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……うん、どうにか――
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――それから、数日経て。
清涼殿――帝の居所へと向かう廊下を一人歩いていると、あちらこちらから嫉妬や憎悪の籠もった視線が刺さる刺さる。……まあ、想定内――と言うより、筋書き通りだけど。
ただ、それにしても……うん、今更ながら重いなぁこれ。具体的には、この重ね袿が。よくもまあ、当時の人達はこんな衣装を常に纏って……まあ、好きで着てたわけじゃないかもしれないけど。
……まあ、それはともあれ――
――バシャッ。
「……あっぶねぇ」
「……ちっ、避けられたわね。……ん? 桐壺の口調って、あんな下品だっ――」
「ああいえっ、危ないったらありゃしませんわおほほほほ――」
「あいつ今日どうかしたの!?」
咄嗟の桐壺の機転に、どうしてか驚愕の声を上げるお妃方々。……ふう、危なかっ……いや誤魔化せてねえなこれ。
あと、下品とか言うんじゃないよ。帆弥本来の口調を下品とか言うんじゃないよ。
ともあれ……うん、どうにか回避に成功した。清涼殿への道すがら、桐壺を妬む女御や更衣達による嫌がらせ――具体的には……うん、正直具体的に言いたくないけど……まあ、すっごく汚いものをぶちまけられるといった、何とも吐き気のする嫌がらせを受けるみたいなことが確か本作に書かれてた気がするし。……全く、こんなことしていったい誰が掃除すると思……まあ、かく言う私じゃないけども。
ともあれ……ほんと、彼女ら――女房達を連れてこなくて良かった。ここで言う女房とは、貴人に――ここでは桐壺に仕える女性のことを指すのだけど……うん、半ば怒鳴りつけてでもついて来させないようにしてほんと良かった。本作に拠れば、桐壺の送り迎えをしてくれてる際に頗る酷い被害に遭ったみたいだし。
ただ、それにしても……うん、すっごい驚いてたよね女房達。……まあ、どう考えても怒鳴るキャラじゃないしね、桐壺。
さて、そんなこんなで一応無事に清涼殿へと到着した私。すると、心配そうな――それでも、たいそう嬉しそうな表情で私を迎えてくれる帝。正直、心配なら呼ばないでほしいという気持ちもなくはないが……まあ、そういうわけにもいかないのだろう、愛情というのは。それに、桐壺にしたって彼の深い愛情を支えにしていたみたいだし。
ともあれ――寝所にて、幾度も愛の言葉を浴びつつ夜を過ごす。心から言ってくれているのが、これ以上なくひしひしと伝わる真摯な瞳で。……うん、これは正直恥ずか……いや、嬉しくないわけじゃないんだけどね。
あと……帆弥の身体じゃないとは言え、こういうのって初めてで……その……うん、やっぱ止めよ。恥ずかしいどころの騒ぎじゃないし。
「…………わぁ」
「ふふっ。もう幾度も目にしているはずなのに、まるで初めて見るような反応だね更衣」
「あっ、いえ……その、あまりにもお美しくて」
それから、翌朝のこと。
思わず感嘆を洩らす私に、少し可笑しそうに微笑み告げる帝。そんな私の眼前には、言葉に尽くせぬほど美しい赤ん坊――この物語の主人公、光源氏の姿が。もちろん、親になったことなどないので知ったようなことを言うのもどうかと思うけど……うん、これは溺愛したくもなるよね。
ところで……ひょっとして、私が生きていたらその後の彼の人生ももっとまともな……いや、この言い方だとまるで彼の人生がまともじゃないみたいだけど……ともあれ、私が生きていたら、この子は物心もつかない頃から親との死別などという悲痛な経験をすることもなかったわけで。……うん、どうにか生き抜かなきゃね。
清涼殿――帝の居所へと向かう廊下を一人歩いていると、あちらこちらから嫉妬や憎悪の籠もった視線が刺さる刺さる。……まあ、想定内――と言うより、筋書き通りだけど。
ただ、それにしても……うん、今更ながら重いなぁこれ。具体的には、この重ね袿が。よくもまあ、当時の人達はこんな衣装を常に纏って……まあ、好きで着てたわけじゃないかもしれないけど。
……まあ、それはともあれ――
――バシャッ。
「……あっぶねぇ」
「……ちっ、避けられたわね。……ん? 桐壺の口調って、あんな下品だっ――」
「ああいえっ、危ないったらありゃしませんわおほほほほ――」
「あいつ今日どうかしたの!?」
咄嗟の桐壺の機転に、どうしてか驚愕の声を上げるお妃方々。……ふう、危なかっ……いや誤魔化せてねえなこれ。
あと、下品とか言うんじゃないよ。帆弥本来の口調を下品とか言うんじゃないよ。
ともあれ……うん、どうにか回避に成功した。清涼殿への道すがら、桐壺を妬む女御や更衣達による嫌がらせ――具体的には……うん、正直具体的に言いたくないけど……まあ、すっごく汚いものをぶちまけられるといった、何とも吐き気のする嫌がらせを受けるみたいなことが確か本作に書かれてた気がするし。……全く、こんなことしていったい誰が掃除すると思……まあ、かく言う私じゃないけども。
ともあれ……ほんと、彼女ら――女房達を連れてこなくて良かった。ここで言う女房とは、貴人に――ここでは桐壺に仕える女性のことを指すのだけど……うん、半ば怒鳴りつけてでもついて来させないようにしてほんと良かった。本作に拠れば、桐壺の送り迎えをしてくれてる際に頗る酷い被害に遭ったみたいだし。
ただ、それにしても……うん、すっごい驚いてたよね女房達。……まあ、どう考えても怒鳴るキャラじゃないしね、桐壺。
さて、そんなこんなで一応無事に清涼殿へと到着した私。すると、心配そうな――それでも、たいそう嬉しそうな表情で私を迎えてくれる帝。正直、心配なら呼ばないでほしいという気持ちもなくはないが……まあ、そういうわけにもいかないのだろう、愛情というのは。それに、桐壺にしたって彼の深い愛情を支えにしていたみたいだし。
ともあれ――寝所にて、幾度も愛の言葉を浴びつつ夜を過ごす。心から言ってくれているのが、これ以上なくひしひしと伝わる真摯な瞳で。……うん、これは正直恥ずか……いや、嬉しくないわけじゃないんだけどね。
あと……帆弥の身体じゃないとは言え、こういうのって初めてで……その……うん、やっぱ止めよ。恥ずかしいどころの騒ぎじゃないし。
「…………わぁ」
「ふふっ。もう幾度も目にしているはずなのに、まるで初めて見るような反応だね更衣」
「あっ、いえ……その、あまりにもお美しくて」
それから、翌朝のこと。
思わず感嘆を洩らす私に、少し可笑しそうに微笑み告げる帝。そんな私の眼前には、言葉に尽くせぬほど美しい赤ん坊――この物語の主人公、光源氏の姿が。もちろん、親になったことなどないので知ったようなことを言うのもどうかと思うけど……うん、これは溺愛したくもなるよね。
ところで……ひょっとして、私が生きていたらその後の彼の人生ももっとまともな……いや、この言い方だとまるで彼の人生がまともじゃないみたいだけど……ともあれ、私が生きていたら、この子は物心もつかない頃から親との死別などという悲痛な経験をすることもなかったわけで。……うん、どうにか生き抜かなきゃね。
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