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第5章 幻の大地 編
第127話 登山家
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ファヌス大森林における『命なき者』にまつわる事件を解決し、森の民を救ったレイヴンは、イグナシア王国に戻ると、改めて仲間全員を自身の店舗兼住居に迎え入れた。
カーリィ、メラ、アンナ、モアナ、そしてライ。
旅を重ねるごとに仲間が増え、同居する人数は今や弟クロウと暮らしていた頃の三倍以上となる、6人と1羽にまで増えていた。
居住スペースに人が増えた分、店舗としての役割は縮小している。
それでも問題がないのは、もう一店舗が大繁盛しているおかげだ。
今では、支店扱いであった冒険者ギルド内のソフィアの低利貸屋がフル稼働し、冒険者たちはこぞって彼女の麗しい顔を拝みに行く。
人気の理由は、彼女の美貌だけではない。本店店主であるレイヴンがエウベ大陸を東へ西へ所狭しと動き回っているせいだった。
せっかく来店しても肝心の店が閉まっているのでは、無駄足になってしまう。
冒険者にとっても時間は大切だ。金を借りる目的を達成することを優先的に考えるのは、当然の結果といえる。
もっとも、元々売り上げを目的として開いた店ではないため、客の出入りを気にしたことはなかったが・・・
たまに王都ロドスに帰っても誰も訪れてくれないのでは、いささか寂しいものがある。
本日も来客は一人もおらず、閑古鳥が鳴いていた。
そんな店内に、久しぶりに鈴の音が鳴り響く。それは店の扉が開いたことを示す音だった。
「やっと来たか。・・・ランドの奴、あたりかな」
今回ばかりは少々審査を甘くしてやろうなどと考えながら、レイヴンはやって来た客を迎える。
「いらっしゃい。・・・初めて見るね」
馴染みの客だと思い込んでいたため、見慣れない髭面の男に一瞬面食らうが、すぐに商売人の顔に戻った。
見たところ三十代の働き盛りといった男だが、一度も見たことのない新顔である。
まさか新人とは思えず、他の国を拠点に活動している冒険者だろうと推測した。
それにしても気になるのは、その男の装備である。
体格がよく物理攻撃に長けていると思われ、戦鎚や戦棍が似合いそうなものだが、持っているのは意外にも短剣のみなのだ。
彼の戦闘スタイルが想像できない。
ともあれ、話を聞いてみなければ、どのようなクエストを受注し、どの程度資金が必要なのか分からなかった。
レイヴンは用件を尋ねる。
「それで、今日はどんな依頼を受けて来たんだい?」
「・・・あんたに頼みがあって、やって来た」
低利貸屋に来る客は、当然、皆レイヴンに金を借りるのを目的としている。
頼み事ありきの訪問であり、そんなことは百も承知だ。
問題は、”どれほどの頼み事”か、である。
「そいつは分かっている。それで、いくら必要なんだ?それに、クエスト内容も教えてほしいんだが」
「いや、金はいいんだ」
金貸しを訪ねておいて不思議なことを言い出す。
その他の頼み事など、レイヴンには皆目見当がつかない。
「店を間違えていないよな?金貸し以外、うちはやっていないぜ」
「それは分かっているが・・・あんたにしか頼めないことなんだ」
ますます分からなくなった。
正直、初対面の男にレイヴンがしてやれることなど、思いつくわけがない。
とにかく話を聞く以外、ないようだ。
黒髪緋眼の青年は、黙って髭面の男が話し始めるのを待つ。
「・・・レイヴンさん、あんた『クルンシャン』に行くつもりだろ?実は、俺もあの山に連れて行ってほしいんだ」
「!」
詳しい説明を受けている中、彼はニムル・フレッグと名乗る。
冒険者といってもダンジョンに潜るのではなく、登山をメインに活動する本当の意味での『冒険』をする、少々変わった男のようだ。
そのニムルがどこで聞きつけたのか、レイヴンが霊峰『クルンシャン』に挑むと聞き、登山家としての血が騒いだのだという。
どうしても一緒に連れて行ってほしいと頼み込んできたのだ。
「言っておくが、俺は登山を楽しむわけじゃない。詳しいことは分からないが、おそらくトンネルか何かを突き進むだけだぜ」
「それでも構わない。目的地はあの『エレドール』なんだろ?現代人にとって未踏とも言われる地に、俺も足を踏み入れてみたいんだ」
人類未踏とは、かなり言い過ぎである。すでに『狂った科学者』ニコラ・コーン博士が『エレドール』で待ち構えているのだ。
それに先住民である大地の民もいるはず。
ただし、それらを差し引いても『エレドール』が魅力的な地だということは、十分理解できた。
エウベ大陸のほとんどの人間が、「幻の大地」や「桃源郷」とまで思い込んでいる場所なのである。
実はレイヴン自身も、半月後に迫った旅に興奮しているのだった。
「話は分かったよ。仲間の皆と相談してから、返事をする」
「よろしくお願いする。俺は冒険者ギルドの中にある宿に宿泊している。何かあったらギルドに連絡を入れてくれ」
そう言い残して、ニムルは店を後にする。
その大きな背中をじっと見つめるが、吟味した結果、怪しい人物ではないとレイヴンは判断していた。
弟も同意見のようで、まずは安心だろう。クロウの人を見る目には、信頼を寄せていた。
「悪い人じゃないのは間違いないよ。・・・ただ、目的が他にもあるかもしれないけどね」
それには同意見だ。レイヴンのことをどこまで調べて訪れてきたのかは分からないが、まさかニムルも精霊の秘宝を狙っているとは思えない。
それでいて、同行を頼み込んできたとしたら、大した胆力だ。
もしかしたら、彼が『梟』のメンバーという線も頭をよぎるが、すぐに「違う」と判断する。
レイヴンは、これまで何度か『梟』に所属する者に会い、実際に戦ってきた。
その経験から、あのメンバー独特の雰囲気のようなものを感じ取ることができたが、あの髭面の登山家からは、そういうものを一切感じない。
同行者として迎え入れても、背後から狙われる心配はないと言い切れそうだ。
それに冒険者ギルドの宿に厄介になっているということは、すでに審査も受けているということである。
ギルドが彼の身分を保証するのであれば、これに勝る信用はない。
レイヴンは、ギルドマスターのグリュムか受付嬢のエイミに確認すると決めた。
今晩、仲間に相談するとともに、明日にでも冒険者ギルドに顔を出そうと考える。
ついでにニムルに会って、詳しい話が聞ければ、さらに上出来だ。
仮に同行するとした場合、人数が増えることになる。あの馬車だけでは、移動手段が足りなくなるのは明白だ。
ニムルは馬に乗れるのか?もしくは御者ができるというのが一番望ましいのだが、さて、彼は何と答えるだろうか。
今日は、もう来客の気配はまったくない。
それならば、『幻の大地エレドール』に向けた最終準備に取り掛かることにした。
久しぶりの王都でのんびりと休暇を楽しんだが、そろそろ頃合いだろう。
レイヴンはラゴス王への挨拶も含め、今後のスケジュールを考えるのだった。
カーリィ、メラ、アンナ、モアナ、そしてライ。
旅を重ねるごとに仲間が増え、同居する人数は今や弟クロウと暮らしていた頃の三倍以上となる、6人と1羽にまで増えていた。
居住スペースに人が増えた分、店舗としての役割は縮小している。
それでも問題がないのは、もう一店舗が大繁盛しているおかげだ。
今では、支店扱いであった冒険者ギルド内のソフィアの低利貸屋がフル稼働し、冒険者たちはこぞって彼女の麗しい顔を拝みに行く。
人気の理由は、彼女の美貌だけではない。本店店主であるレイヴンがエウベ大陸を東へ西へ所狭しと動き回っているせいだった。
せっかく来店しても肝心の店が閉まっているのでは、無駄足になってしまう。
冒険者にとっても時間は大切だ。金を借りる目的を達成することを優先的に考えるのは、当然の結果といえる。
もっとも、元々売り上げを目的として開いた店ではないため、客の出入りを気にしたことはなかったが・・・
たまに王都ロドスに帰っても誰も訪れてくれないのでは、いささか寂しいものがある。
本日も来客は一人もおらず、閑古鳥が鳴いていた。
そんな店内に、久しぶりに鈴の音が鳴り響く。それは店の扉が開いたことを示す音だった。
「やっと来たか。・・・ランドの奴、あたりかな」
今回ばかりは少々審査を甘くしてやろうなどと考えながら、レイヴンはやって来た客を迎える。
「いらっしゃい。・・・初めて見るね」
馴染みの客だと思い込んでいたため、見慣れない髭面の男に一瞬面食らうが、すぐに商売人の顔に戻った。
見たところ三十代の働き盛りといった男だが、一度も見たことのない新顔である。
まさか新人とは思えず、他の国を拠点に活動している冒険者だろうと推測した。
それにしても気になるのは、その男の装備である。
体格がよく物理攻撃に長けていると思われ、戦鎚や戦棍が似合いそうなものだが、持っているのは意外にも短剣のみなのだ。
彼の戦闘スタイルが想像できない。
ともあれ、話を聞いてみなければ、どのようなクエストを受注し、どの程度資金が必要なのか分からなかった。
レイヴンは用件を尋ねる。
「それで、今日はどんな依頼を受けて来たんだい?」
「・・・あんたに頼みがあって、やって来た」
低利貸屋に来る客は、当然、皆レイヴンに金を借りるのを目的としている。
頼み事ありきの訪問であり、そんなことは百も承知だ。
問題は、”どれほどの頼み事”か、である。
「そいつは分かっている。それで、いくら必要なんだ?それに、クエスト内容も教えてほしいんだが」
「いや、金はいいんだ」
金貸しを訪ねておいて不思議なことを言い出す。
その他の頼み事など、レイヴンには皆目見当がつかない。
「店を間違えていないよな?金貸し以外、うちはやっていないぜ」
「それは分かっているが・・・あんたにしか頼めないことなんだ」
ますます分からなくなった。
正直、初対面の男にレイヴンがしてやれることなど、思いつくわけがない。
とにかく話を聞く以外、ないようだ。
黒髪緋眼の青年は、黙って髭面の男が話し始めるのを待つ。
「・・・レイヴンさん、あんた『クルンシャン』に行くつもりだろ?実は、俺もあの山に連れて行ってほしいんだ」
「!」
詳しい説明を受けている中、彼はニムル・フレッグと名乗る。
冒険者といってもダンジョンに潜るのではなく、登山をメインに活動する本当の意味での『冒険』をする、少々変わった男のようだ。
そのニムルがどこで聞きつけたのか、レイヴンが霊峰『クルンシャン』に挑むと聞き、登山家としての血が騒いだのだという。
どうしても一緒に連れて行ってほしいと頼み込んできたのだ。
「言っておくが、俺は登山を楽しむわけじゃない。詳しいことは分からないが、おそらくトンネルか何かを突き進むだけだぜ」
「それでも構わない。目的地はあの『エレドール』なんだろ?現代人にとって未踏とも言われる地に、俺も足を踏み入れてみたいんだ」
人類未踏とは、かなり言い過ぎである。すでに『狂った科学者』ニコラ・コーン博士が『エレドール』で待ち構えているのだ。
それに先住民である大地の民もいるはず。
ただし、それらを差し引いても『エレドール』が魅力的な地だということは、十分理解できた。
エウベ大陸のほとんどの人間が、「幻の大地」や「桃源郷」とまで思い込んでいる場所なのである。
実はレイヴン自身も、半月後に迫った旅に興奮しているのだった。
「話は分かったよ。仲間の皆と相談してから、返事をする」
「よろしくお願いする。俺は冒険者ギルドの中にある宿に宿泊している。何かあったらギルドに連絡を入れてくれ」
そう言い残して、ニムルは店を後にする。
その大きな背中をじっと見つめるが、吟味した結果、怪しい人物ではないとレイヴンは判断していた。
弟も同意見のようで、まずは安心だろう。クロウの人を見る目には、信頼を寄せていた。
「悪い人じゃないのは間違いないよ。・・・ただ、目的が他にもあるかもしれないけどね」
それには同意見だ。レイヴンのことをどこまで調べて訪れてきたのかは分からないが、まさかニムルも精霊の秘宝を狙っているとは思えない。
それでいて、同行を頼み込んできたとしたら、大した胆力だ。
もしかしたら、彼が『梟』のメンバーという線も頭をよぎるが、すぐに「違う」と判断する。
レイヴンは、これまで何度か『梟』に所属する者に会い、実際に戦ってきた。
その経験から、あのメンバー独特の雰囲気のようなものを感じ取ることができたが、あの髭面の登山家からは、そういうものを一切感じない。
同行者として迎え入れても、背後から狙われる心配はないと言い切れそうだ。
それに冒険者ギルドの宿に厄介になっているということは、すでに審査も受けているということである。
ギルドが彼の身分を保証するのであれば、これに勝る信用はない。
レイヴンは、ギルドマスターのグリュムか受付嬢のエイミに確認すると決めた。
今晩、仲間に相談するとともに、明日にでも冒険者ギルドに顔を出そうと考える。
ついでにニムルに会って、詳しい話が聞ければ、さらに上出来だ。
仮に同行するとした場合、人数が増えることになる。あの馬車だけでは、移動手段が足りなくなるのは明白だ。
ニムルは馬に乗れるのか?もしくは御者ができるというのが一番望ましいのだが、さて、彼は何と答えるだろうか。
今日は、もう来客の気配はまったくない。
それならば、『幻の大地エレドール』に向けた最終準備に取り掛かることにした。
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