花の庭と実りの庭

mokia

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この国の端

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 次は数日移動にかかるこの国の端。砂漠地帯とこの国の境目。ここは花の庭と実りの庭の反対側、丁度大公家と山を挟んで反対側に位置する場所。ここが祝福の起源となっている。

 僕の加護の起源を見に行く。

 移動に数日かかるため、少し大公家の別邸に寄たり、馬車で寝泊まりして移動することになった。大公家の別邸は領内に何個かありそれぞれにモチーフが有るらしい。最初は黄昏の屋敷と言われ、消えた精霊を追悼するためにたてられた。
 他にも癒されるため、楽しむため、空を見るため、自然に浸かるためなど、色々有るらしい。今回通るのは癒されるためと自然に浸かるための屋敷らしい。

 裁縫部隊に作って貰った衣装を着て馬車の中でルド様を誘惑してお仕置きされたり、温泉旅館のような屋敷を楽しんだり、ルド様との旅を楽しむ。

 そして、今回泊まる屋敷?が見えた。大きな木から続く池とそれに続く滝。滝の横には扉がついていた。

 空中庭園風なのかな。

 扉の前にはルド様のお祖父様とお婆様が居る。全然歳取ってない。30手前にしか見えない。ルド様のお祖父様が精霊でお婆様が元大公様だ。

「お初にお目にかかります。レメント侯爵家の次男で大公殿下の婚約者のフリッツィと申します。」

 お婆様とお祖父様はこの屋敷で暮らしていて、時折大公家の山に行くらしい。大公家の城は落ち着かないって。僕達も気に入った場所が有ればそこに住めば良いと言ってくれた。無ければ作れば良いとも。

 今日泊まる部屋は池を下から見上げる部屋だ。魚が泳ぐのが見える。そして、壁は蔦が絡まり、所々に藤の花のような花咲いている。滝を中から覗ける窓の前に蔦模様の二人掛けのソファーが有る。ベッドは部屋の中央にあり、芝生がはえている。

 芝生のベッド。自然に浸るかぁ。

 芝生のベッドを眺めながら学園でのあれこれも思い出した。

 ルド様のイタズラ心を擽る衣装を楽しんで、意外と柔らかな芝生のベッドで眠った。

 お祖父様とお婆様に見送られ朝から出発する。

「二人とも、また来てね。貴方達のお陰でここにも久しぶりに精霊が産まれるわ。」

「はい、ありがとうございます。お婆様、お祖父様、また来ます。」

「では、また。行こう、かツツィ。」

 馬車で後2日、国の端に着く。

「ルド様、あそこも何か有るんですか?」

 お婆様が言ってた久しぶりに精霊が産まれる。でも国に力は送られてるんじゃ?

「あそこは2代目が婦人と共に籠るために作った場所なんだ。」

 あの空中庭園風味の屋敷?は2代目が子育てを終えた婦人と二人で過ごすために作ったものらしい。芝生のベッドが有る部屋以外も色々なお部屋が有るらしい。しかし祝福の力を必要とするため今回は芝生の部屋にしたって。あそこが一番あの屋敷が力を受け取れる場所らしい。

 そして、馬車で2日目的の場所に着いた。

 明らかな境界線の向こうには砂漠が広がる。指を出そうとしてルド様に止められた。

「ツツィ、この向こうには行かせられない。」

 悲痛な表情にルド様が勘違いしてるような気がする。

「ルド様、指を出すのもダメですか?境界の中と外の堺が凄く気の成ります。」

 一瞬虚を突かれたような顔をしたルド様が僕の好奇心を満たしてくれた。

「腕までならいいよ。」

「はい! わぁー、凄い!」

 指先だけで分かる、この境界の凄さと外の恐ろしさを。指先が火傷を負ったように熱い。

「ツツィ、指をかして。」

 熱を持つ指をルド様に食べられた。

 舐められる感触の後、熱が無くなった。不思議。

 ここが国の端。外は人が過ごせる温度ではない。大公家の維持がどれだけ必要か知る場所。

「ルド様、ルド様は次の精霊王だけど、この国の維持はこのまま大公家に依存させないといけないのですか?」

「ふっ、ツツィ、大公家は飾りなんだ。本当に必要なのはレメント侯爵家なんだよ。精霊達が愛した血筋はレメント侯爵家に有るからね。」

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