優しい時間

ときのはるか

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第2章 制服と征服

優しい手

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瞬を抱え上げたまま榊は机の前に移動すると、瞬を降ろしベッドから柔らかい羽枕を掴みそれを机の上に置いた。

「初めてお仕置きを受ける瞬にハンデをあげます。その枕を掴んでいても、そこに顔を埋めても、お腹に抱えていても構いません。ですが必ず私が瞬のお尻を叩いたらカウントと『ありがとうございます』と言うのを忘れないでください。数を忘れたり誤魔化したら最初から打たねばなりませんからね」

瞬の瞳は榊の手に握られたものに釘付けになっていた。
そしてそれを見て、紅潮していた頬も一瞬にして青ざめ固まってしまった。

「手で叩くんじゃないんですか?」

手で叩きたいのは山々だった。
だがそれだとつい手加減してしまいそうで、榊はそれ用の叩く用具を用意していた。

たいして大きくはないパドルというスパンキングによく用いられる革製のヘラのようなものだった。

痛みよりも音が良くたち雰囲気が増すので、子供には痛みより聴覚に訴える方がより効果があると思ってそれを用意した。

榊は自分の掌に軽くパドルを打ち付けそのパンという乾いた音を瞬の耳に焼き付ける。

「これはパドルというものです。お仕置き専用の鞭のようなものですが、これでも一番痛くは無いものなのですよ。
嫌ならしかたがありません、馬用の鞭にしましょうか?」

「いいです。それで」

青ざめた瞬は激しく頭を左右に振った。

「では今日は50回にしておきましうか?」

それは瞬には選択権の無いただの同意だった。

「50回でお願いします!」

ここで抗おうとその数が減らない事は榊の性格をなんとなくわかって来た瞬も心得ているようだった。

言われてもいないのに良い受け答えが出来た瞬を褒めてあげたいところではあるが、榊は今日ばかりは冷たく突き放す。

「ではこれは私とお父様とを取り違えた瞬へのお仕置きです。後ろを向いてお尻を差し出しなさい」

言われるがまま瞬は枕を腹に抱え込むようにして机に突っ伏し、可愛い白い桃を榊の方へと差し出す。

黒い革のベルトが瞬のその白桃の割れ目に
食い込んでいた。

本来ならそこはアナル調教用のエネマグラやディルドを固定する役目を果たすはずであったが、瞬のアナルを性的に使う事はまだ行ってはいなかった。

排泄の時だけそこに指を忍ばせる事はあっても、勃起や射精を主人から禁じられていたので下手に開発はできない。

なのでそこはほぼ無垢なままだと言っても過言ではなかった。

堂島が我慢が出来るうちは瞬にそれを覚えさせる事はまず無いが、今日のお仕置きを見ればその気持ちも変わるかもしれないとも榊は思っていた。

瞬の躾はゆっくりと時間をかけて仕上げてもいい。
金と時間は惜しまない。
それが堂島からの依頼でもあった。

だがきっと堂島は途中で堪え切れなくなるとも思っていた。

榊の手の元で順調に仕上がって行く瞬を目の当たりにしては、きっと蛇の生殺しの状態が続いている事だろうとも思う。

見ている程、簡単なものでは無いのに、主人達は躾士がいとも簡単に子供達を手懐けているかのように思ってしまいがちだった。

お仕置きを要求して来た堂島もだいぶ欲求がたまっているのだと思う。

榊は机に伏せてその衝撃が降ってくるのを身構えている瞬のまだつるりとしたお尻を一度撫でる。

そこに性的なものは一切ない。
あるのは慈愛の篭った優しい慰めの手のぬくもりだった。




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