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めい

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第一章 千代

遅く起きた朝は

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「はぁ~、よく寝た!」

伸びをしながら、思わず声が出た。

時計を見ると10時過ぎたとこ………
昨日寝たのも10時過ぎだから、
うわっ!!12時間も寝てたんだ!!

あー、久しぶりに長時間寝たなぁ。

携帯を手に下に降りていくと、
ダイニングのテーブルの上には

『東邦総合病院に行ってくる。
お昼は外で食べてくるから、
自分で食べてね。
父、母』

メモがあった。
父の頭のモヤモヤ。
信じて病院に行ってくれたんだ。

何ともなければ良いけど、
私の訳のわからない言葉を信じてくれたのが嬉しい。

大樹も部活に行ったのかな??

携帯の電源を入れて、
ライン通知は無視してスケジュールを確認する。

父と母は、病院。になってて
大樹は………
TRM 18時帰宅になってる。

あー、練習試合かぁ
場所は……書いてない。
去年、大樹が小学校のチームにいる時は、よく母と応援にいったなぁー。
中学になった途端、付き添いや応援がなくなって寂しい。

『ばふ』

鳴き声がして、下を向くとハイジが足元まで来てた。
朝の散歩は大樹が担当。
大樹の部屋で寝て、ハイジの散歩と朝ごはん、水の用意をしてくれる。
なんだかんだ反抗期に入っているが、しっかりとハイジの面倒は見てくれる。優しい子。 
散歩もご飯も貰って、ご機嫌のハイジもかわいい。

「ハイジ、ちょっと待ってて」 

キッチンに行き、自分のご飯を用意する。

チーズトーストにはちみつをかけたもの。
プレーンのヨーグルトには、母特製の梅ジャム。
それに牛乳たっぷりのアイスオレ。

ハイジを撫でながらリビングで食べる。

さて今日は、午前中にジムに行って。
一度帰ってから、買い物と美容院だな。

美容院のホームページを確認して15時にカットの予約を入れた。
ここ1、2年行っていた所とは別の店。
ネットの評判を見て、雰囲気が良さそうなお店にしてみた。
今日その時間だけ空いてたので、すぐに予約。
指名料金が、上から2番目の女性。上手だと良いなぁ。



食事を片付けて、自転車でジムに向かう。
ここのジムは、まだ出来て1年ちょっと。
ちょうど高校入学の時にオープンしたので、すぐに入ることにした。
お風呂やプールもなく、スタジオプログラムの予約も全てネットで行うので、若い人が多い。
一人で来て、運動して、帰る。って人ばかりなので、変に話しかけられたりとかしないのが気に入っている。

軽いランニングを30分と。予約しておいたTRX45分のクラスを受けて終了。

シャワーを浴び、帰宅する。

運動後の軽い疲労感が気持ちよい。

ジムで使ったウェアを洗濯機に入れて、家族のバスタオルや母が洗い残した洗濯物を入れて洗濯する。

洗濯が出来上がるまでにお昼を食べちゃおっと。

今日は、ブッカケうどん。
戻したワカメと天かすに大葉を刻んで、
冷凍の切ってあるオクラをうどんと一緒に茹でる。

うん。美味しい!!

昼はハイジを庭で遊ばせながらウッドデッキで食べる。



あえて、見ないようにしてた。携帯を確認する。

父と母が心配だったが、行った場所が病院だし携帯は使えないから、何かあれば電話がかかってくるだろう。


LINE。

いくつかのグループLINEにはメッセージが沢山入ってる。
不思議だな。昨日までは、義務のようにコメントしたりスタンプを送っていたけど、
今、返す気力はない。
読むのすら面倒。


塚本先輩からは
めずらしく朝、通話が入ってた。
いつも私から『おはよう』のstampを送っているのだが、今日は何もしていない。
通話キャンセルの後、
『おはよう。寝坊か?』
のコメント。
まぁ、寝坊はした。だから、何??

悠里ちゃんからも入ってる。

あー。ダメだ。
見るの止めよう。


そう思い、携帯を置こうとすると、
母からLINEがきた。

『病院で、念のためにCTを撮ったから、少し遅くなるかも。
夕食には帰れると思うけど、時間がわからないからこっちの分は用意しなくてよいよ。大樹と2人で外食でも出前でもしといて』

えっ??
そんなに悪いの???

『大丈夫?』のstampを送ると

すぐに電話がかかってきた。

『もしもし。千代?
ごめん。言葉が足りなかった』 

母の元気な声だ。

『うん。お父さん、大丈夫なの??』

『あー。ごめん。心配させたね。
お父さんのいつものやつで、すぐに検査してもらいたいから、
昨日の夜にバッドで殴られたくらいの痛みがあった。とか、言ったんだよね。
だから、CTをすぐに用意してくれて、今は結果待ち。たぶんそこまで遅くはならないとは思うんだ。』

お母さんの明るい声で、少し安心できる。

『すぐにどうにかしなきゃいけなければ、もう呼ばれてるはずだし。
検査後に待たされてる。って事は緊急性がない。って事か、病気が見つからない。って事だから大丈夫だよ。
千代に言われなければ、病院にすら来てなかったんだから。安心してね
お父さんなんて、病院の食堂やカフェは嫌だからって、外のレストラン見に行ってるんだよ』

お父さん………
あいかわらずだわ。

『ありがとう。でも、夕食は待ってるよ。私もこれから美容院とか行ってこようと思ってるし』

みんなで夕食は食べたい。

『じゃ、ご飯だけ炊いといて。おかずは買って帰る。気をつけて出掛けてきてね』

『はーい。じゃ、お母さんもお父さんと気をつけて帰ってきてね』

『了解。じゃぁね』

電話が切れた。
お母さんが、あぁ言ってるし大丈夫でしょ。
考えてもしょうがない事は、考えない。
とりあえず洗濯物を干して、美容院に行ってこようと!!

「ハイジ、終わりだよー。足吹いてあげるからおいで。」

呼び掛けると、デッキの階段まで戻ってくる。
短い尻尾を一所懸命に振ってる。

あー、・・・癒される。











  





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