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lll.クランクビスト
変わっていく2
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太陽が傾き、夕刻になっていく頃にも祝い事は続いている。民衆への挨拶を終えて、今度は貴族らでのパーティーが行われているのだ。
そこの中へは別に入って行こうとは思わん。遠目から眺めているだけで腹がいっぱいである。
それに俺は行かなくてはならん場所があるのだ。
廊下を歩いていれば電灯が勝手に灯りを灯し始める。便利な世の中になっていくなと思いながら、俺は突き当たりの扉をゆっくりと押し開けた。
中ではすでに行事が始まっているようで重苦しい会話がされている。俺は邪魔にならぬよう静かに通路を移動して隅の席に座った。
吹き抜けになった広々とした空間は、エレンガバラが熱唱した会議を行う会場だ。
しかし今回はさすがにそんなはしゃぎっぷりは無しのようだ。
中央に九つの席が用意され、九人の代表者が話し合いをしている。それ以外の席では見学者がポツポツと座るだけで静か。
俺は午後に若干酒を嗜んだせいもあり、鼻を掻く素振りでこっそりとあくびを垂らす。
それから話し合いの席を傍観した。
トートタス大臣、シルヴァー王、アルゴブレロ王、リョヤン王、エレンガバラ代表。今、マルク王が沈黙の隙に周りの目を盗んで俺に手を振ってきた。
メルチ枠には別の大臣が代理出席だ。
ベンブルク枠にも知らない男が出席していた。レッセルは死んだと聞いたが実のところはどうだか分からん。
そして初めての出席となるテダムの姿がある。つまるところネザリア王国が九カ国に新たに追加されたのだ。
これで、カイロニア、ベンブルク、エシュ、メルチ、セルジオ、ニューリアン、パニエラ、ロンド、ネザリア。の、九カ国で揃ったというわけである。
「……」
鐘の鳴る音が遠くより聞こえた。
夢ではなくて現実から鳴っているのだと分かった時、俺は夢の中にいたのかと理解した。
慌てて顔を上げるが話し合いはまだ終盤にも差し掛かっていない。なんなら、随分前に聞いた事項をまた持ち出して秤に掛けていたりもする。
懐中時計を探るが、今日は忘れたのだと思い出した。それにこの会場には窓が無い。
「帰るか……」
そっと席を立って会場から外へ出る。別に引き止められるでも、さよならを言われるでもなく、すんなりと外へ出られた。
第何十回目かの九カ国首脳会議には居眠りだけで参加し、途中退室出来るなど、こんな身分でなければ出来ないことだ。
詳細は明日、テダムにでも聞けば良いだろう。
城の玄関には馬車が止まっている。御者は暗がりから俺が出てくることに驚かずに「どうぞ」と扉を開けてくれた。
それに乗り込もうとするタイミングで、通りすがりのメルチ兵士が俺のことに気付いて話しかけてきた。
「お疲れ様です、バル様。これからお帰りですか?」
「ああ。酒も貰ったしな」
手持ちの荷物のうち、ふた瓶入った鞄の方を持ち上げて見せた。
「エセル様もご一緒にこちらに住まれたら良いのに」
そういう会話はこの頃よくされるのだ。なので俺は快く笑って返す。
「俺は暗い場所で寝たいのだ」
「なるほど、わかりました。ではお気を付けて」
御者の合図で馬車は前へと進み始める。
車輪の下は押し固められた道が出来ているし、電灯もこの道を照らしてくれている。
そのうちに俺は馬車ではなく自動車で通うことになるだろう。どんどん快適な事になっていきそうだ。
このまま何も無い野原の道をしばらく進めば、そろそろ町が見えて来るだろうと体感で思いだす。
そこで俺は、御者に頼んで下ろしてもらうよう言った。馬車から降りると確かに目の前に町の光が見えていた。
「ありがとう。ここからは歩いて帰る。そういう気分でな」
酒は抜けているはずだが、知らぬうちに祝い気分が染み付いていたのかもしれん。外気の肌に刺さる冷たさが気持ちよく感じた。
そして、町に入れば電灯はガス灯へ変わる。
あの騒がしいメルチ城に比べものにならん地味な店の集まりである。
「花でも買って行くか」
などと意気込んでいたが、さすがにこの時間ではとっくに店など閉まっていた。酒のアテを売ってもらうにしても酒屋すら明かりが消えている。
少しがっかりとし、俺はとぼとぼ歩きながら石畳を歩いて進んだ。
だが、明かりが灯った店もある。
一軒だけ浮かぶように光が漏れ出ている。
通り道であるから覗いてみれば、いつかのインチキ石を売る店だ。
「おや、バル様。こんな時間に買い物ですか?」
店主も居たらしい。
「こんな時間に客が来るのか?」
質問を質問で返してやれば店主は胡散臭そうな引き笑いをした。
「今来ましたがな」
それで俺に、たった今磨いたばかりの石を麻布で掴んで差し出してくる。まさか俺が受け取るわけがない。店主もそれを知りながらやっているのだ。
「酒に合うアテがあるなら買って行っても良いが?」
「ううん……早う帰んなさい」
店の者が客人を追い出すということをされ、また石畳を歩き出す。
さすがに長時間歩いていると冷えてくる。そう思った時白いものが鼻先に当たった気がした。
雨だったなら最悪だったが、幸いその白いものは雪である。
「来たか……」
積もりはしない粉雪がちょろりちょろりと降ってきた。ついにまた、このクランクビストにも冬がやってくる。
寒さに震えながら雑木林の一本坂をひとりで登りきり、ようやく我が城の門に辿り着いた。
勢いで歩こうなど思わん方が吉だ。コートの中ではひどく汗をかくし、手指は寒さでかじかんで感覚が無い。
「おかえりなさいませ」
二人の見張り兵士が俺の帰宅を確認して声を揃えた。
「雪だな。順番に暖を取れよ」
それから「はい」と、鞄の中から取り出した酒瓶を一本与える。それが酒だと告げた途端に跳ね返るみたいに突き返してきた。
構わず俺は、凍傷を起こすと理由を付けて城の中に入ろうとする。
城の中は暖かい。救われる思いだ。
「バル様、おかえりなさいませ」
よく働く次女が通りすがりに礼をしてくれた。その彼女にももう一本の酒瓶を持たせた。
「二本しか無いが良い酒だ。分け合って飲むのも、隠れて飲むのも好きにしてくれ。喧嘩だけはせんように」
ああ、寒い。寒い。と手を擦り合わせながら、かじかむ手でコートのボタンを取っていく。
時間を掛けていると、また「おかえりなさい!」と明るい声で言われた。顔を上げる前から嬉しくなる声の主だ。
「ちょ、ちょっと待て」
だが今はちょうど手を掛けているボタンがもう少しで外れそうなのだ。
すると俺の赤くなった手の上から白い指がかぶさってきた。その指は軽々ボタンを外していける暖かい手なのだ。
コートを脱ぐのを手伝ってもらえると、やっと目の前にいるエセルを眺めることができる。
だらりと下ろした髪に、シンプルなワンピース姿はいつものこと。ニコニコと笑っていて可愛いが、歩いて帰ってきた都度を話すと一転した。
「やめてください! 死んじゃいますからね!?」
彼女もこの土地の冬をもう二度過ごしている。だから説得力が違った。
「すまん。冬はちゃんとここまで送ってもらう」
「そうしてください。心配するので」
プクッと膨らませた頬で、怒っているんだぞと表現してくる。正直全然怖くは無いが、俺も謝罪の意思を伝えるために少し頭を下げていた。
そんな俺の頬が温かいものに包まれる。
どうやらエセルの両手に顔を持ち上げられた。
「手のひらが暖かい……」と、俺が言う。
「頬が冷たい!」と、エセルが言った。それが同時であり、エセルが笑っている。
そんな些細な事が俺の幸せだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
かつて隠居国と言ったり秘境国と言われたりした。そんな国は、また小さな町として暮らしを保っている。
しかし新しい冬を越えて春がやって来れば先はどうなるか分からん。
数奇な出来事のはずみから、思いがけず大きく変わっていくのかもしれない。
(((これにて完全完結です。
(((今まで読んでいただきありがとうございました。本当に感謝です!!
(((リュンヒン王子と婚約者セシリア姫の
(((スピンオフ短編小説もございます。
(((ご興味がありましたら、
(((下部作者マイページからご覧下さい。
(((全4部/短編小説/完結済み
そこの中へは別に入って行こうとは思わん。遠目から眺めているだけで腹がいっぱいである。
それに俺は行かなくてはならん場所があるのだ。
廊下を歩いていれば電灯が勝手に灯りを灯し始める。便利な世の中になっていくなと思いながら、俺は突き当たりの扉をゆっくりと押し開けた。
中ではすでに行事が始まっているようで重苦しい会話がされている。俺は邪魔にならぬよう静かに通路を移動して隅の席に座った。
吹き抜けになった広々とした空間は、エレンガバラが熱唱した会議を行う会場だ。
しかし今回はさすがにそんなはしゃぎっぷりは無しのようだ。
中央に九つの席が用意され、九人の代表者が話し合いをしている。それ以外の席では見学者がポツポツと座るだけで静か。
俺は午後に若干酒を嗜んだせいもあり、鼻を掻く素振りでこっそりとあくびを垂らす。
それから話し合いの席を傍観した。
トートタス大臣、シルヴァー王、アルゴブレロ王、リョヤン王、エレンガバラ代表。今、マルク王が沈黙の隙に周りの目を盗んで俺に手を振ってきた。
メルチ枠には別の大臣が代理出席だ。
ベンブルク枠にも知らない男が出席していた。レッセルは死んだと聞いたが実のところはどうだか分からん。
そして初めての出席となるテダムの姿がある。つまるところネザリア王国が九カ国に新たに追加されたのだ。
これで、カイロニア、ベンブルク、エシュ、メルチ、セルジオ、ニューリアン、パニエラ、ロンド、ネザリア。の、九カ国で揃ったというわけである。
「……」
鐘の鳴る音が遠くより聞こえた。
夢ではなくて現実から鳴っているのだと分かった時、俺は夢の中にいたのかと理解した。
慌てて顔を上げるが話し合いはまだ終盤にも差し掛かっていない。なんなら、随分前に聞いた事項をまた持ち出して秤に掛けていたりもする。
懐中時計を探るが、今日は忘れたのだと思い出した。それにこの会場には窓が無い。
「帰るか……」
そっと席を立って会場から外へ出る。別に引き止められるでも、さよならを言われるでもなく、すんなりと外へ出られた。
第何十回目かの九カ国首脳会議には居眠りだけで参加し、途中退室出来るなど、こんな身分でなければ出来ないことだ。
詳細は明日、テダムにでも聞けば良いだろう。
城の玄関には馬車が止まっている。御者は暗がりから俺が出てくることに驚かずに「どうぞ」と扉を開けてくれた。
それに乗り込もうとするタイミングで、通りすがりのメルチ兵士が俺のことに気付いて話しかけてきた。
「お疲れ様です、バル様。これからお帰りですか?」
「ああ。酒も貰ったしな」
手持ちの荷物のうち、ふた瓶入った鞄の方を持ち上げて見せた。
「エセル様もご一緒にこちらに住まれたら良いのに」
そういう会話はこの頃よくされるのだ。なので俺は快く笑って返す。
「俺は暗い場所で寝たいのだ」
「なるほど、わかりました。ではお気を付けて」
御者の合図で馬車は前へと進み始める。
車輪の下は押し固められた道が出来ているし、電灯もこの道を照らしてくれている。
そのうちに俺は馬車ではなく自動車で通うことになるだろう。どんどん快適な事になっていきそうだ。
このまま何も無い野原の道をしばらく進めば、そろそろ町が見えて来るだろうと体感で思いだす。
そこで俺は、御者に頼んで下ろしてもらうよう言った。馬車から降りると確かに目の前に町の光が見えていた。
「ありがとう。ここからは歩いて帰る。そういう気分でな」
酒は抜けているはずだが、知らぬうちに祝い気分が染み付いていたのかもしれん。外気の肌に刺さる冷たさが気持ちよく感じた。
そして、町に入れば電灯はガス灯へ変わる。
あの騒がしいメルチ城に比べものにならん地味な店の集まりである。
「花でも買って行くか」
などと意気込んでいたが、さすがにこの時間ではとっくに店など閉まっていた。酒のアテを売ってもらうにしても酒屋すら明かりが消えている。
少しがっかりとし、俺はとぼとぼ歩きながら石畳を歩いて進んだ。
だが、明かりが灯った店もある。
一軒だけ浮かぶように光が漏れ出ている。
通り道であるから覗いてみれば、いつかのインチキ石を売る店だ。
「おや、バル様。こんな時間に買い物ですか?」
店主も居たらしい。
「こんな時間に客が来るのか?」
質問を質問で返してやれば店主は胡散臭そうな引き笑いをした。
「今来ましたがな」
それで俺に、たった今磨いたばかりの石を麻布で掴んで差し出してくる。まさか俺が受け取るわけがない。店主もそれを知りながらやっているのだ。
「酒に合うアテがあるなら買って行っても良いが?」
「ううん……早う帰んなさい」
店の者が客人を追い出すということをされ、また石畳を歩き出す。
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雨だったなら最悪だったが、幸いその白いものは雪である。
「来たか……」
積もりはしない粉雪がちょろりちょろりと降ってきた。ついにまた、このクランクビストにも冬がやってくる。
寒さに震えながら雑木林の一本坂をひとりで登りきり、ようやく我が城の門に辿り着いた。
勢いで歩こうなど思わん方が吉だ。コートの中ではひどく汗をかくし、手指は寒さでかじかんで感覚が無い。
「おかえりなさいませ」
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それから「はい」と、鞄の中から取り出した酒瓶を一本与える。それが酒だと告げた途端に跳ね返るみたいに突き返してきた。
構わず俺は、凍傷を起こすと理由を付けて城の中に入ろうとする。
城の中は暖かい。救われる思いだ。
「バル様、おかえりなさいませ」
よく働く次女が通りすがりに礼をしてくれた。その彼女にももう一本の酒瓶を持たせた。
「二本しか無いが良い酒だ。分け合って飲むのも、隠れて飲むのも好きにしてくれ。喧嘩だけはせんように」
ああ、寒い。寒い。と手を擦り合わせながら、かじかむ手でコートのボタンを取っていく。
時間を掛けていると、また「おかえりなさい!」と明るい声で言われた。顔を上げる前から嬉しくなる声の主だ。
「ちょ、ちょっと待て」
だが今はちょうど手を掛けているボタンがもう少しで外れそうなのだ。
すると俺の赤くなった手の上から白い指がかぶさってきた。その指は軽々ボタンを外していける暖かい手なのだ。
コートを脱ぐのを手伝ってもらえると、やっと目の前にいるエセルを眺めることができる。
だらりと下ろした髪に、シンプルなワンピース姿はいつものこと。ニコニコと笑っていて可愛いが、歩いて帰ってきた都度を話すと一転した。
「やめてください! 死んじゃいますからね!?」
彼女もこの土地の冬をもう二度過ごしている。だから説得力が違った。
「すまん。冬はちゃんとここまで送ってもらう」
「そうしてください。心配するので」
プクッと膨らませた頬で、怒っているんだぞと表現してくる。正直全然怖くは無いが、俺も謝罪の意思を伝えるために少し頭を下げていた。
そんな俺の頬が温かいものに包まれる。
どうやらエセルの両手に顔を持ち上げられた。
「手のひらが暖かい……」と、俺が言う。
「頬が冷たい!」と、エセルが言った。それが同時であり、エセルが笑っている。
そんな些細な事が俺の幸せだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
かつて隠居国と言ったり秘境国と言われたりした。そんな国は、また小さな町として暮らしを保っている。
しかし新しい冬を越えて春がやって来れば先はどうなるか分からん。
数奇な出来事のはずみから、思いがけず大きく変わっていくのかもしれない。
(((これにて完全完結です。
(((今まで読んでいただきありがとうございました。本当に感謝です!!
(((リュンヒン王子と婚約者セシリア姫の
(((スピンオフ短編小説もございます。
(((ご興味がありましたら、
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(((全4部/短編小説/完結済み
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