5 / 10
第五話:魔道の歩み
しおりを挟む
焔のような空に風が流れていた。
界越え──フレインとの遭遇と撤退から一晩。
リィナと真也は、森の仮設野営地で静かに朝を迎えていた。
前夜の戦いの傷跡は地面に残っている。
焦げた草、抉れた土、魔素が舞った痕跡。
その中央に腰を下ろし、真也は昨日使った小さな巻物を見つめていた。
「……これが、魔封紙片か。」
羊皮紙に似た手触り。
だが、触れる指先から魔素の脈動が伝わってくる。
リィナが焚き火を調整しながら言った。
「うん。魔封紙片は即発動型の魔法巻物。刻まれた魔印に魔素を流し込めば、誰でも魔法を行使出来るわ。」
「誰でも、って……俺みたいな素人でも?」
「勿論。ただし、等級が上がれば上がる程回路が難しくなるから、暴発したり逆流して怪我することもあって注意が必要。特にCランク以上は扱いに慣れてないと危険よ。」
リィナが取り出したのは、小さな金属ケース。
中には色分けされた巻物が整然と並んでいる。
「これが訓練用の基本セット。F等級のものが一通り揃ってる。」
真也は目を見張る。
一本ずつ、巻物には属性を示す色があしらわれていた。
赤、青、緑、茶、白、黒の六つの色がある。
これはそれぞれ火、水、風、土、光、闇になっているようだ。
「属性って、そういう感じで分かれてるんだな。」
「基本属性は六つ。火と水は攻撃と補助に分かれる、光から派生したもの。風と土は闇から。攻撃属性は火と風、補助属性は水と土、そして光と闇はその両方に対応してるの。」
真也は巻物のうち、青い帯のついたものを手に取る。
「これは?」
「《癒潮環》っていう、昨日使った《癒しの鼓動》の下位互換の回復魔法ね。」
「効果が弱いのか。他の……これは?」
次に真也は火属性の巻物を見つめた。
「火ってことは、こっちは攻撃系?」
「そう。《焔迅弾》、Fランク。小さな火球を連射する呪文。流し方によって個数と威力が変えられるから、魔力の流し方を覚える練習に最適ね。」
「……使ってみても?」
自分も魔法を使ってみたくてソワソワしているのを察してか、微笑みながら頷くリィナ。
「ふふ、いいよ。魔素を指先に集中させて、巻物の中心にある印に触れて。」
言われた通り、真也は深呼吸しながら集中する。
右手の指先がわずかに震え、巻物の魔印に触れた瞬間──
「……《焔迅弾》!」
ジュッと音を立て、手のひらから小さな火球がいくつか放たれ、焚き火の脇に着弾する。
ぱち、と乾いた爆ぜる音。
「おお……!」
真也は驚きと同時に興奮していた。
「初めてにしては上出来よ。魔封紙片は便利だけど、数に限りがある。いざという時の切り札だと思って」
「じゃあ、日常的には魔法を自力で使えるようにならなきゃだめか。」
「その通り。魔法を行使するには、まず属性との親和、次に魔印の構成、最後に魔素の制御。今の真也にはまだ時間がかかるけど、素質はあるよ。」
先はまだまだ長いなと思いつつも、いつかは自在に魔法を使えるようになるのに少し興奮を覚えた。
「なあ、次の街ではそのあたりも学べるのか?」
「ええ。《バルツェ街道》を抜けた先にある《レーヴェル町》には小規模な魔導ギルド支部がある。君の魔素適正を測って、スキルとは別に魔法の訓練が受けられるはず。」
「魔導ギルド……なんか面白そうだな。」
「そんな事言ってられなくなるよ。魔法が使えないと、生き残れない世界だから。」
真也は頷いた。
フレインとの戦いで痛感した。
スキルだけでは戦い抜けない。
魔素の扱いと、確実な術式が必要なのだ。
そして決意を込めて拳を握った。
「レーヴェル町、行こう。俺、もっと強くなる。」
リィナは短く笑い、荷物をまとめ始めた。
「じゃあ早速出発の準備をしようか。君の“模倣者”としての歩みは、まだ始まったばかりなんだからさ。」
焔色の空の下。
新たな一歩が、静かに刻まれた。
/////
支度を整えた二人は、森を抜ける小道へと足を踏み出した。複雑に絡み合った根や、歪な形状の木々が続く中、リィナはふと立ち止まり、真也の背に声をかけた。
「ねえ、ついでだから教えておくよ。薬草の見分け方。」
「え、今?」
「道中で役に立つから。ほら、これとか。」
リィナが示したのは、地面に控えめに生えている小さな草だった。葉は三枚に分かれており、縁が少しだけ青く光っている。
「これは《蒼縁草》。初級治癒薬の材料。葉の縁に魔素を蓄える性質があって、魔封紙片の素材にも使われるの。」
「……雑草と何が違うんだ?」
「何だと思う?」
「うーん……色で見分けるのか?」
「半分正解。似た雑草も多いけど、触ってみて。軽く魔素を流すと分かるよ。」
言われるまま、真也は指先に意識を集中させる。以前よりも魔素の流れを感じることができるようになっていた。
蒼縁草に触れた瞬間、葉の縁が微かに発光する。逆に、すぐ隣にあった似た形の雑草は、全く反応しない。
「成程。流せば反応するんだな。」
「そう。これは《反応型薬草》。内部にある魔素核が外部からの刺激に応じて活性化するの。これが発光すれば本物、反応がなければただの紛い物。」
「へえ……。結構細かいんだな、薬草って。」
「でも、見た目だけで判断しちゃだめ。中には《擬態草》っていう、毒を持った類似種もあるから注意して。光る色が黄緑だったり、反応が遅いものは要警戒ね。」
「了解。……そういや、摘むときはどうするんだ?」
「根を断ち切ると次に生えなくなる。だから、採るときは土を少し掘って、根元を刃で斜めに切るといい」
リィナは短剣を器用に抜き、土を軽く掘り返してから茎の根元を斜めに切断する。
根を残したまま葉を丁寧に摘み取る所作には、無駄がなかった。
「こうすればまた数日で再生するの。無闇に採ると枯れて、森の循環が壊れるから。」
「なるほど……ただの草でも、扱い方がちゃんとあるんだな。」
「薬草採りも戦いの一部。準備が甘いと、生き残れないからね。」
真也は深く頷き、慎重に自分の短剣を構える。少し手間取ったが、どうにか一株を丁寧に採取することに成功した。
「上出来。じゃあ、この周囲で数株集めてから、また進もうか。」
こうして、実践的な知識を一つずつ積み重ねながら、二人は《レーヴェル町》への旅路を進んでいった。
界越え──フレインとの遭遇と撤退から一晩。
リィナと真也は、森の仮設野営地で静かに朝を迎えていた。
前夜の戦いの傷跡は地面に残っている。
焦げた草、抉れた土、魔素が舞った痕跡。
その中央に腰を下ろし、真也は昨日使った小さな巻物を見つめていた。
「……これが、魔封紙片か。」
羊皮紙に似た手触り。
だが、触れる指先から魔素の脈動が伝わってくる。
リィナが焚き火を調整しながら言った。
「うん。魔封紙片は即発動型の魔法巻物。刻まれた魔印に魔素を流し込めば、誰でも魔法を行使出来るわ。」
「誰でも、って……俺みたいな素人でも?」
「勿論。ただし、等級が上がれば上がる程回路が難しくなるから、暴発したり逆流して怪我することもあって注意が必要。特にCランク以上は扱いに慣れてないと危険よ。」
リィナが取り出したのは、小さな金属ケース。
中には色分けされた巻物が整然と並んでいる。
「これが訓練用の基本セット。F等級のものが一通り揃ってる。」
真也は目を見張る。
一本ずつ、巻物には属性を示す色があしらわれていた。
赤、青、緑、茶、白、黒の六つの色がある。
これはそれぞれ火、水、風、土、光、闇になっているようだ。
「属性って、そういう感じで分かれてるんだな。」
「基本属性は六つ。火と水は攻撃と補助に分かれる、光から派生したもの。風と土は闇から。攻撃属性は火と風、補助属性は水と土、そして光と闇はその両方に対応してるの。」
真也は巻物のうち、青い帯のついたものを手に取る。
「これは?」
「《癒潮環》っていう、昨日使った《癒しの鼓動》の下位互換の回復魔法ね。」
「効果が弱いのか。他の……これは?」
次に真也は火属性の巻物を見つめた。
「火ってことは、こっちは攻撃系?」
「そう。《焔迅弾》、Fランク。小さな火球を連射する呪文。流し方によって個数と威力が変えられるから、魔力の流し方を覚える練習に最適ね。」
「……使ってみても?」
自分も魔法を使ってみたくてソワソワしているのを察してか、微笑みながら頷くリィナ。
「ふふ、いいよ。魔素を指先に集中させて、巻物の中心にある印に触れて。」
言われた通り、真也は深呼吸しながら集中する。
右手の指先がわずかに震え、巻物の魔印に触れた瞬間──
「……《焔迅弾》!」
ジュッと音を立て、手のひらから小さな火球がいくつか放たれ、焚き火の脇に着弾する。
ぱち、と乾いた爆ぜる音。
「おお……!」
真也は驚きと同時に興奮していた。
「初めてにしては上出来よ。魔封紙片は便利だけど、数に限りがある。いざという時の切り札だと思って」
「じゃあ、日常的には魔法を自力で使えるようにならなきゃだめか。」
「その通り。魔法を行使するには、まず属性との親和、次に魔印の構成、最後に魔素の制御。今の真也にはまだ時間がかかるけど、素質はあるよ。」
先はまだまだ長いなと思いつつも、いつかは自在に魔法を使えるようになるのに少し興奮を覚えた。
「なあ、次の街ではそのあたりも学べるのか?」
「ええ。《バルツェ街道》を抜けた先にある《レーヴェル町》には小規模な魔導ギルド支部がある。君の魔素適正を測って、スキルとは別に魔法の訓練が受けられるはず。」
「魔導ギルド……なんか面白そうだな。」
「そんな事言ってられなくなるよ。魔法が使えないと、生き残れない世界だから。」
真也は頷いた。
フレインとの戦いで痛感した。
スキルだけでは戦い抜けない。
魔素の扱いと、確実な術式が必要なのだ。
そして決意を込めて拳を握った。
「レーヴェル町、行こう。俺、もっと強くなる。」
リィナは短く笑い、荷物をまとめ始めた。
「じゃあ早速出発の準備をしようか。君の“模倣者”としての歩みは、まだ始まったばかりなんだからさ。」
焔色の空の下。
新たな一歩が、静かに刻まれた。
/////
支度を整えた二人は、森を抜ける小道へと足を踏み出した。複雑に絡み合った根や、歪な形状の木々が続く中、リィナはふと立ち止まり、真也の背に声をかけた。
「ねえ、ついでだから教えておくよ。薬草の見分け方。」
「え、今?」
「道中で役に立つから。ほら、これとか。」
リィナが示したのは、地面に控えめに生えている小さな草だった。葉は三枚に分かれており、縁が少しだけ青く光っている。
「これは《蒼縁草》。初級治癒薬の材料。葉の縁に魔素を蓄える性質があって、魔封紙片の素材にも使われるの。」
「……雑草と何が違うんだ?」
「何だと思う?」
「うーん……色で見分けるのか?」
「半分正解。似た雑草も多いけど、触ってみて。軽く魔素を流すと分かるよ。」
言われるまま、真也は指先に意識を集中させる。以前よりも魔素の流れを感じることができるようになっていた。
蒼縁草に触れた瞬間、葉の縁が微かに発光する。逆に、すぐ隣にあった似た形の雑草は、全く反応しない。
「成程。流せば反応するんだな。」
「そう。これは《反応型薬草》。内部にある魔素核が外部からの刺激に応じて活性化するの。これが発光すれば本物、反応がなければただの紛い物。」
「へえ……。結構細かいんだな、薬草って。」
「でも、見た目だけで判断しちゃだめ。中には《擬態草》っていう、毒を持った類似種もあるから注意して。光る色が黄緑だったり、反応が遅いものは要警戒ね。」
「了解。……そういや、摘むときはどうするんだ?」
「根を断ち切ると次に生えなくなる。だから、採るときは土を少し掘って、根元を刃で斜めに切るといい」
リィナは短剣を器用に抜き、土を軽く掘り返してから茎の根元を斜めに切断する。
根を残したまま葉を丁寧に摘み取る所作には、無駄がなかった。
「こうすればまた数日で再生するの。無闇に採ると枯れて、森の循環が壊れるから。」
「なるほど……ただの草でも、扱い方がちゃんとあるんだな。」
「薬草採りも戦いの一部。準備が甘いと、生き残れないからね。」
真也は深く頷き、慎重に自分の短剣を構える。少し手間取ったが、どうにか一株を丁寧に採取することに成功した。
「上出来。じゃあ、この周囲で数株集めてから、また進もうか。」
こうして、実践的な知識を一つずつ積み重ねながら、二人は《レーヴェル町》への旅路を進んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界おっさん一人飯
SILVER・BACK(アマゴリオ)
ファンタジー
サラリーマンのおっさんが事故に遭って異世界転生。
秀でた才能もチートもないが、出世欲もなく虚栄心もない。安全第一で冒険者として過ごし生き残る日々。
それは前世からの趣味である美味しいご飯を異世界でも食べ歩くためだった。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!
風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。
185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク!
ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。
そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、
チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、
さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて――
「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」
オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、
†黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!
湖畔の賢者
そらまめ
ファンタジー
秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。
ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。
彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。
「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」
そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。
楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。
目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。
そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる