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新たなる旅立ち
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旅支度を始めるヒロ。彼女は自分の馬に乗せる荷物を整理している。
「ヒロ様、本当に行ってしまうのかダニ?」イオが寂しそうな顔をしてヒロの顔を見つめている。彼女はヒロとの別れを惜しんでいるようである。
「ああ、この街では色々な事があったけれど、俺にはやはりお姫様みたいな生活は無理だ」ヒロは笑いながらイオの頭を優しく撫でた。
「でも、オリオン様が悲しむダニ……」ヒロは旅立つことをオリオンには告げていなかった。 本来自分はこの世界の人間ではない。あのトンネルを潜ってから、人並み外れた力を身につけてしまい、もしかするともはや人でも無いのかもしれない。城の人々は自分の事を「オリハルコンの女神」と讃えてくれるが、ヒロにとってはそんな生活が堅苦しくて仕方がなかった。
「じゃあ行くよ」ヒロは優しくイオのに手を振ると部屋を後にした。
馬に股がり城門を潜り抜けて原野に出る。
「あーら、アプロディーテちゃん!お久しぶり」突然頭上にディアナの姿。
「な、なにをしているんだ!?」ヒロは突然目の前に現れた彼女の姿を目視して驚きの声を上げた。
「だって、アプロディーテちゃんたらまた旅に出られるんでしょう。良かったら同行させて貰おうかと思って、それでさらにアプロディーテちゃんとの距離が縮まれば、今度こそ私の愛を貴女が受け入れてくれるかしらと……」ディアナは相変わらず露出の多い下品な服を着ている。
「はぁー、それはないわ」ヒロは頭痛にでも堪えるように頭を抱えた。
しばらく走ると目の前に見慣れた顔ぶれが見えた。
「カルディア!?」それはカルディアとアウラ達であった。カルディアは馬に、アウラ、カカ、イオはルイの背中に乗っている。
「水臭いわよ!ヒロが居ないのに私達があの街に残る意味は無いでしょう」カルディアはウインクする。
「ヒロ様はお忘れかも知れないですが、アウラ達はヒロ様の使い魔だっちゃ!置いて行くとはどういう了見だっちゃよ!」アウラが手を組んで怒っている。
「ずっと一緒なの」カカが恥ずかしそうに言う。
「そうだったダニ!!さっきはうっかりしてたダニ!」イオは頭を掻いている。
「み、みんな……」ヒロは少し泣き出しそうになっている。
「狡《ずる》いぞ!僕を仲間外れにしようなんて!!」声が聞こえる。ヒロはその主を見て驚く。
「オリオン!なぜここに!!」声の主はオリオンであった。どうやら、後を追いかけて来たらしい。
「僕に告白させておいて、返事もせずに逃げる気かい!でもね……、僕は君が僕の事を嫌いだと言ったとしても君の事を追いかけていくけどね」相変わらず爽やかな笑顔であった。
「そ、そんな・・・・・・、でも私は、あなたの思うような女の子じゃ……」ヒロは口調が女の子のようになって頬を真っ赤に染めている。
「な、なによ!オリオン様の前だと私より可愛いじゃない!!」カルディアが腕を組んで嫉妬でもするように膨れっ面をした。一同は爆笑する。
「いいかい、僕は君を諦めない絶対に……、どこまでも、どこまでも、君のいる場所には僕もいる」その言葉を聞いたカルディアやアウラ達も顔が真っ赤になる。
「も、もう、知らない……!」ヒロはカルディア達よりも更に顔を真っ赤にして逃げるように馬を走らせた。
END
「ヒロ様、本当に行ってしまうのかダニ?」イオが寂しそうな顔をしてヒロの顔を見つめている。彼女はヒロとの別れを惜しんでいるようである。
「ああ、この街では色々な事があったけれど、俺にはやはりお姫様みたいな生活は無理だ」ヒロは笑いながらイオの頭を優しく撫でた。
「でも、オリオン様が悲しむダニ……」ヒロは旅立つことをオリオンには告げていなかった。 本来自分はこの世界の人間ではない。あのトンネルを潜ってから、人並み外れた力を身につけてしまい、もしかするともはや人でも無いのかもしれない。城の人々は自分の事を「オリハルコンの女神」と讃えてくれるが、ヒロにとってはそんな生活が堅苦しくて仕方がなかった。
「じゃあ行くよ」ヒロは優しくイオのに手を振ると部屋を後にした。
馬に股がり城門を潜り抜けて原野に出る。
「あーら、アプロディーテちゃん!お久しぶり」突然頭上にディアナの姿。
「な、なにをしているんだ!?」ヒロは突然目の前に現れた彼女の姿を目視して驚きの声を上げた。
「だって、アプロディーテちゃんたらまた旅に出られるんでしょう。良かったら同行させて貰おうかと思って、それでさらにアプロディーテちゃんとの距離が縮まれば、今度こそ私の愛を貴女が受け入れてくれるかしらと……」ディアナは相変わらず露出の多い下品な服を着ている。
「はぁー、それはないわ」ヒロは頭痛にでも堪えるように頭を抱えた。
しばらく走ると目の前に見慣れた顔ぶれが見えた。
「カルディア!?」それはカルディアとアウラ達であった。カルディアは馬に、アウラ、カカ、イオはルイの背中に乗っている。
「水臭いわよ!ヒロが居ないのに私達があの街に残る意味は無いでしょう」カルディアはウインクする。
「ヒロ様はお忘れかも知れないですが、アウラ達はヒロ様の使い魔だっちゃ!置いて行くとはどういう了見だっちゃよ!」アウラが手を組んで怒っている。
「ずっと一緒なの」カカが恥ずかしそうに言う。
「そうだったダニ!!さっきはうっかりしてたダニ!」イオは頭を掻いている。
「み、みんな……」ヒロは少し泣き出しそうになっている。
「狡《ずる》いぞ!僕を仲間外れにしようなんて!!」声が聞こえる。ヒロはその主を見て驚く。
「オリオン!なぜここに!!」声の主はオリオンであった。どうやら、後を追いかけて来たらしい。
「僕に告白させておいて、返事もせずに逃げる気かい!でもね……、僕は君が僕の事を嫌いだと言ったとしても君の事を追いかけていくけどね」相変わらず爽やかな笑顔であった。
「そ、そんな・・・・・・、でも私は、あなたの思うような女の子じゃ……」ヒロは口調が女の子のようになって頬を真っ赤に染めている。
「な、なによ!オリオン様の前だと私より可愛いじゃない!!」カルディアが腕を組んで嫉妬でもするように膨れっ面をした。一同は爆笑する。
「いいかい、僕は君を諦めない絶対に……、どこまでも、どこまでも、君のいる場所には僕もいる」その言葉を聞いたカルディアやアウラ達も顔が真っ赤になる。
「も、もう、知らない……!」ヒロはカルディア達よりも更に顔を真っ赤にして逃げるように馬を走らせた。
END
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最後まで読みました。
ヒロが幸せになるといいですね。
また、別の作品も読ませていただきます。