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Ⅱ.籠れぬ冬
彼女からの質問1
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男じゃない。男じゃない……か。
シャーロットへの返事を今日こそ書き上げるぞと姿勢はペンを持ちながら、何をぼんやり見つめているのやらピントの合わない視線で固まっている。
そして約束通りにエセルが部屋にやって来た。遠慮がちではあるが躊躇いはせずに部屋に入ってきた。
対面するよう用意した椅子に座り、書斎机の上に複数の本を広げている。
特段何でもない。分からないところを教えてやるだけだ。
「体調がすぐれませんか? 少し元気がないような」
俺が時々ぼーっとしたりするからだ。エセルが心配してこう聞いてくることもしばしばあった。
「すまん。ちょっと考え事をしていた」
「そうですか……」
エセルは安心するのではなく、うつむいて自分の指を触っていた。
その動く指を凝視していると頭の奥の奥の方から熱々の液が滲み出してくるようだ。
俺は耐えきれなくなりパッと横のランプの方に視線を避けた。
「あの。王子。実はお聞きしたいことがあるんです」
「え!? ……ああ。どのページだ?」
気を取り直そうと俺は自ら本をめくった。
だがエセルは「そうではなく、私のことで」と語尾を弱めながら言うのであった。
俺はまさかと思って手を止める。
今こそ男になれと言うのか。もうすでに早まっている心臓に問い掛け、指先は震えている。
「あ、あの……やっぱり。いや、えっと……その……」
聞きたいという事は言いにくそうであった。
エセルは口を開いたり閉じたりを繰り返すと、困った挙句にふと机の端に置いてあったワインを見つめる。
ロマナに土産だともらった品だ。酒は好きだが誰かと飲みたい性分であるから手つかずだったのだ。
そうだ。今この時に飲むのが相応しいのではないかと俺は考えた。煮詰まった空気も酒の力で和らぐのではないかと。
「飲むか? ロマナにもらった良い酒だぞ。それで少しは話しやすくなるなら」
「いいえ。結構です」
エセルはきっぱりと断った。
何か強めの意思を感じたので、気圧されながら俺はボトルをそっと机の上に戻している。
その間エセルは「あああ」とうめき声を上げながら頭を抱えこみ、小さくしぼんで机に突っ伏してしまった。
「ダメよエセル。お酒の力なんて借りてはダメ。ちゃんと自分で言わなくちゃ。自分で言わなくちゃまた悩んでしまうでしょう……!」
「だ、大丈夫か? 水を持ってこようか?」
グラスに水を入れて渡すと、エセルは勢いよく飲み干して一息ついていた。
物音の無い静かな空間でエセルの深呼吸だけが数回響き、やがて意を決したかのような時が訪れる。
「言います」
なぜか宣言のようなものをされた。
「ど、どうぞ」
エセルは真っ赤な顔をしながら息を大きく吸った。
「私が聞きたいのは私達の関係って今何なんだろうということで。誓約書は破られてしまったので婚姻も破棄されましたけど、今までのようにお城で一緒に生活をしていて、でも今までのようには会ったり話したりもなんとなくしにくい感じがして」
「それは」
「王子がす……好きだと言ってくれたのも、実は”ワインが好き”みたいな方の”好き”だったんじゃないかとか考えてしまいますし。もしかしてあの時は私だけが浮かれてしまっていたんじゃないかって思うとどんどん悪い方に考えてしまって」
「いや」
「私はシャーロット様のように華やかさも無いですし、王妃様が怒られたように教育も全然なっていませんので、もしかしたら王子はもう私のことは、あああ……ごめんなさい……」
俺が入る隙きもなく言葉を続けて言い、息切れしながらエセルもしぼんでいった。
そして謝りながらまた机の上に突っ伏して顔を隠している。
俺の方も困惑した。一気に情報が入ってきたから何の話だったか思い出せん。たしか冒頭に大事なことを言っていたはずだ。
「えーっと、お前が聞きたいのは何だって言った?」
「……関係です。私達の」
エセルはちらっと顔をのぞかせて答えた。
「関係な。関係……」
俺はエセルの視線を頬に受けながら横の窓に目をやった。
別にエセルの悩みから目を逸したいのではなくて、俺に記憶違いでもあるのかと考えているのである。
ネザリアの王を討った後、俺はエセルに何を話したのかと思い出してみた。鮮明に全てを思い出せはしないが、大事なことを伝えたのはたぶん覚えている。
「側に居て欲しいと俺はお前に言ったと思うんだが。違うか?」
「い、言いましたけど」
頬を膨らませていて不満がありそうである。
さらにエセルは続けた。
「でもそれは家来にだって同じことが言えます。王子はカイセイ様にも側に居て欲しいでしょうし、カイセイ様のことが好きでしょう?」
「はああ? 俺がお前を家来にしたくて城に連れ帰ったと言いたいのか!?」
信じられないと俺が大きな声を上げると、エセルはまた頭を抱えて小さくなった。「そうじゃないですけど。そうじゃないですけど」と言いながらジタバタしていた。
「俺がお前に言った”好き”は明らかに好意を伝える言葉だ。側に居て欲しいのもお前を使おうとかそういう考えじゃない。勝手に違った解釈をするな」
はっきりと告げるとエセルのジタバタが止まる。
「分かったら顔を上げてくれ」
頬杖をついて待ったがエセルは顔を上げなかった。
顔を隠されているので表情が見えない。まさか泣いているんじゃないだろうかと、こっちは心配しているというのに。
かといって無理やりこじ開けるのも違うだろう。
俺が手をこまねいているとエセルは顔を伏したまま静かに言葉を発した。
「……来客というのは縁談ですよね。お姫様やご令嬢の方とご結婚のお話をするんですよね?」
俺に縁談の話が来ているという噂は、研究員との会話で聞いたとエセルは言った。
俺が明日に会うのは見合い話の相手じゃない。というのは、ここでの答えにならないと思った。
「そうだ。俺への縁談だ。黙っていて悪かった」
エセルは顔を伏せたまま頷いた。
「でも俺は」
言いかけて止める。意識を部屋の外に向けて耳を澄ませた。
まだ遠いが聞き慣れた靴音がする。
「エセル。こっちに回れ。カイセイが来る」
「えっ」
エセルは顔を上げた。泣いてはいなかった。よかった。
俺の足元に潜ませて静かにするように言う。机の裏なら扉方面からは見えない。
こんな夜の時間にエセルが部屋にいると知れたら大事になる。ましてやカイセイにバレたとなると、王妃のもとへ報告がいってしまうので要注意だ。
足音はこの部屋に近づき、控えめにノックを鳴らした。
「カイセイです。夜分にすみません」
客人は特に切り詰めてもいない落ち着いた声で言った。
「なんだ。もう寝ようと思っていたんだが」
「明日の予定を一言だけ」
長居はしなさそうなので、いつもと同じように「入れ」と言う。
部屋に入るなりカイセイは、書斎机に対面して置く椅子について指摘してきた。
「お客人でも?」
「いや。座る角度を変えれば筆が進むだろうかと思ってな」
俺はもう何時間もシャーロットへの手紙の返事を悩んでいる風を装っている。実際何日もそうであったので真実であり違和感は無いはずだ。
「角度を変えても効果は無かったのですね」
カイセイにも怪しまれること無く切り抜けられて内心はホッとする。
「今日の分、渡しておきますね」
カイセイは言い、書斎机に便箋を二枚束ねてポンッと置いた。
可憐な便箋はシャーロットからのもので、俺の名が宛名に書かれている。二枚ともである。
「またか。一体何通よこすんだあいつは」
「一日二通ですよ。理由は内容に書かれていないんですか?」
まだ開いていない便箋が二通あるが、中の内容は書き方を変えただけで特に変わらない。たぶん未開封の手紙もそうだろう。
「きっと早く返事をよこせと言っているんだ。手早く殴り書きで返してやろうか」
「それはやめて下さい。友好国なのですから」
カイセイの真面目さは俺にはつまらないなと思うのである。
「それよりバル様。明日の早朝、少し出掛けませんか」
「ピクニックか?」
俺はおどけて聞くが、カイセイはそんなほんわかした行事に誘うような顔付きでは無い。
「ですね。ではまた明日に。おやすみなさい」
扉を閉めたらカイセイの足音と共に遠ざかっていった。
シャーロットへの返事を今日こそ書き上げるぞと姿勢はペンを持ちながら、何をぼんやり見つめているのやらピントの合わない視線で固まっている。
そして約束通りにエセルが部屋にやって来た。遠慮がちではあるが躊躇いはせずに部屋に入ってきた。
対面するよう用意した椅子に座り、書斎机の上に複数の本を広げている。
特段何でもない。分からないところを教えてやるだけだ。
「体調がすぐれませんか? 少し元気がないような」
俺が時々ぼーっとしたりするからだ。エセルが心配してこう聞いてくることもしばしばあった。
「すまん。ちょっと考え事をしていた」
「そうですか……」
エセルは安心するのではなく、うつむいて自分の指を触っていた。
その動く指を凝視していると頭の奥の奥の方から熱々の液が滲み出してくるようだ。
俺は耐えきれなくなりパッと横のランプの方に視線を避けた。
「あの。王子。実はお聞きしたいことがあるんです」
「え!? ……ああ。どのページだ?」
気を取り直そうと俺は自ら本をめくった。
だがエセルは「そうではなく、私のことで」と語尾を弱めながら言うのであった。
俺はまさかと思って手を止める。
今こそ男になれと言うのか。もうすでに早まっている心臓に問い掛け、指先は震えている。
「あ、あの……やっぱり。いや、えっと……その……」
聞きたいという事は言いにくそうであった。
エセルは口を開いたり閉じたりを繰り返すと、困った挙句にふと机の端に置いてあったワインを見つめる。
ロマナに土産だともらった品だ。酒は好きだが誰かと飲みたい性分であるから手つかずだったのだ。
そうだ。今この時に飲むのが相応しいのではないかと俺は考えた。煮詰まった空気も酒の力で和らぐのではないかと。
「飲むか? ロマナにもらった良い酒だぞ。それで少しは話しやすくなるなら」
「いいえ。結構です」
エセルはきっぱりと断った。
何か強めの意思を感じたので、気圧されながら俺はボトルをそっと机の上に戻している。
その間エセルは「あああ」とうめき声を上げながら頭を抱えこみ、小さくしぼんで机に突っ伏してしまった。
「ダメよエセル。お酒の力なんて借りてはダメ。ちゃんと自分で言わなくちゃ。自分で言わなくちゃまた悩んでしまうでしょう……!」
「だ、大丈夫か? 水を持ってこようか?」
グラスに水を入れて渡すと、エセルは勢いよく飲み干して一息ついていた。
物音の無い静かな空間でエセルの深呼吸だけが数回響き、やがて意を決したかのような時が訪れる。
「言います」
なぜか宣言のようなものをされた。
「ど、どうぞ」
エセルは真っ赤な顔をしながら息を大きく吸った。
「私が聞きたいのは私達の関係って今何なんだろうということで。誓約書は破られてしまったので婚姻も破棄されましたけど、今までのようにお城で一緒に生活をしていて、でも今までのようには会ったり話したりもなんとなくしにくい感じがして」
「それは」
「王子がす……好きだと言ってくれたのも、実は”ワインが好き”みたいな方の”好き”だったんじゃないかとか考えてしまいますし。もしかしてあの時は私だけが浮かれてしまっていたんじゃないかって思うとどんどん悪い方に考えてしまって」
「いや」
「私はシャーロット様のように華やかさも無いですし、王妃様が怒られたように教育も全然なっていませんので、もしかしたら王子はもう私のことは、あああ……ごめんなさい……」
俺が入る隙きもなく言葉を続けて言い、息切れしながらエセルもしぼんでいった。
そして謝りながらまた机の上に突っ伏して顔を隠している。
俺の方も困惑した。一気に情報が入ってきたから何の話だったか思い出せん。たしか冒頭に大事なことを言っていたはずだ。
「えーっと、お前が聞きたいのは何だって言った?」
「……関係です。私達の」
エセルはちらっと顔をのぞかせて答えた。
「関係な。関係……」
俺はエセルの視線を頬に受けながら横の窓に目をやった。
別にエセルの悩みから目を逸したいのではなくて、俺に記憶違いでもあるのかと考えているのである。
ネザリアの王を討った後、俺はエセルに何を話したのかと思い出してみた。鮮明に全てを思い出せはしないが、大事なことを伝えたのはたぶん覚えている。
「側に居て欲しいと俺はお前に言ったと思うんだが。違うか?」
「い、言いましたけど」
頬を膨らませていて不満がありそうである。
さらにエセルは続けた。
「でもそれは家来にだって同じことが言えます。王子はカイセイ様にも側に居て欲しいでしょうし、カイセイ様のことが好きでしょう?」
「はああ? 俺がお前を家来にしたくて城に連れ帰ったと言いたいのか!?」
信じられないと俺が大きな声を上げると、エセルはまた頭を抱えて小さくなった。「そうじゃないですけど。そうじゃないですけど」と言いながらジタバタしていた。
「俺がお前に言った”好き”は明らかに好意を伝える言葉だ。側に居て欲しいのもお前を使おうとかそういう考えじゃない。勝手に違った解釈をするな」
はっきりと告げるとエセルのジタバタが止まる。
「分かったら顔を上げてくれ」
頬杖をついて待ったがエセルは顔を上げなかった。
顔を隠されているので表情が見えない。まさか泣いているんじゃないだろうかと、こっちは心配しているというのに。
かといって無理やりこじ開けるのも違うだろう。
俺が手をこまねいているとエセルは顔を伏したまま静かに言葉を発した。
「……来客というのは縁談ですよね。お姫様やご令嬢の方とご結婚のお話をするんですよね?」
俺に縁談の話が来ているという噂は、研究員との会話で聞いたとエセルは言った。
俺が明日に会うのは見合い話の相手じゃない。というのは、ここでの答えにならないと思った。
「そうだ。俺への縁談だ。黙っていて悪かった」
エセルは顔を伏せたまま頷いた。
「でも俺は」
言いかけて止める。意識を部屋の外に向けて耳を澄ませた。
まだ遠いが聞き慣れた靴音がする。
「エセル。こっちに回れ。カイセイが来る」
「えっ」
エセルは顔を上げた。泣いてはいなかった。よかった。
俺の足元に潜ませて静かにするように言う。机の裏なら扉方面からは見えない。
こんな夜の時間にエセルが部屋にいると知れたら大事になる。ましてやカイセイにバレたとなると、王妃のもとへ報告がいってしまうので要注意だ。
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「カイセイです。夜分にすみません」
客人は特に切り詰めてもいない落ち着いた声で言った。
「なんだ。もう寝ようと思っていたんだが」
「明日の予定を一言だけ」
長居はしなさそうなので、いつもと同じように「入れ」と言う。
部屋に入るなりカイセイは、書斎机に対面して置く椅子について指摘してきた。
「お客人でも?」
「いや。座る角度を変えれば筆が進むだろうかと思ってな」
俺はもう何時間もシャーロットへの手紙の返事を悩んでいる風を装っている。実際何日もそうであったので真実であり違和感は無いはずだ。
「角度を変えても効果は無かったのですね」
カイセイにも怪しまれること無く切り抜けられて内心はホッとする。
「今日の分、渡しておきますね」
カイセイは言い、書斎机に便箋を二枚束ねてポンッと置いた。
可憐な便箋はシャーロットからのもので、俺の名が宛名に書かれている。二枚ともである。
「またか。一体何通よこすんだあいつは」
「一日二通ですよ。理由は内容に書かれていないんですか?」
まだ開いていない便箋が二通あるが、中の内容は書き方を変えただけで特に変わらない。たぶん未開封の手紙もそうだろう。
「きっと早く返事をよこせと言っているんだ。手早く殴り書きで返してやろうか」
「それはやめて下さい。友好国なのですから」
カイセイの真面目さは俺にはつまらないなと思うのである。
「それよりバル様。明日の早朝、少し出掛けませんか」
「ピクニックか?」
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