振り返るといつもの君がいたような気がした。僕が助けた少女は有名なシンガーソングライターだった。『君の歌と僕の夢……。』

上条 樹

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君とシースルー

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「ごめんください」玄関から女性の声が聞こえる。金ちゃんがやって来るのを待っていたところ女の子の声が聞こえたので驚いた。この家はなんだか最近人の出入りが激しくなったような気がする。

「はーい」俺が部屋を出る前に美桜が階段をかけ降りていった。

「えっ!?」美桜は玄関に立つ少女の姿を見て驚いたようだ。「……」少女も美桜の顔を見て、目を見開いている。

「どうしたの……、って桃山桃子!?」何故かそこにはアイドル桃子の姿があった。

「どうしてここにMIONさんとリア充がいるの?」って、俺の名前は完全にリア充か?

「君こそどうしてこの家に来たんだ?」俺は彼女の突然の訪問に気が動転してしまった。

「え、私は亮ちゃんに挨拶したくて……」桃子は小さな声で俺の名前をつぶやく。いつもよりも少し女の子らしい声であった。美桜はハッとした顔で俺を見る。

「なに?俺に何か用なのか」

「いや、あんたじゃなくて、亮ちゃん……って、えー!……もしかして……」桃子も美桜に負けない位に目を見開いて俺の顔を見た。

「はい、俺が亮介ですが何か?」やっと俺の名前を知って頂いたようだ。

「そ、そんな……、全然面影がない……」彼女はガクリと肩を落とす。その様子を見て俺の頭の中に一つの疑念が頭を持ち上げてきた。

「まさか……、お前……金ちゃんか!?」俺の記憶の中では、金ちゃんはいつも短ズボンを履き、短髪で活発な男の子の印象であった。目の前の桃子とは真逆であった。

「だから……、私の事を金ちゃんって言うな!!」桃子は顔を真っ赤にして怒る。どうやらその呼び名は嫌いなようであった。

「どうして、桃子ちゃんの事を金……、いあえ、そんな風に呼ぶんてすか?」美桜はその名前を口にした瞬間軽く睨まれたので訂正した。たしかに何故桃子の事を金ちゃんと読んでいたのかは思い出せない。

「私の本名は遠山桃子って言うんです。それで遠山だから……」

「遠山の……金さんか?」古い。センスが古すぎる。それに加えてあまりにも陳腐だ。誰だそんなアダ名をつけたのは!

「亮ちゃんが言い出しんたんです」俺か……。

「なんだ、騒がしいな」仕事休みの小野寺社長が起きてきた。

「しゃ、社長!?」「なんちゅう格好してるんですか!?」彼女はシースルーのネグリジェ。ほぼ裸体に近い状態であった。

「ああ、仕事の反動で寝る時は、リラックスしないと眠れないんだ」いや、リラックスと云う域を越えまくっている。だいたい、そんな格好で部屋から出てくる事自体、家に男が居ることを意識していない証拠である。「あっ、君はダークファンタジーの……桃山君か……」顔だけは真顔になった。

「え、えーと……、誰……?」桃子は唖然とした顔で俺達を見た。

「うちの……社長です……」美桜は恥ずかしそうに下を向いた。
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