セフレはお友達に含まれませんか?

暦海

文字の大きさ
61 / 107
第1章

一日目を終えて

しおりを挟む
「…………ふぅ」


 それから、しばらくして。
 木組みのベンチにて、ほっと息を洩らす僕。白月の浮かぶ澄んだ空の下、入浴時と同じく柔らかな夜風が心地好く頬を撫でる。今、僕がいるのは旅館からほど近くの小さな公園。あの後――入浴を終えた後、京野菜をふんだんに使用した美味しい夕食を堪能し、今ここでぼんやり空を見上げているわけで。

 でも、ここに来た主たる理由はのんびり空を見上げるためでなく。ポケットから徐にスマホを取り出し、連絡先の『さ行』へと。……そう言えば、家族を除くとこの行が大半なんだよね、僕の連絡先。まあ、そもそも元が相当少ないんだけども。
 ともあれ、今更ながらそんなことを思いつつお馴染みの名前にそっと触れる。そして――


「――こんばんは、白河しらかわさん。ご機嫌いかがですか?」


 そう、ゆっくりと口を開き尋ねる。すると、ほどなく夜空のように澄んだ声音が心地好く鼓膜を揺らす。


『こんばんは、奏良そうら先輩。ええ、概ね良好です。……ですが、どうにも人肌が恋しくて仕方がないようで。なので、先ほどまで頭の中に先輩を――』
「あっ、それ以上は大丈夫です」
『……むぅ、つれないですねぇ』


 そんな彼女の言葉を、申し訳ないとは思いつつピシャリと遮る僕。……いや、前にも言いましたが報告しなくていいですからね? 是非とも、ご自身の胸中むねとどめておいていただけると。



『……まあ、それはひとまずさて措いて……私からお願いしておいてではありますが、本当に今お電話して大丈夫ですか? もしも無理に時間をとっていただいているのなら、本当にお気になさらなくて構いませんよ? あくまで、可能であればというお話なので』


 すると、ややあってそう問い掛ける白河さん。ひとまずさて措いて、と言ったけど……え、またどこかで再開するの? 今のくだり。……まあ、それはともあれ――

「……はい、問題ありません。なので、どうかお気になさらないでください。それに、僕も白河さんとお話ししたかったので。今日のことも、記憶が新しいうちに貴女と共有したいと思っていたので」
『……そう、ですか。……ふふっ、全くしょうがないですねぇ、先輩は』

 そう伝えると、揶揄《からか》うような口調で答えを返す白河さん。何の話かと言うと――先ほど彼女自身が言ったように、可能であれば旅行中のどこかで連絡してほしいとお願いされていた件で。

 だけど、気にすることなんて何もない。そもそも、僕だってこの旅行での出来事を彼女と共有したいと思っていた。なので、この申し出はまさしく願ったり叶ったりなわけでして。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社員の青年と清掃員の老婆の超越した愛

MisakiNonagase
恋愛
二十六歳のレンが働くオフィスビルには、清掃員として七十歳のカズコも従事している。カズコは愛嬌のある笑顔と真面目な仕事ぶりで誰からも好かれていた。ある日の仕事帰りにレンがよく行く立ち飲み屋に入ると、カズコもいた。清掃員の青い作業服姿しか見たことのなかったレンは、ごく普通の装いだったがカズコの姿が輝いて見えた。それから少しづつ話すようになり、二人は年の差を越えて恋を育んでいくストーリーです。不倫は情事かもしれないが、この二人には情状という言葉がふさわしい。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

処理中です...