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大切なこと
大事な話(2)※R
しおりを挟むクチュッ…クチュッ…
「ひゃっ!うぅ…ん」
音の籠る浴室に隠微な水音と僕の発する間抜けな声が響き渡る。
エッチより中を掻き出す方が数倍恥ずかしいのをわかっていて、悠はそんな僕を見て楽しんでいるようだった。
膝を抱えさせられた格好でいやらしいビニールのマットレスの上に横たえられ、悠に押し上げられるように中を掻き出されては身体がずり上がってしまう。
それを何度も引き戻されては、その都度悠は僕の脚を開き直させ膝裏に僕の手を添えさせた。
それは僕にいいからきちんと最後まで見ろと言われているようだった。
マンネリなんて言ってごめんなさい。
悠は本当に頑張ってくれてると思うよ。
悠は僕の中に指を入れて自分が吐き出したモノを掻き出す作業に没頭していた。
それが実に楽しそうで、僕はこういう所も馬鹿なんだとは分かっているけど…悠が喜んでくれているなら良かったと感じてしまうのだった…。
しかも自分もそれを見てまた感じてしまうのだから、やっぱり僕は淫乱でド変態なんだと思う…。
「雫の好きな産婦人科医は、いつもこんな感じなんだぞ。でも毎日他人のここばかり見てたら飽きるだろうな…」
それは確かにそうだと思う。
きっと悠なら二、三人診察したらもういいって産科医なら直ぐに飽きるだろうなと思った。
悠がもし万に一つ医者になる事があったとしたら、専門は外科だな。
それも繊細な脳神経外科とかだよね。
難しいオペだと余計燃えちゃうタイプだと思う。
それは僕が一番なりたくない医科だよ。
本人にそんな事は言えないけど…
「お医者さんはそういう目で患者さんを見てないから!僕のそんな排出器官と赤ちゃんが生まれてくる神聖で大切な所と一緒にしないで欲しいなっ!はくっ!…」
「俺にとったら、雫のここの方がよっぽど可愛いし、神聖だよ。締まり具合も女なんかと比べ物にならないくらい良いし…」
悠の指がぐるりと中をかき混ぜる。
「あくっ!…悠は、なんでそんな女の子を嫌うの?」
「嫌ってなんかいないさ。ただ…自分の遺伝子だか、分身だかにこだわって、子孫を遺そうとする本能みたいのについていけないだけ。後先考えないで子供作るっていうのはもっての他だ…自分で責任持って育てられないなら産まない方がいい。それに自分の郷を生まれてきた子供に背負わせるのも許せない。自分の将来くらい子供の好きにさせてやって欲しい。雫だって無理矢理病院をつがされたり、またその次の後継者を産んでもらう為だけに結婚させられたら嫌だろ?」
「…嫌だよ」
…でも姉さん達は別に愛が無い結婚をした訳じゃ無い。
だから今苦しんでいるんだと思う。
悠は今日の僕と姉さんの会話を聞いていたのだろうか?
でも盗聴は普段はしないと言っていた。
僕がまた拐われたりした時に手がかりが無いのが怖いと僕の携帯に細工をしているのは知ってる。
その他にもきっと僕が知らないような物に発信機も盗聴器も仕掛けられているのだろう。
でもそれに僕も異論はなかった。
僕が悠を二度と裏切らなければいいだけの話だと思うからだ。
姉さんと今日話した事だって悠を裏切るつもりはない。
ただ、悠がもう少しだけ自分の遺伝子というものを大事に思ってくれたらいいなとは思っていた。
僕は産めるものなら悠の子供を産みたい。
それは変わらず僕の夢みたいな願望だった。馬鹿げていようが変わらずそう思っていた。
僕や悠が欲しくても貰う事が出来なかった母の無償の愛っていうやつを、もしも僕が悠との子供を産めたなら、その子にいっぱいその無償の愛を注ぎ込んでやりたかった。
そしてその子供に嫉妬して、きっと赤ちゃん返りしてしまうだろう悠にも、この世で一番愛しているのは悠だよと、しっかり赤ちゃんにも負けない愛情で悠の全てを包み込んでやりたかった。
***
「…雫?」
「え!?何?」
やばい!つい考え事してると目の前の事が見えなくなってしまうのが僕の悪いところだった。
「なんだか心ここに在らずだな。まだ足りないなら、夕飯食べたらもう一回きちんとベッドでしよっか?」
「うん…」
悠は一瞬おし黙る。
そして怪訝そうな顔で僕の事を見詰めた。
「きちんと考えて受け応えしてるか?」
「は?してるし!」
「してないだろ?風呂で結構やったよなぁ?まだベッドでもするつもりなんだ。そんなに俺とのセックスは物足りないわけ?」
「え!?そんな事はないよ。でもいっぱいしたらまぐれで妊娠しないかなあと思って」
それにはさすがに悠に呆れられてしまったようで、その目が半開きになっていた。
「いくらそこに俺の精子を流し込んで逆立ちしようが雫が妊娠する事はない」
「だよね。分かってるよ。だからまぐれって言ってる」
「まぐれも無いからな。本当にこれがあとちょっとで本物のお医者さんの資格を得るものの発言とは思えないね」
悠様のおっしゃる通りです。
僕はやっぱり頭の中が今日の事でいっぱいで、それを一人で胸の内に留めておくのがキツいみたいだった。
だから悠に…めちゃくちゃに抱いて欲しかったんだ。
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