花の庭と実りの庭

mokia

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小説に書かれていた紛らわしい加護

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 父上が険しい顔をしながら兄上と交代でベッドの横の椅子に座る。
 
「気分はどうだ、フリッツィ。何か言いたいことが有るようだが。」

「はい。魔力を授かったと同時に加護を受けました。精霊王の祝福という加護を。僕の前に加護を受けた者が居ると思います。その者が大公殿下の婚約者候補として貴族の家に入る予定となっているもしくは、入ったのでしょうか?」

 父上と兄上が困惑している。そうだよね。知識の中では歴代の婚姻は異性だったものね。
 どういう理屈かわからないけど、加護が現れたら大公家の次代の婚約者となる。同じ年に加護持ちが二人は精霊王の愛し子以外は出た事がないらしい。
 精霊王の愛し子は大公家、または王家からしか出ない。次代の大公となる者に表れる加護だから。

 それに僕が知るはずのない情報を話したからだろう。 加護の問題はかなりデリケートだ、過去に加護を持っていると言う偽りを告げた者も居る。神殿に確認すればすぐに分かるけど。
 平民で加護が有るものは髙位貴族の養子となる。神殿から王家に連絡が入り、必要で有れば髙位貴族との養子縁組が組まれる。加護が二人で大公の異性なら精査されるが、過去に上がった事案は1件だけだ。

 主人公は伯爵家の婚外子の為そのまま伯爵家に入るはず。以前にも精霊王以外から加護を受ける事があるも、妖精王の愛し子は近代が始めてらしい。紛らわしい加護を授かったものだ。
 
 近代の大公殿下に年が近い者で加護が出たのは小説の主人公が始めて、そして女児で有るため確定で大公殿下の婚約者となる。主人公の加護は妖精王の加護だから本当の婚約者ではない。
 その為小説で主人公は冷遇され、大公殿下が廃嫡される事となる。王子と主人公は結婚して次代を二人以上望まれ、大公殿下は廃嫡後にフリッツィを拐って異界で過ごすようになる。

 小説はハッピーエンドとして書かれていたが、精霊王の愛し子たる大公殿下を廃嫡して国が無事とは思えない。歴代の大公家に加護が出ない者も居るが、加護が有るものが大公家を守る事で国の安寧を約束している。大公殿下が廃嫡された時点で王国は衰退する事となるはずだ。

 それを伝える為に転生前の記憶と小説の知識を魔力と共に授かったと思われる。王国存続もだけど、拐われて、異界に閉じ込められて飼われるのはごめんこうむる。出来れば主人公が大公殿下と婚約する前に会いたい。
 主人公と婚約してしまったら拗れる気がする。

 のんびりして、病んでれフィーバーに近付いてしまったら困る。
 


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