【完結】美しい7人の少女達が宿命の敵と闘う!!ナオミ!貴女の出番よ!!恋愛・バトル・学園、そして別れ……『吼えろ!バーニング・エンジェルズ』

上条 樹

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バーニング・エンジェルズ・アライブ(ヒーロー編)

標的はナオミ

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「百戦鬼!待ちなさい! その娘の相手は私よ!」ミサキの目の前に、銀のアプサスを纏ったカトリーナが上空から舞い降りた。

ミサキは、カトリーナの攻撃に備えて、両腕を前に構えた。

「ミサキ、貴方は金のアプサスを身に着けても・・・・・・・まだ、思い出さないのね」カトリーナは髪を掻き揚げた。「なんの事だ!」ミサキは緊張した様子でカトリーナを睨みつけていた。

「ふー!結構効いたわ」サツキが頭を振りながら立ち上がりフタバの近くに移動した。派手に飛ばされたが、サツキに大きなダメージは無いようだった。

「お返しするわよ! フタバ手伝って!」イツミはフタバーニ合図をしてから百戦鬼に向けて右手を差し出した。

「あいよ!」差し出されたイツミの右手にフタバは左手を重ねる。重ねた二人の手から炎と水が絡み合い百戦鬼に向かい激しい勢いで襲いかかった。それはまるで赤と青の二匹の竜が踊るようであった。

「うおおおおおー!」百戦鬼が激しい雄叫びをあげながら両手を前に突き出した。

 二匹の竜は百戦鬼の前方で弾かれて、激しい水蒸気と化した。水蒸気が霧のように立ち込めて舞台の上が白く濁る。霧の中から一本の矢が百戦鬼を襲う。百戦鬼は無駄の無い動きで体を反らして矢を避けた。

「ちっ!」シオリが舌打ちをした。彼女のその手には弓が握られていた。

「たぁー!」気合と共に、ナオミの飛び蹴りが百戦鬼を襲う。百戦鬼は蹴りをかわして、ナオミの顔面めがけてパンチ食らわせてきた。両腕をクロスして上体を下げながらナオミは百戦鬼の攻撃をかわした。そのまま、前蹴りを繰り出して百戦鬼を攻撃するが、既に目の前から百戦鬼の姿は消えていた。ナオミは加速の能力を使い百戦鬼の姿を追う。シオリ達の前から、ナオミと百戦鬼の姿が見えなくなる。ただ、空のあちらこちらから、破裂音のような音が響く。 

「どうなってんねん!」二人の姿を捕らえることが出来ず、ムツミのイライラが頂点に達する。次の瞬間、上空に利き腕を重ねて睨み合うナオミと百戦鬼の姿が現れた。

「観念しなさい! 百戦鬼!」ナオミは少し肩で息をしながら百戦鬼に警告をする。

「一騎、来て!」ナオミが叫ぶとどこからともなく、彼女の肩の上に可愛いフェレットが姿を見せた。

「キュキュ!」フェレットがナオミの頬を愛おし気に舐める。

「マッスル・フォーム!」ナオミが呪文のようにその言葉を唱えると、フェレットの体が霧のように消えて、その後、ナオミの体を防御する金色の防具が装着された。

「一騎か、金のアプサスを模倣して作られた紛い物・・・・・・」百選鬼はニヤリとほほ笑んだ。

 カトリーナはバク転の姿勢で後方に飛んでから着地した。

「卑怯な事ばかりしやがって!これがお前達のやり方か!」ミサキは拳を握りしめてカトリーナを睨みつけた。

「百戦鬼は、私の仲間ではないわ。ただ、利用していただけ、それは百戦鬼も同じ事。 貴方の本当の敵は・・・・・・私ではないわ」カトリーナは強く瞳を閉じたあと、今度は大きく見開いた。

「そんな言葉、信用できるか!」言葉より先に、ミサキは攻撃を仕掛けた。ミサキの手に光の剣が現れ、カトリーナの体を切り裂こうと突進した。 その攻撃を、カトリーナも同じく剣で受け止めた。二人は空中に舞い上がり、戦闘を開始した。

百戦鬼は激しいスピードで、バーニ達に攻撃を仕掛けてくる。
ナオミは他のバーニは守るように、自分が縦になって百戦鬼の攻撃を凌いでいる。

「このままでは、ナオミさんの体がもたない!」シオリが百戦鬼の攻撃から身をかわしながら言った。

「どうしたら、ええんや!」ムツミは自分の膝を叩く。

「百戦鬼!」ナオミの声が響き渡る。百戦鬼は動きを止めた。シオリ達は構えを崩さず百戦鬼の動向を窺っている。

「どうして、関係の無い人を巻き込むの! お前の狙いは・・・・・私のはずよ!」ナオミは体からピンクのオーラを発しながら怒りに燃えている。

「そうだ! 俺が欲しいのはお前だ!お前が欲しい!」百戦鬼はナオミ目掛けて駆け出し体に掴みかかろうとする。ナオミは宙を舞い避ける。ナオミが着地する瞬間を狙い、百戦鬼右手から槍のような物体が多数発射される。
 ナオミは動きを加速し百戦鬼の攻撃を避ける。

「それだ! 俺が欲しい力はそれだ!」百戦鬼が叫びながら、移動するナオミを狙い執拗に槍を発射する。

「くっ!」ナオミの動きが更に加速していき、百戦鬼の攻撃は全く当たらない。しかしそれも長期にわたって継続できるほどのスタミナはもうナオミには残されてはいない様子であった。

 彼女達の戦いを見上げるバーニ達は呆然としている。ナオミ達の姿をかろうじて目で捕らえられてはいるものの、その中に参加する力は彼女達には無かった。

 バーニ達は歯がゆくてイライラしていた。
 百戦鬼は攻撃を続けながらナオミに語りだした。

「そのまま、逃げ続けてどうするつもりだ。俺には、無限に時間はある・・・・・・しかし、お前はどうだ。今にも朽ち果てそうではないか!」百戦鬼は大きな声を張り上げて言った。

「はあ、はあ、はあ・・・・・・・」ナオミのエネルギー消費が限界を超えそうになっている。

「結局! お前は俺のものになる運命なのだ!」

「ナオミちゃん! あかん百戦鬼の言うことを聞いたら駄目や!」ムツミは大きな声で叫び、両手を前に構えて、いつでもエネルギー波を撃てるように準備している。

「駄目! ムツミさん! ナオミさんが・・・・・」イツミの声が後方から聞こえる。

「畜生!早すぎて・・・・・・!」ムツミは歯ぎしりをしながら姿勢を解いた。

「ハハハハハハ! 」空中から百戦鬼の笑い声が響き渡る。

「今だ!」唐突に拳銃を構えた狩屋刑事が飛び出してきた。そして数発の弾丸を百戦鬼めがけて発砲する。

「この、虫けらどもが、そんな物が効く訳が無いだろう!」百戦鬼が右手を一振りすると激しい突風が吹き荒れて、狩屋の体は宙に舞い壁に激突する。

「か、狩屋さん!」ナオミは彼を助けに行こうと試みるが、百戦鬼がそれを許さない。

「わかったわ! 百戦鬼。あなたの言う通りにするから、みんなを傷つけないで・・・・・・」ナオミは両手を開いて無防備の状態をさらした。

「ナオミさん!駄目だ」上空で戦っているミサキが声を上げる。カトリーナと剣を重ねて膠着状態に陥っている。

「そうよ、駄目よ!そんなことをしては、百戦鬼は貴方の力を使って人々を抹殺するつもりなのよ!」シオリが両拳を握り締めて叫ぶ。普段、冷静なシオリからは想像出来ない姿であった。

「ナオミちゃん!」「ナオミ!」「お姉ちゃん!」サツキ、フタバ、イツキが叫ぶ。

「ナオミ! やめるんや!」ムツミが大きな声でナオミの名前を呼ぶ。

「これで、最高の力を手に入れる事が出来る!」百戦鬼は嬉しそうな声を上げた。
「さあ! 好きにしなさい!」ナオミは百戦鬼に早く来いと急かした。

百戦鬼は息吹を上げてからその体を四散して、ナオミの体の中に入り込んだ。

「あああああああああ!」ナオミが大きな悲鳴を上げる。
「あっ・・・・・・」ナオミの体からピンクのオーラが噴出している。「ああ、やめて・・・・・! 」ナオミの口から嗚咽がもれる。「うううっ」ピンクのオーラが徐々に黒色に変化していく。

「なあ、シオリ。一騎の時もこんなことあったよな!あの時もナオミちゃん打ち勝ったし・・・・・・、今度も大丈夫やんな」ムツミは不安そうな顔で、シオリを見た。その問いに対するシオリからの返答は無かった。

「美穂・・・・・・」フタバはお揉むろにその名を呟いていた。

(覚悟するのだ!お前と俺は今日から一つになるのだ!)ナオミの頭の中の百戦鬼の声が響く。激しい痛みに襲われて悶絶する。

「く、苦しい!岬樹くん・・・・・・・助けて・・・・・・」ナオミは激痛に耐えている。

「ナオミ!」フタバが駆け寄ろうとするが、シオリがその行動を制止する。

「駄目よ! ナオミさんの体まで傷ついてしまう!」ナオミは頭を両手で抱えて苦しむ。全身の色が黒色に染まっていく。ピンク色の美しい髪も黒く染まり、全身の自由を奪われていく。

「あああああっ!」ナオミが絶叫する。

「ナオミ!」ミサキはカトリーナを振り払い、ナオミの両肩を強く握りしめて、百戦鬼を引き剥がそうと試みた。その途端ミサキの体に激しい激痛が走り、弾き飛ばされた。

「ナオミちゃん、どうなってしまうんや! 」ムツミがシオリに聞く。

「・・・・・・」シオリは答えない。ナオミの様子を確認して、フタバ、カトリーナ、イツミが身構える。

(もうすぐだ、ナオミ!)百戦鬼の声が強くなる。

「・・・・!」ナオミの呼吸が速くなる。彼女の体は更に、黒く変色していく。

「岬樹・・・・・・く」ナオミの声が段々小さくなっていく。次の瞬間、ナオミの目が見開いた。 瞳が黄色く釣りあがっていた。 体は黒一色に染まり、負のオーラを四方に拡散していた。

「やったな! 百戦鬼!」聞きなれた声が聞こえる。振り返るとそこには、球体の中から姿を現した小林の姿があった。

「コバヤン・・・・・・・なにを言っているんや?」ムツミが目を見開いて、小林の姿を見ている。
今の状況を誰も理解することが出来なかった。

「約束よ。ミサキを元に戻して・・・・・・」上空から降りてきたカトリーナが口を開いた。その言葉を聞いたバーニ達は、カトリーナを見た。

「な、なにを言っているんだ・・・・・・?」ミサキは驚きの声を上げた。

「ハハハハ、そうだな。約束通り彼の記憶を戻してあげよう!」小林はミサキの顔を見たかと思うと高笑いした。彼女はその右手をミサキに向けて念を入れる。 小林の目が赤く輝く、それはまるでイツミが能力を発揮した時に似ていた。その一連の行動に反応し、ミサキの頭を頭痛が襲う。

「うう・・・・・・なんなんだ、これは!」ミサキの頭の中に、映画のスクリーンを見るように場面が流れていく。
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