【完結】美しい7人の少女達が宿命の敵と闘う!!ナオミ!貴女の出番よ!!恋愛・バトル・学園、そして別れ……『吼えろ!バーニング・エンジェルズ』

上条 樹

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吼えろ!バーニング・エンジェルズ (ヒロイン編)

ムツミ

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「ねえ、君綺麗だね~! 一緒に遊ぼうよ!」黒服を着たホスト風の男が数人、執拗に声をかける。

「・・・・・・」少女は無視したまま、人混みの中を歩いていく。

「ちょっと、シカトは無しだよ~!」黒服男が少女の肩を掴んだ。

「カラオケだけでいいからさ!」

「・・・・・・もぉ~本気まじ、うるさいな!ウチに構わんといて・・・・・・」肩に乗った黒服男の手を払いのけた。
「あっ、関西出身なの?漫才とか好き?」

「あんたら、これあげるからどっか行って!」ポケットの中から飴玉を数個握って出し男に渡す。

「子供じゃないんだから、飴はいらないよ、大人の遊びをしようよ! ディープな遊びでも構わへんよ!」黒服男が唇を尖らせてキスを求めるような仕草をする。語尾に関西弁を無理やり付けてきた。関西人は関西弁を馬鹿にされると切れるらしい。

「ええ加減にせんと、痛い目見るで!」キッとした目で睨みつけて、近づいてきた男の黒服男の顔面を手で押しのけた。

「怒った顔もかわいいー!」黒服男に引く気配は無い。

「ねー、おいでよ!優しく誘っているうちにさ!」黒服男は少女の腕を掴み引っ張っていこうとする。
 その先には、いかにも黒塗りで車高を下げた車が後部ドアを開けて待ち構えている。
「いいこと、してあげるから・・・・・さぁ!」もう一人も少女の腕を掴んだ。

「このっ・・・・・・!」少女が歯を食いしばり、怒った表情を見せた。同時に瞳が緑色に染まり、体から緑色のオーラのような光がかすかに発生する。

「お前達、いい加減にしておけ!」店から駆けつけてきた狩屋が黒服男の肩を掴み静止する。

「なんだ、お前は!引っ込んでいろ!」肩の手を払い退けてから、黒服男は狩屋の顔面めがけて拳を振り投げてくる。
 狩屋は利き手で受けると相手の軸足を払いのけたかと思うと、合気道の技のように男を投げた。

「ぐっ・・・・・・いてててて!」狩屋は倒れた黒服男の手首を捻り動けないように関節を極めている。

「なにしやがる!」もう一人の黒服男が上段蹴りを放ってきた。空手か何かの心得がある様子だ。
 眼前に近づいてきた蹴りを頭を軽く傾けてかわし空いている手で流す。蹴った黒服男は半回転をして狩屋に背を向けた。
 上着の襟を掴んで引き倒し、倒れている男の上に重ねた。下敷きになった黒服男が「ギャフン!」と犬のような声を上げた。上に重なった男の鳩尾に軽く突きを入れた。

「うげっ!」悲鳴をあげて上に乗っていた黒服の男は悶絶した。
 少女は一瞬の出来事に唖然とした様子だった。

「おっ、覚えていろよ!」黒服男たちがお決まりの捨て台詞を残して逃げていった。
「大丈夫ですか?」狩屋は少女のそばにより声をかけた。

「兄ちゃんすごいな! カッコ良かったわ!」狩屋の肩に手をやる。

「ありがとう! 助かったわ」少女はニッと屈託のない笑顔を見せた。

「いいえ、やっぱり、違うか・・・・・・」狩屋は少女の顔を確認し、先日の郵便局事件のヒーローではないことを認識した。

「ハァハァハア・・・・・・!狩屋さん!どうしたんですか、急に?」美穂が遅れて息を切らせながら駆け寄ってきた。

「あっ御免!この子が、チンピラに絡まれてから・・・・・・」狩屋は少女の方を振り返った。つられて美穂も少女に目をやった。

(えっ、ナオミ・・・・・・!)美穂は出そうになった声を喉元で堪えた。
 目の前の少女を凝視した。緑のポニーテール、大きな胸と縊れた腰、程よいお尻。ミニスカートから覗くカモシカのように美しい二本の足。白と緑を基調とした服を纏った少女が立っている。その雰囲気、服装は色彩こそ異なるが『ナオミ』とよく似た感じだった。
 両手を上着のポケットに差込、口の中で飴玉を転がしている。
「なんや、彼女おるんや・・・・・残念やわぁ!」少女は軽く頭をうな垂れる仕草をした。

「いえ!彼女だなんて!・・・・・狩屋さんは、友達のお兄さんです!」顔を真っ赤にして美穂は否定した。

「ほんまに~ ?まんざらでもなさそうやけど~!」初めて会ったばかりとは思えないほど気さくに話しかけてくる。関西人の気質なのだろう。
 美穂は更に顔を赤らめて小さくなっていた。

「この辺は、ああいう連中が多いですから、ご旅行でしたら気をつけてください」狩屋は警察官らしい口調で注意を促した。
「いや~、別に旅行って訳ではないねんけど・・・・・・」頭を掻きながら少女はバツの悪そうな顔をした。

「あっ、ウチの名前、『ムツミ』っていうねん、ヨロシクな!」ムツミと名乗る少女は首を可愛く傾げて、優しい笑顔を見せた。

「僕は、狩屋です、あっこちらが・・・・・・」

「美穂・・・・・・大久保美穂です」美穂は軽くお辞儀をする。

「美穂ちゃんか、ナオミちゃんじゃないねんな・・・・・・」聞こえるか聞こえない位の小さな声だった。

「えっ・・・・・!」美穂は驚きナオミを凝視した。

「あっごめん、気にせんといて!お礼にこれあげるから・・・・・」ムツミがポケットから握りこぶしを差し出し、美穂の手の平に飴玉を5~6個乗せた。

「ほんま、おおきに! 縁があったら、また会おうな!バイバイ!」
ムツミは軽く手を振ると背を向けてその場を去っていった。

(あの人は、一体?)美穂はムツミの姿にナオミを重ね合わせた。

「大久保さん、どうしたの?」気の抜けた表情をする美穂に狩屋は声をかけた。

「いいえ、ボーとしちゃってすいません・・・・・・」狩屋の声で我に返った。

「いや、変わった子だったね。ムツミさん・・・・・・だったね。見た目と、中身がミスマッチで面白い。よくテレビで見る、大阪のおばちゃんって感じかな。さすがにトラ柄の服じゃなかったけれど!」狩屋は笑っていた。

「そうですね・・・・・・」美穂は愛想笑いを狩屋に返した。

「あっ、しもたわ!服装変えるのをコロッと忘れとった。まぁ・・・・・ええか!」ムツミは人混みの中から路地に入り右腕を強く握った。
 ムツミの体は緑の光に包まれたあと、Tシャツにジーンズ、スニーカーとラフな服装になり、もう一度、路地から人混みの中に戻った。

「雨のみどう~す~じ~♪」唐突に歌が鳴り響く。
 ムツミはポケットから、トラ柄のカバーを付けた携帯端末を出した。設定された着信音楽であった。

「あっ、ミコト、御免!ウチ、見つかってもうたわ!にゃははは!地味に見張ってたんやけどなぁ・・・・・・」ムツミは軽く頭を掻きむしった。
 ムツミが歩く姿を、すれ違う男たちはもれなく目で追っている。
 見事なモンローウォークを食い入るように覗き込み倒れそうになる者、携帯電話で撮影しようとする者、中には同伴の女性に腕をつねられる男もいる。

「そうやな・・・・・・、もうちょっと隠れて様子見てみるわ!ほんなら、また連絡するわ」端末の通話を切ると、ポケットの中へ端末を持った手を差し込んだまま歩き続けた。

 同じころ、ムツミの電話の相手『ミコト』も携帯端末をポケットの中に入れた。

「ちっ!」大きな舌打ちが薄暗い部屋の中に響いた。

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