異世界に行ったら、死んだばあちゃんに出会った

華翔誠

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異世界へやってきた

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高校一年生の俺、鈴木正道は常々思っていた。
いつか異世界に行ったら、チート能力貰って、ハーレム、ウッヒャーって。
しかし、現実を知った俺だからこそ言ってやる。
はっきり言って、そんな世界あるかボケえっ!
所詮、小説や漫画なんて妄想です。
リア充が、書いた妄想を俺たち、非モテ高校生や大人になっても碌な人生送ってない連中が見ているという悲しい現実。
売れっ子小説家や漫画家が、若い声優やコスプレイヤーとイチャコラしてる金は、全国の非リア充のなけなしのお金を集めた物なのを彼らは、きっと歯牙にも掛けてない事だろう。
そう考えると腹が立ってきた。
もし、元の世界に戻ることが出来たら、奴らに一言言ってやりたい。

と、俺が異世界でそんなことを思ってる最中にも、奴らはイチャコラしてるんだろうなあ。
はあ・・・。何で俺、今、異世界にいるんだ?
異世界に来た経緯がまったくわかりません。
そりゃあ確かに買ったよ?お年玉を全部つぎ込んで、異世界へ行けるとかいうジャージをさ。
でもね、気が付いたら異世界に居たけど、あのジャージ着てませんでした。
金返せっ!
しかも普通は、異世界の神様とか女神とか、精霊とかさ。
案内役いるよね?
そんなの全然なしで、気が付くと異世界に居て。
この世界で、幽鬼と呼ばれてるモンスターに襲われて、師匠に助けてもらって、色々、面倒見てもらったんで、何とか生きながらえてるんですけどね。

この世界は、夜になると幽鬼というモンスターが湧いたりするんだけど、こいつ等に勝てないと、まず生きていけない。まあ、結界が張ってある町で暮らせばいいんだが、異世界の人間がおいそれと住める訳がない。
ならば、幽鬼に勝てる力をつける訳だが、チート能力があるわけでなく、只管、修行、修行、修行・・・。
思い出しただけで、吐き気が・・・。
まあ、結果、一人で旅できる程度には、成長したんですがね。
どれ位、強いかというと、この世界の冒険者の中級くらいには。元の世界に帰れば、リア中を百人くらいは片づけられますよ?と。
しかし、強いだけじゃあ生きていけないのは、どこの世界も変わらないので、冒険者らしく、仕事をしてお金を稼がなきゃいけない。
ということで、今日も、立ち寄った村で仕事を探そうとしたのだが。
村に入った途端、村長の所へ案内された。
嫌な予感しかない。
これ、あれだろ?すっげえ強いモンスターをやっつけてくれとか?

「お願いします。冒険者様、この村に巣食うスライムを退治してください。」

「断るっ!」

俺は、即答で断った。
この世界では、スライムが強いかというとそうではない。ご多聞に漏れず、最低ランクのモンスター。
そんな最低ランクのモンスターを村長自ら退治を頼むなんて、普通であるわけがない。
こっちの世界に来てから、スライム絡みで酷い目を見たのは一度や二度じゃない。
分裂する奴とか、斬ったら痺れる奴とか、亜種なスライムが沢山。

「そ、そんな冒険者様に断られたら。」

すがりつく村長を無視して立ち去ろうとしたのだが、すがりついてきた村人合わせて10人。
み、身動きとれねえ。
気が付いたら、簀巻きにされ棒に張り付けられていた。

「な、何卒。」

俺を前にして、土下座する一同。
何これ?何の宗教?
てか、この状況で断ったら、俺、火炙り?

「あのう・・・、断ったらどうなります?火炙りとか?」

「そんな、めっそうもない。そのまま、スライム退治へ行ってもらうだけです。」

それって生贄だよね?
この状況で、断れるわけもなく、渋々というか無理やりスライム退治を引き受けることになった。
生贄にされるよしマシだよね。

「で、どんなスライムなんですか?」

とりあえず気になったんで、村長に聞いてみた。

「そ、それが。」

勿体付ける村長に、俺は唾を飲み込んだ。

ゴクリっ。

「幽鬼のスライムでして・・・。」

村長が言いにくそうに、ポツリと。
幽鬼のスライムって。
そりゃあ、またレアな。

「お任せください村長。この鈴木正道が一刀両断に退治いたしましょう!」

「「「おおおーっ!」」」

俺の強気の発言に村長と村人が歓声をあげる。
正直、分裂やら痺れるのに比べると俺的には、なあんも怖くない。

「念のために聞いておきますが?何匹で?」

これ重要。
幽鬼を倒す技を師匠に仕込まれてる俺にとって、幽鬼は怖くない。が、数には限度がある。

「1匹です。」

「大船に乗った気で任せなさい。」

「「「おおおおおー!!!」」」

歓声があがる。
その日は、俺を歓待する宴が執り行われた。
来たよ。
俺の時代がっ!
お姉ちゃんに酌なんかされたりして。
期待を胸に女性の登場を待ってた俺。
なんと村の未亡人3人が傍に着くことにっ!

「・・・。」

未亡人ってさ、そりゃあ男の幻想だけど。
エロゲーだともっと若いよ?
俺についた女性は平均年齢60歳くらいの女性3人。
近所のおばちゃんの方が若いやんけっ!
思わず大きい声で突っ込むとこだった。

「申し訳ございません、冒険者様。スライムを退治した暁には、村の若い女性を用意致しますので。」

はいはい。
どうせ村で若いって40代とかでしょ?

「若いって何歳?」

期待もせずに聞いてみた。

「冒険者様と同じ10代で、ございます。」

「盛り上がっていこうぜっ!」

俺は立ち上がり、村人たちを鼓舞した。
まだ昼間だけど・・・。
何せ、幽鬼は夜にしか出ない。
未成年だから、俺、酒飲まないしね。
あれ?
俺、この世界に来て何年経った?
結構、長い間、修行してた気がするんだが。

普通にこの世界の人間と会話をしてる俺だけど、この世界の言葉を覚えたわけではなく、この世界の言語が特殊なだけ。
この世界の言語は、意思伝達言語。
元の世界でも、研究はされていたけど、実現はしていない。
異世界の俺であっても、相手が言うことが判るし、俺が喋ってる日本語も相手に伝わるという、素敵なもの。
科学がないこの世界は、魔法が存在していて、俺の様な科学の世界の人間には理解できない仕組みらしい。
文字は、さすがにそういう便利なものはないので、覚えましたが。

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