などと呼ぶので困っている。
「ちょうど、若先生の家に行こうと思ってたところだったんだよ。入れ違いにならなくて良かったけど……そんな恰好でなにをやってたんだ?」
森で一晩過ごした俺の恰好は薄汚れているし、サモナーに至っては薄汚れたコスプレにしか見えないだろう。駐在の多田さんが、俺を不審がるのも当然の姿である。
下手なことは答えられないぞ、と俺は生唾を飲みこんだ。
サモナーは見た目だけならば美少女で、こんなのと一晩森で過ごしたと知れたら不味いことになる。主に教師生命的な意味合いで。異世界に行けるのならば遠慮なく職業は捨てたいが、現実社会で生き抜くためには職業は大事にしたいところである。
「山菜を取りに行ったんです」
サモナーが、余計な口を開く。
「そんな恰好で?」
ぼろぼろのローブ姿のサモナーに、多田さんは怪しむ。俺だって、他人がそう言ったら怪しいと思うだろう。山歩きでサモナーのような裾が長い服を着ていたら、枝に引っ掛かって一歩も進めなくなってしまう。俺は、断腸の思いでサモナーの肩に手を置く。
「知り合いの弟です。都会に住んでて、汚れてもいい服で来いって言ったらこのとおりで……」
「ああ、都会の人ね。なら、山は慣れてないだろうから大変だったね」
多田さんは、サモナーを山に慣れていない都会っ子だと信じてくれた。
だが、俺の知り合いの弟だとも説明してしまったので――多田さんにサモナーを押し付けると言う計画は瓦解してしまった。……今度の日曜日に都会のお巡りさんを頼ることにしよう。
「ところで、俺に用事ってなんですか?回覧板を回し忘れて、苦情が来たとかですか?」
田舎の人間が警察を頼ることはあまりない。
農家は稀に作物が大量に盗まれたりするときに頼ると言うが、それだって稀であろう。猪や熊が出たときは役所に電話するし、登山道が崩れていても役所に電話する。そのほかの困りごとは、大抵は自分たちで解決することが多い。
「いいや、若先生のところの生徒が交番に飛び込んできてね。騎士に襲われたってわけが分からないことを言うもんだから、若先生なら分かるかと思って」
後ろに乗っているよ、と多田さんは言った。
黒い学ランは、確かに俺が教師として働いている学校の制服であった。
0
あなたにおすすめの小説
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる