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#1陰キャ新卒、異世界へ
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仕事を辞めたい。入社してからずっと思っていたことだ。正直、ただの5月病で5月さえ乗り切れば何とかなる。そう思っていた。しかし、月日が流れても辞めたいという感情は加速するばかりだった。
何のために働くのか…、お金のためだ。なぜお金が必要なのか…、生きるためだ。じゃあ生きるだけなのになぜお金が必要なのか。生きるってなんだ。俺はなぜ生まれてきたんだ。ずっとそんなことを考えながら、ボーっと生きているがその答えは見つからずただただ闇に沈んでいくばかりだ。
この日も俺は大きなミスをした。いろんな人から怒られ、精神的にかなりキツかった。
気分転換に寄り道をして帰ることにした。
「(明日も仕事か…。嫌だな…。)」
今日のミスや明日も仕事だということを考えながら歩いていると見たことのない道にでてきてしまった。
「なんだここ。(見たことないな…。まあ、マップ開ければ大丈夫だろ。)」
俺はスマホのマップを開けた。しかし、現在地を認識できないとエラーがでており、スマホが圏外になっていた。
「(え?圏外?職場からそんな歩いてねえぞ俺…。)」
仕方がないので来た道を戻ろうとしたが、来た道が壁で完全に塞がれていた。
「(壁!?なんで!?)」
俺にはもう先に進むかその場に居続けるかの2択しかなかったので先に進むことにした。すると目の前に大きな門が現れた。
「(えっ…。なにこれ…。)」
俺はびっくりしすぎて思わず声が出てしまった。そしてその門に近づくと門は自動的に開き始めた。俺はとりあえず進むことにして門の中に入った。
中に入るとまた大きな扉があり、今度は自動ドアのように開いた。俺は驚きつつも中に入る。するとそこには巨大なモニターと椅子があった。
「(なんだここ……。)」
俺は周りを見渡したが誰もいない。俺はとりあえず座った。
「(いや誰かいてくれよ!怖いわ!…、いや、誰かいても怖いか…。)」
そう思いつつしばらく待っていると、モニターに映像が表示された。それはまるでゲームのオープニングのようなものだった。
『ようこそ。ここは【異世界】です。』
「は?」
俺はあまりの出来事に頭が追いつかなかった。いきなりこんなことを言われて納得できる人はいないだろう。
俺は状況を理解しようと必死になった。
「(まず異世界ってなんだ?アニメとかでよく見るアレのことか?まあそれならスマホが圏外になったのも納得できるか…。)」
俺はひとまずそういう設定だと理解することにした。
『あなたはこの世界を救う勇者として選ばれました。これからあなたには魔王を倒してもらいます。』
「無理なんで遠慮します。」俺は即答した。というより選択肢がない。
『魔王を倒した暁には元の世界に帰れるでしょう。』
「元の世界に戻っても仕事嫌で死にたくなるだけだから別にいいっす。」
『ではあなたはここで一生過ごすことになります。』
「それはそれでなぁ…。」
『あなたには他の人間にはない魔王を倒すための素質があります。』
「なんかよくわからんけど、断ることはできないんすか?」
『できません。これは運命なのです。』
「はー、まじか…めんどくさ…。」
『魔王を倒すためには自身のレベルアップや仲間を集めたりいろいろしないといけませんが…、まあ、旅をしていたら何とかなるでしょう。』
「えぇ……。(適当すぎだろ……。)」
「あとは向こうについた時にわかります。それでは頑張ってくださいね。』
「え?ちょ、ちょっとまっ……」
俺の言葉を待たずに画面は暗転してしまった。
「(いや、マジでどうすれば良いんだよ……。)」
するとモニタールームにいた自分が急に周囲が草原でいっぱいの場所にワープさせられた。
「(まさか本当に異次元ワープみたいなのが起こるとはな……、しかも強制的に……。)」
俺は異世界に来たという事実を受け止めきれずにいた。
「(それにしても……)」
辺りを見ると草原が広がっている。遠くの方まで見渡すことができる。
「(めちゃくちゃ広いな……。俺1人でここにいるのか……。)」
改めて自分が置かれている状況を考えてみたがやはり現実味がなく、夢でも見ているんじゃないかと思った。
「(夢にしてはリアルすぎるし、痛覚もある。やっぱり本物なのか……?)」
俺は少しだけ異世界というものを信じ始めていた。
「おい。」
後ろから声を掛けられた。俺は驚いて振り向いた。そこには人のような形をした豚?豚のような見た目の人?が仁王立ちしていた。
「お前…、人間だな。」
「(え、なにこいつ。喋るの?二足歩行するオーク的な感じか?いや、そんなわけないか……。にしてもでけぇ…。)」
「(そもそもここがどこだかわかんないし、こいつが誰かもわからないから下手なこと言えないな……。)」
「無視するんじゃねぇ。」
「え、あ、はい。すいません。(あれ、日本語通じるのか……?まあ、今はそんなことより、どう答えるのが正解なんだ……。)」
俺はとりあえず無難に答えることにした。
「まぁ、人間っす。(大丈夫か俺…変なこと言わなかったか…!?)」
「そうか…。つまり…、お前が選ばれた人間か…。」
「選ばれた?それってどういう…。」
「そのままの意味だよ。」
「(全然会話にならないんだけど……。)」
「ワガハイはこの世界を守るオーク戦士のボグダ様だ!」
「(自分で自分を"様"付けか…しかも1人称ワガハイって…。)」
「この世界に人間がくるなんて珍しいな…、お前が2人目だ。」
「えっと……、じゃあ俺は今から寝るんで失礼します…。」
俺はとりあえずその場を離れようとした。
「まあ、待てよ。」
俺は腕を掴まれた。
「(え、なにこれ、離してくれないんですけど!?)」
「そんなに警戒しなくてもいい。とりあえず話を聞け。」
「え、あ、はい……。(え、なにこれ、怖い……。)」
俺はとりあえず話を聞くことにした。
「まず、この世界のことについてだが……。」
俺は黙って聞いていた。
「(いや、まだ何も聞いてないんだが……まあいいか……。)」
「この世界は魔王に支配されている。」
「まぁ、それは変なモニターで聞いた。」
「そうだ。そして魔王は強大で我々では太刀打ちできない。そこでワガハイたちはある秘策を考えた。それが……、勇者召喚だ。」
「勇者召喚?」
「ああ、魔王を倒すためだけの特別なスキルを持った人間を呼び出す術だ。」
「はぁ。」
「そして、お前は勇者としてこの世界に呼ばれた。」
「え、俺が?いや、俺陰キャで根性なしなんで多分間違ってここに来ちゃったんだと…。」
「(何言ってんだこいつは?)」
「いいか?お前はワガハイの側近に選ばれたんだから黙ってワガハイと魔王を倒す旅に行くぞ。」
「えぇ……。(いや、勝手に決めんなって……。)」
「ちなみに拒否権はない。」
「(うわぁ……。)」
「さあ!行くぞ!」
「え、あ、ちょ、ちょっと……。」
俺は無理やり連れていかれた。
「(というかなんで俺はこんなところにいるんだよ……。)」
俺はなぜかオークの背中に乗っていた。
「(どうしてこうなった……?俺はただ寝ていたいだけなのに……。)」
俺は状況を理解しようと必死だった。
「ところで名前は?」
「あ、俺の名前は…(あれ、俺の名前なんだっけ……?。)」
「なんだ?早く言え。」
「(本名が記憶から消えてる…!?)えと…、その……、思い出せないです……。」
「なに?自分の名前がか?」
「は、はい……。」
「それはおかしいな……。」
「…。」
「じゃあワガハイが名前をつけてやる。」
「え?」
「お前はこれから"ロペス"と名乗るが良い。」
「ロペス……?」
「そうだ。」
「(なんでその名前なんだ?なんか外国に普通にいるような名前だし…。)」
「まぁ、それで良いっす……。」
「よし、では出発するぞ。」
こうして俺の新たな冒険が始まった。
「おい、ロペス、お前ワガハイの名前覚えてるか?」
「えーっと……、なんかポテトみたいな感じ…。」
「ボグダ様だ!ワガハイは名前で呼んでやってるんだからお前もワガハイを名前で呼べ!」
「…。忘れそうだからボーちゃんじゃダメ?」
「ダメに決まってるだろ!仮にも一国の長だぞ!」
「へーー、……え?」
何のために働くのか…、お金のためだ。なぜお金が必要なのか…、生きるためだ。じゃあ生きるだけなのになぜお金が必要なのか。生きるってなんだ。俺はなぜ生まれてきたんだ。ずっとそんなことを考えながら、ボーっと生きているがその答えは見つからずただただ闇に沈んでいくばかりだ。
この日も俺は大きなミスをした。いろんな人から怒られ、精神的にかなりキツかった。
気分転換に寄り道をして帰ることにした。
「(明日も仕事か…。嫌だな…。)」
今日のミスや明日も仕事だということを考えながら歩いていると見たことのない道にでてきてしまった。
「なんだここ。(見たことないな…。まあ、マップ開ければ大丈夫だろ。)」
俺はスマホのマップを開けた。しかし、現在地を認識できないとエラーがでており、スマホが圏外になっていた。
「(え?圏外?職場からそんな歩いてねえぞ俺…。)」
仕方がないので来た道を戻ろうとしたが、来た道が壁で完全に塞がれていた。
「(壁!?なんで!?)」
俺にはもう先に進むかその場に居続けるかの2択しかなかったので先に進むことにした。すると目の前に大きな門が現れた。
「(えっ…。なにこれ…。)」
俺はびっくりしすぎて思わず声が出てしまった。そしてその門に近づくと門は自動的に開き始めた。俺はとりあえず進むことにして門の中に入った。
中に入るとまた大きな扉があり、今度は自動ドアのように開いた。俺は驚きつつも中に入る。するとそこには巨大なモニターと椅子があった。
「(なんだここ……。)」
俺は周りを見渡したが誰もいない。俺はとりあえず座った。
「(いや誰かいてくれよ!怖いわ!…、いや、誰かいても怖いか…。)」
そう思いつつしばらく待っていると、モニターに映像が表示された。それはまるでゲームのオープニングのようなものだった。
『ようこそ。ここは【異世界】です。』
「は?」
俺はあまりの出来事に頭が追いつかなかった。いきなりこんなことを言われて納得できる人はいないだろう。
俺は状況を理解しようと必死になった。
「(まず異世界ってなんだ?アニメとかでよく見るアレのことか?まあそれならスマホが圏外になったのも納得できるか…。)」
俺はひとまずそういう設定だと理解することにした。
『あなたはこの世界を救う勇者として選ばれました。これからあなたには魔王を倒してもらいます。』
「無理なんで遠慮します。」俺は即答した。というより選択肢がない。
『魔王を倒した暁には元の世界に帰れるでしょう。』
「元の世界に戻っても仕事嫌で死にたくなるだけだから別にいいっす。」
『ではあなたはここで一生過ごすことになります。』
「それはそれでなぁ…。」
『あなたには他の人間にはない魔王を倒すための素質があります。』
「なんかよくわからんけど、断ることはできないんすか?」
『できません。これは運命なのです。』
「はー、まじか…めんどくさ…。」
『魔王を倒すためには自身のレベルアップや仲間を集めたりいろいろしないといけませんが…、まあ、旅をしていたら何とかなるでしょう。』
「えぇ……。(適当すぎだろ……。)」
「あとは向こうについた時にわかります。それでは頑張ってくださいね。』
「え?ちょ、ちょっとまっ……」
俺の言葉を待たずに画面は暗転してしまった。
「(いや、マジでどうすれば良いんだよ……。)」
するとモニタールームにいた自分が急に周囲が草原でいっぱいの場所にワープさせられた。
「(まさか本当に異次元ワープみたいなのが起こるとはな……、しかも強制的に……。)」
俺は異世界に来たという事実を受け止めきれずにいた。
「(それにしても……)」
辺りを見ると草原が広がっている。遠くの方まで見渡すことができる。
「(めちゃくちゃ広いな……。俺1人でここにいるのか……。)」
改めて自分が置かれている状況を考えてみたがやはり現実味がなく、夢でも見ているんじゃないかと思った。
「(夢にしてはリアルすぎるし、痛覚もある。やっぱり本物なのか……?)」
俺は少しだけ異世界というものを信じ始めていた。
「おい。」
後ろから声を掛けられた。俺は驚いて振り向いた。そこには人のような形をした豚?豚のような見た目の人?が仁王立ちしていた。
「お前…、人間だな。」
「(え、なにこいつ。喋るの?二足歩行するオーク的な感じか?いや、そんなわけないか……。にしてもでけぇ…。)」
「(そもそもここがどこだかわかんないし、こいつが誰かもわからないから下手なこと言えないな……。)」
「無視するんじゃねぇ。」
「え、あ、はい。すいません。(あれ、日本語通じるのか……?まあ、今はそんなことより、どう答えるのが正解なんだ……。)」
俺はとりあえず無難に答えることにした。
「まぁ、人間っす。(大丈夫か俺…変なこと言わなかったか…!?)」
「そうか…。つまり…、お前が選ばれた人間か…。」
「選ばれた?それってどういう…。」
「そのままの意味だよ。」
「(全然会話にならないんだけど……。)」
「ワガハイはこの世界を守るオーク戦士のボグダ様だ!」
「(自分で自分を"様"付けか…しかも1人称ワガハイって…。)」
「この世界に人間がくるなんて珍しいな…、お前が2人目だ。」
「えっと……、じゃあ俺は今から寝るんで失礼します…。」
俺はとりあえずその場を離れようとした。
「まあ、待てよ。」
俺は腕を掴まれた。
「(え、なにこれ、離してくれないんですけど!?)」
「そんなに警戒しなくてもいい。とりあえず話を聞け。」
「え、あ、はい……。(え、なにこれ、怖い……。)」
俺はとりあえず話を聞くことにした。
「まず、この世界のことについてだが……。」
俺は黙って聞いていた。
「(いや、まだ何も聞いてないんだが……まあいいか……。)」
「この世界は魔王に支配されている。」
「まぁ、それは変なモニターで聞いた。」
「そうだ。そして魔王は強大で我々では太刀打ちできない。そこでワガハイたちはある秘策を考えた。それが……、勇者召喚だ。」
「勇者召喚?」
「ああ、魔王を倒すためだけの特別なスキルを持った人間を呼び出す術だ。」
「はぁ。」
「そして、お前は勇者としてこの世界に呼ばれた。」
「え、俺が?いや、俺陰キャで根性なしなんで多分間違ってここに来ちゃったんだと…。」
「(何言ってんだこいつは?)」
「いいか?お前はワガハイの側近に選ばれたんだから黙ってワガハイと魔王を倒す旅に行くぞ。」
「えぇ……。(いや、勝手に決めんなって……。)」
「ちなみに拒否権はない。」
「(うわぁ……。)」
「さあ!行くぞ!」
「え、あ、ちょ、ちょっと……。」
俺は無理やり連れていかれた。
「(というかなんで俺はこんなところにいるんだよ……。)」
俺はなぜかオークの背中に乗っていた。
「(どうしてこうなった……?俺はただ寝ていたいだけなのに……。)」
俺は状況を理解しようと必死だった。
「ところで名前は?」
「あ、俺の名前は…(あれ、俺の名前なんだっけ……?。)」
「なんだ?早く言え。」
「(本名が記憶から消えてる…!?)えと…、その……、思い出せないです……。」
「なに?自分の名前がか?」
「は、はい……。」
「それはおかしいな……。」
「…。」
「じゃあワガハイが名前をつけてやる。」
「え?」
「お前はこれから"ロペス"と名乗るが良い。」
「ロペス……?」
「そうだ。」
「(なんでその名前なんだ?なんか外国に普通にいるような名前だし…。)」
「まぁ、それで良いっす……。」
「よし、では出発するぞ。」
こうして俺の新たな冒険が始まった。
「おい、ロペス、お前ワガハイの名前覚えてるか?」
「えーっと……、なんかポテトみたいな感じ…。」
「ボグダ様だ!ワガハイは名前で呼んでやってるんだからお前もワガハイを名前で呼べ!」
「…。忘れそうだからボーちゃんじゃダメ?」
「ダメに決まってるだろ!仮にも一国の長だぞ!」
「へーー、……え?」
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