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自 覚
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「う、ううん」ヒロは目を覚ました。傍《かたわ》らにはカルディアとアウラ達が囲むように見ている。
「ヒロ様が目を覚ましたっちゃ!」アウラが両手をあげて喜ぶ。「良かったダニ!!」イオはヒロに飛びついた。
「痛ててて、イオ……、痛いよ!」ヒロは痛みで顔を少し歪《ゆが》めた。
「あっ、カルディアも無事だったんだね」安堵の表情を浮かべた。
「うん……、ヒロのお陰だよ」カルディアは目にうっすらと涙を浮かべた。
「あっ、いや、良かった」ヒロは胸を撫で下ろした。
「無事で良かった」オリオンが背を向けて立っている。
「あっ、オリオンも……、心配をかけてすいませんでした。俺の勝手な行動のせいで……」ヒロを頭を下げた。
「いや、君の行動はカルディアを思っての事、彼女を大切に思っての行動だ。謝るべきではなくて誇るべきものだ」
「それよりも……謝らないといけないのは僕だ」オリオンは深々と頭を下げた。
「えっ?」ヒロは彼の言葉の意味が全く解らなかった。
「ハルピュアとの戦いの時に、術式で……、あのオリハルコンの剣を手にした君を見て、僕は自分とは違う者だと、同じ人間では無いと思ってしまった。人ならざる者だと、神の使いでは無いかと恐れを抱いてしまった」オリオンは頭を下げたままで話を続けた。「改めて、僕を友達として認めてもらえないか」そのまま彼は膝をついてヒロにお願いするように言った。
「頭をあげてください。そんな認めてくれなんて、俺はオリオン様の側にいるような人間では無いのです。こうして心配を少しでもしていただけるだけで幸せです」ヒロは嬉しそうに微笑む。
「だから、オリオンダニ!!」イオが突っ込みを入れる。
「そうだね、イオ!」オリオンはイオの頭を撫でた。「君やカルディア、そしてアウラ、カカ、イオと一緒にいられる事が幸せなんだ」
「そうよ。ヒロがみんなを繋いでくれたんだよ。ヒロが居なかったら、ここでこうしていることはなかったの」カルディアは涙を流している。
「カルディア、ありがとう」と言って体を起こしたところで、自分の体の異変に気づきヒロは顔を赤くする。いつも胸に巻いている布が無いため、胸の膨らみが目視で把握出来るようになっていた。少し誤魔化すかのように背中を丸めて両手で胸を隠すように覆った。
「ヒロ……、今までその事を教えてくれなかった事は……、悲しかったかな……」カルディアは改めてヒロの顔を見つめる。その表情は言葉通り悲しそうなものであった。
「あ、え、えーと、ごめん。でも、俺もずっと自分は男だと思ってたんだ。爺にも男だって言われてたし……、そうやって育てられてきたのだから……」ヒロは、真剣な顔をした。「俺も、ずっと男だって信じて来たのに、ある日自分が女だって思い知らされたら……、ショックだったんだぜ」
「いつから自分は女の子だって自覚したの?」
「それは……」なぜかヒロはオリオンの顔を見て赤くなったかと思うと目を反らした。
「あーその反応は!何かあったの!!なにか!」カルディアは目を見開いた。
「い、いや、僕は、何も……」オリオンは慌てて否定する。
「いや、俺の勝手な思い込みだよ。あの収穫祭の夜……くらいかな……」そうあの時、ヒロは生まれて初めて女性の服を着て、女性として扱われたのだ。
「もう、私の入る余地がないじゃないの!」
「え、何が?」
「私はヒロが女の子でも、好きなことは変わらない。きっと……」カルディアは着ている服の裾を強く掴んでいる。
「オリオン様に負けないくらい、ヒロの事好きなんだから!」
「うん、ありがとうカルディア……。これからも宜しくな。俺もカルディアの事……大好きだよ」そういうとヒロは優しく彼女の体を包容した。カルディアは顔を真っ赤にしてあたふたしている。
「あーずるい、アウラ達も!」アウラ達もヒロに抱きついてくる。
「そうだな。みんな大好きだよ」ヒロは皆を抱き締めた。
「ヒロ様が目を覚ましたっちゃ!」アウラが両手をあげて喜ぶ。「良かったダニ!!」イオはヒロに飛びついた。
「痛ててて、イオ……、痛いよ!」ヒロは痛みで顔を少し歪《ゆが》めた。
「あっ、カルディアも無事だったんだね」安堵の表情を浮かべた。
「うん……、ヒロのお陰だよ」カルディアは目にうっすらと涙を浮かべた。
「あっ、いや、良かった」ヒロは胸を撫で下ろした。
「無事で良かった」オリオンが背を向けて立っている。
「あっ、オリオンも……、心配をかけてすいませんでした。俺の勝手な行動のせいで……」ヒロを頭を下げた。
「いや、君の行動はカルディアを思っての事、彼女を大切に思っての行動だ。謝るべきではなくて誇るべきものだ」
「それよりも……謝らないといけないのは僕だ」オリオンは深々と頭を下げた。
「えっ?」ヒロは彼の言葉の意味が全く解らなかった。
「ハルピュアとの戦いの時に、術式で……、あのオリハルコンの剣を手にした君を見て、僕は自分とは違う者だと、同じ人間では無いと思ってしまった。人ならざる者だと、神の使いでは無いかと恐れを抱いてしまった」オリオンは頭を下げたままで話を続けた。「改めて、僕を友達として認めてもらえないか」そのまま彼は膝をついてヒロにお願いするように言った。
「頭をあげてください。そんな認めてくれなんて、俺はオリオン様の側にいるような人間では無いのです。こうして心配を少しでもしていただけるだけで幸せです」ヒロは嬉しそうに微笑む。
「だから、オリオンダニ!!」イオが突っ込みを入れる。
「そうだね、イオ!」オリオンはイオの頭を撫でた。「君やカルディア、そしてアウラ、カカ、イオと一緒にいられる事が幸せなんだ」
「そうよ。ヒロがみんなを繋いでくれたんだよ。ヒロが居なかったら、ここでこうしていることはなかったの」カルディアは涙を流している。
「カルディア、ありがとう」と言って体を起こしたところで、自分の体の異変に気づきヒロは顔を赤くする。いつも胸に巻いている布が無いため、胸の膨らみが目視で把握出来るようになっていた。少し誤魔化すかのように背中を丸めて両手で胸を隠すように覆った。
「ヒロ……、今までその事を教えてくれなかった事は……、悲しかったかな……」カルディアは改めてヒロの顔を見つめる。その表情は言葉通り悲しそうなものであった。
「あ、え、えーと、ごめん。でも、俺もずっと自分は男だと思ってたんだ。爺にも男だって言われてたし……、そうやって育てられてきたのだから……」ヒロは、真剣な顔をした。「俺も、ずっと男だって信じて来たのに、ある日自分が女だって思い知らされたら……、ショックだったんだぜ」
「いつから自分は女の子だって自覚したの?」
「それは……」なぜかヒロはオリオンの顔を見て赤くなったかと思うと目を反らした。
「あーその反応は!何かあったの!!なにか!」カルディアは目を見開いた。
「い、いや、僕は、何も……」オリオンは慌てて否定する。
「いや、俺の勝手な思い込みだよ。あの収穫祭の夜……くらいかな……」そうあの時、ヒロは生まれて初めて女性の服を着て、女性として扱われたのだ。
「もう、私の入る余地がないじゃないの!」
「え、何が?」
「私はヒロが女の子でも、好きなことは変わらない。きっと……」カルディアは着ている服の裾を強く掴んでいる。
「オリオン様に負けないくらい、ヒロの事好きなんだから!」
「うん、ありがとうカルディア……。これからも宜しくな。俺もカルディアの事……大好きだよ」そういうとヒロは優しく彼女の体を包容した。カルディアは顔を真っ赤にしてあたふたしている。
「あーずるい、アウラ達も!」アウラ達もヒロに抱きついてくる。
「そうだな。みんな大好きだよ」ヒロは皆を抱き締めた。
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