闘え！オルナス・バトルカーニバル！

勝利の行方

少し後ずさりしたものの、リンはパンモンキーに攻撃をしっかりと受け止めた。

会場はシーンと静まり返える。

「なんや！パンモンキー！！どうしたんや！」猿田の声が響く。まるでその声が合図のように、パンモンキーの体から力が抜けたかのように両腕と頭がダラリと下に落ちた。

突進してきたパンモンキーの体を受け止めたリンの両手の、レーザーナックルが電磁波を発生させていた。

白コーナーに戦闘不能のシグナルが表示される。

「勝者は、ビューティー・リン！です！！」アナウンサーの声と同時に歓声が駆け巡る。

「美鈴ちゃん、やったよ！勝ったよ！！」俺は思わず彼女の名前を口にしてしまった。

「う、うん……」美鈴は、少し後ずさりして倒れそうになる。俺は彼女の体を受け止めた。

「大丈夫か！？」緊迫した戦いで疲れた様子であった。

「ありがとう、大丈夫よ……。リン、おいで」彼女が呼ぶと戦闘を終えたリンは美鈴の肩に飛び乗った。

「くそー！なんでや！！なんでワシのパンモンキーが負けやねん！あないな武器、卑怯やないか！！」猿田が叫いている。しかし、その勝敗が覆る事はなかった。

「美鈴ちゃん、リンの手当をしてやろう」勝ったとはいえ、あれだけの攻撃を受けたのだから、ダメージがあるであろう。

「うん、でもアキトの試合は？」美鈴が改めてトーナメント表に目をやる。

「俺とギルは、前回チャンピオンだから、シード枠なんだ。午前中は試合無しさ」一応、特権らしい。

「ふーん、なんだか狡いわね」美鈴は口を尖らせた。

「格好よかったぞ！」「２回戦も応援するからな！！」観客はリンの戦いに魅了されたようであった。美鈴とリンは、観客に向けて大きく手を振りながら投げキッスをした。

「華やかだな……」俺は少し呆れ気味に呟いた。