21 / 94
君と黙示録
しおりを挟む
「これはどういう事なんですか!?」美桜の手がワナワナと震えている。その口角の辺りも少しだけピクピクと引きつっているように見える。
「えっ!」玄関の扉を開けて、大学の講義にでかけようとしていた俺と昌子はその彼女の様子を見て驚く。
「えーと……、じゃあ、私は先に行くからね!後はヨロシク!」昌子は軽く敬礼のような仕草をすると、玄関を飛び出して行った。いやーん、置いていかないで~!薄情もの~!!
「どうしてこの家に昌子さんがいるんですか!」美桜の目が恐ろしいほどギラギラしている。もはやそれは野獣のように鋭かった。
「いや、あの……」
「どうして朝から、昌子さんが出てくるんですか?」キャー!蛇に睨まれたカエルの気持ちがよく解るよ!
「いや……、実は親父達が仕事の都合で転勤になっちゃてさ。それで、空いている部屋が勿体ないからルームシェアする事になったんだけれど……、その一部屋に昌子が住む事になって……」なぜ、俺はこんなに弁解のように説明せねばならないよか納得がいかないが、彼女の迫力に完全に飲まれている状態であった。
「ルームシェア……!?あっ、これですか!」壁に貼られている、入居者募集のチラシを睨み付けるように見ている。
「だから、何も変な事はないから……」
「変な事ってなんなんですか!?」ギョエー!怖えー!なんですかその迫力は、彼女の意外な一面を見て驚く。彼女は何かを考けるように腕を組んだ。
「み、美桜ちゃん……?」
「決めました……」何かを決意したように、彼女は目を見開いた。
「な、何を決めたの?」既に嫌な予感しかしない。
「決めました。私もここに住みます!」拳を胸の辺りで固く握りしめて宣言する。
「えっ!なんで!あの豪華なマンションあるじゃん!」
「あそこは事務所が借りてくれているんですけど、いつまでもお世話になってる訳にはいかないってずっと思ってたんです。これはきっとそうしろと云う神様のお告げなんです!」いや、そのチラシ書いたの母さんなんだけど……。そうか、ズルいぞ昌子さん、自分だけこんなに安い所に住んでって事か……。
「でも、あのマンションみたいにオートロックもコンシェルジュも居ないぞ。それに木造で少しカビ臭いし、結構古い……」ろくでもない家だ……。
「そんなの気にしません。私の九州の実家も似たようなものですから」あっ、もう住む気満々やこの娘《こ》……。「この電話番号に電話すればいいのですよね」彼女は早速スマホを取り出して電話をかける。なんちゅう、行動力やねん!俺は舌を巻く。「あっ、お久しぶりです……、私、梵《そよぎ》です。……あ、はい……、はい……ありがとうございます。で、今日電話したのはですね……えっ……あっ……あっ、そうです。……ありがとうございます!……それじゃあ、またお電話します!失礼致します!」通話を切ったようだ。
「あれ、引っ越しの件は言わなかったの?」
「いいえ……、お母様が『美桜ちゃんの部屋はちゃんと用意してるから、早く引っ越してきてね』って……」美桜は目を細めて地面を恥じらうように見ている。
「な、なんやって……!?」策略に嵌められた。あの親はこうなることを見越していたのか!なんと云う戦略家なのだ。俺は改めて驚異を感じた。
「亮介さんの……となりの部屋を使って良いって言われました……」なんですと、壁を隔てて元アイドル……ですと!
「いや、美桜ちゃんのご両親にも聞かないと……」そりゃ、独り暮らしの娘がルームシェアって気になるだろ。
「あっ、それも話を既にしているそうです」さっきの通話中身が濃いな!っていうか美桜ちゃんの両親とも知り合いなんですか?うちの親は……?「あの事故の時に、両親もご挨拶に行きましたので……」知らない間に、色々な人間関係が形成されているようであった。
「じゃあ、本当に……」また、住人が増えるのか……。
「亮介さん、不束者《ふつつか》ですがヨロシクお願いします」彼女は素敵な笑顔でニッコリ微笑んだ。ああ、地獄の黙示録。
「えっ!」玄関の扉を開けて、大学の講義にでかけようとしていた俺と昌子はその彼女の様子を見て驚く。
「えーと……、じゃあ、私は先に行くからね!後はヨロシク!」昌子は軽く敬礼のような仕草をすると、玄関を飛び出して行った。いやーん、置いていかないで~!薄情もの~!!
「どうしてこの家に昌子さんがいるんですか!」美桜の目が恐ろしいほどギラギラしている。もはやそれは野獣のように鋭かった。
「いや、あの……」
「どうして朝から、昌子さんが出てくるんですか?」キャー!蛇に睨まれたカエルの気持ちがよく解るよ!
「いや……、実は親父達が仕事の都合で転勤になっちゃてさ。それで、空いている部屋が勿体ないからルームシェアする事になったんだけれど……、その一部屋に昌子が住む事になって……」なぜ、俺はこんなに弁解のように説明せねばならないよか納得がいかないが、彼女の迫力に完全に飲まれている状態であった。
「ルームシェア……!?あっ、これですか!」壁に貼られている、入居者募集のチラシを睨み付けるように見ている。
「だから、何も変な事はないから……」
「変な事ってなんなんですか!?」ギョエー!怖えー!なんですかその迫力は、彼女の意外な一面を見て驚く。彼女は何かを考けるように腕を組んだ。
「み、美桜ちゃん……?」
「決めました……」何かを決意したように、彼女は目を見開いた。
「な、何を決めたの?」既に嫌な予感しかしない。
「決めました。私もここに住みます!」拳を胸の辺りで固く握りしめて宣言する。
「えっ!なんで!あの豪華なマンションあるじゃん!」
「あそこは事務所が借りてくれているんですけど、いつまでもお世話になってる訳にはいかないってずっと思ってたんです。これはきっとそうしろと云う神様のお告げなんです!」いや、そのチラシ書いたの母さんなんだけど……。そうか、ズルいぞ昌子さん、自分だけこんなに安い所に住んでって事か……。
「でも、あのマンションみたいにオートロックもコンシェルジュも居ないぞ。それに木造で少しカビ臭いし、結構古い……」ろくでもない家だ……。
「そんなの気にしません。私の九州の実家も似たようなものですから」あっ、もう住む気満々やこの娘《こ》……。「この電話番号に電話すればいいのですよね」彼女は早速スマホを取り出して電話をかける。なんちゅう、行動力やねん!俺は舌を巻く。「あっ、お久しぶりです……、私、梵《そよぎ》です。……あ、はい……、はい……ありがとうございます。で、今日電話したのはですね……えっ……あっ……あっ、そうです。……ありがとうございます!……それじゃあ、またお電話します!失礼致します!」通話を切ったようだ。
「あれ、引っ越しの件は言わなかったの?」
「いいえ……、お母様が『美桜ちゃんの部屋はちゃんと用意してるから、早く引っ越してきてね』って……」美桜は目を細めて地面を恥じらうように見ている。
「な、なんやって……!?」策略に嵌められた。あの親はこうなることを見越していたのか!なんと云う戦略家なのだ。俺は改めて驚異を感じた。
「亮介さんの……となりの部屋を使って良いって言われました……」なんですと、壁を隔てて元アイドル……ですと!
「いや、美桜ちゃんのご両親にも聞かないと……」そりゃ、独り暮らしの娘がルームシェアって気になるだろ。
「あっ、それも話を既にしているそうです」さっきの通話中身が濃いな!っていうか美桜ちゃんの両親とも知り合いなんですか?うちの親は……?「あの事故の時に、両親もご挨拶に行きましたので……」知らない間に、色々な人間関係が形成されているようであった。
「じゃあ、本当に……」また、住人が増えるのか……。
「亮介さん、不束者《ふつつか》ですがヨロシクお願いします」彼女は素敵な笑顔でニッコリ微笑んだ。ああ、地獄の黙示録。
0
あなたにおすすめの小説
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。
甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。
平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは──
学園一の美少女・黒瀬葵。
なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。
冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。
最初はただの勘違いだったはずの関係。
けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。
ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、
焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる