57 / 94
君とオーディション
しおりを挟む
「話があるんだが……」彼女達の部屋に入ると小野寺社長が口を開いた。
「なんなんです?改まって……」俺は何の話が始まるのか予測出来なかった。
「昌子君はうちのタレントとして働いてもらうことになった。あのCMが業界でも結構話題でな。オファーが凄いんだ」たしか小野寺社長のアイデアが反映されてお色気度合いが強調されて、叔父さん達のファンが増加しているそうだ。
「まさか、こんな事になるなんて……、気軽な気持ちだったんですけど」昌子は恥ずかしそうな顔を見せた。彼女の事は見慣れてはいたが、確かにあのCMを見た時はちょっと俺もドッキリとした。それが昌子である事を正直疑ったほどであった。
「まあ、私の見る目があったということだ」なんだか、いつもより数センチほど胸を前に剥き出しながら小野寺社長は自慢気に腕を組んだ。
「すげえな……」素直に感心する。
「だが、ちょっとした計算違いがあってな……」小野寺社長がため息をついた。なにかあった様子である。「先日、とある番組のプロデューサーから声を掛けられたんだが、うちのタレントをオーディションに出さないかって……」淡々と小野寺社長が話を続ける。
「へー、昌子、ドラマの話も来てるって言ってたのに……、そんなオーディション向こうから言われるのってほぼ決まってるんじゃないですか?」
「そうだな……、ある程度、目星のついたタレントに声を掛けて来るっていうのは、ほぼイメージが合致したということだろう」隣で桃子と美桜が軽く頷いている。芸能界に長く身を置く彼女達にとってはよくある話なのであろう。
「それでなんのオーディションなんですか?」
「覆面ドライバーという、特撮番組のサブキャラクターだ」覆面ドライバーって言えば、俺の生まれるずっと昔からシリーズ化されているお化け番組である。毎週日曜日の朝にやっていたような気がする。
「サブキャラクターですか?女ドライバーみたいな感じ!?」俺のテンションも上がっていく。昌子が変身する姿が頭に浮かぶ。
「いや、それなんだが……、オファーが来たのは君だ。亮介君……」小野寺社長が前のめりになってテーブルに肘を突いた。胸元から俺の目に胸の谷間が飛び込んでくる。
「へ……!?」俺は彼女の言葉の意味が理解出来ないでいた。
「最近、君にやってもらったスタントがちょっとした話題になっててね。どうやら、うちにアクション部門が出来たって勘違いされたみたいだ」そう言えば、俺がアメリカで修行したスタントマンだって嘘を平然とこの人がついていたことを思い出した。
「そんな!俺が覆面ドライバーって!!」まさに寝耳に水とはこの事である。
「亮介さんなら、出来ると思います……。あの焼身スタントの演技も凄かったし……」美桜が根拠のない言葉で背中を押そうとする。俺は演技なんてやった覚えはないのだけれど。
「まあ、私の顔を立てるという事で、オーディションを受けて欲しいんだ……、もし合格したら、そのあとの事は君に任せるから」なぜか珍しく拝むように手を合わせて懇願する。業界内の付き合いがあると云うことなのであろう。
「解りました……、オーディションだけですよね……。俺にそんな仕事、出来るわけないし……」俺は渋々ではあるが承諾する事にした。
「ありがとう」小野寺社長が嬉しそうにお礼を言った。
「なんなんです?改まって……」俺は何の話が始まるのか予測出来なかった。
「昌子君はうちのタレントとして働いてもらうことになった。あのCMが業界でも結構話題でな。オファーが凄いんだ」たしか小野寺社長のアイデアが反映されてお色気度合いが強調されて、叔父さん達のファンが増加しているそうだ。
「まさか、こんな事になるなんて……、気軽な気持ちだったんですけど」昌子は恥ずかしそうな顔を見せた。彼女の事は見慣れてはいたが、確かにあのCMを見た時はちょっと俺もドッキリとした。それが昌子である事を正直疑ったほどであった。
「まあ、私の見る目があったということだ」なんだか、いつもより数センチほど胸を前に剥き出しながら小野寺社長は自慢気に腕を組んだ。
「すげえな……」素直に感心する。
「だが、ちょっとした計算違いがあってな……」小野寺社長がため息をついた。なにかあった様子である。「先日、とある番組のプロデューサーから声を掛けられたんだが、うちのタレントをオーディションに出さないかって……」淡々と小野寺社長が話を続ける。
「へー、昌子、ドラマの話も来てるって言ってたのに……、そんなオーディション向こうから言われるのってほぼ決まってるんじゃないですか?」
「そうだな……、ある程度、目星のついたタレントに声を掛けて来るっていうのは、ほぼイメージが合致したということだろう」隣で桃子と美桜が軽く頷いている。芸能界に長く身を置く彼女達にとってはよくある話なのであろう。
「それでなんのオーディションなんですか?」
「覆面ドライバーという、特撮番組のサブキャラクターだ」覆面ドライバーって言えば、俺の生まれるずっと昔からシリーズ化されているお化け番組である。毎週日曜日の朝にやっていたような気がする。
「サブキャラクターですか?女ドライバーみたいな感じ!?」俺のテンションも上がっていく。昌子が変身する姿が頭に浮かぶ。
「いや、それなんだが……、オファーが来たのは君だ。亮介君……」小野寺社長が前のめりになってテーブルに肘を突いた。胸元から俺の目に胸の谷間が飛び込んでくる。
「へ……!?」俺は彼女の言葉の意味が理解出来ないでいた。
「最近、君にやってもらったスタントがちょっとした話題になっててね。どうやら、うちにアクション部門が出来たって勘違いされたみたいだ」そう言えば、俺がアメリカで修行したスタントマンだって嘘を平然とこの人がついていたことを思い出した。
「そんな!俺が覆面ドライバーって!!」まさに寝耳に水とはこの事である。
「亮介さんなら、出来ると思います……。あの焼身スタントの演技も凄かったし……」美桜が根拠のない言葉で背中を押そうとする。俺は演技なんてやった覚えはないのだけれど。
「まあ、私の顔を立てるという事で、オーディションを受けて欲しいんだ……、もし合格したら、そのあとの事は君に任せるから」なぜか珍しく拝むように手を合わせて懇願する。業界内の付き合いがあると云うことなのであろう。
「解りました……、オーディションだけですよね……。俺にそんな仕事、出来るわけないし……」俺は渋々ではあるが承諾する事にした。
「ありがとう」小野寺社長が嬉しそうにお礼を言った。
0
あなたにおすすめの小説
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。
甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。
平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは──
学園一の美少女・黒瀬葵。
なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。
冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。
最初はただの勘違いだったはずの関係。
けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。
ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、
焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる