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第二章 リリアーヌ
再出発
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「さぁ、行きましょう」
母様に手を差し出された。
お父様の王都での葬式も終わり、
女に相続権のないこの国を出ていく事に決めた。
侯爵の地位は、なぜか私の元婚約者が継ぐことが決定している。
理不尽な襲名は、王の独断で決められ、
さらに地位も領地も屋敷も取り上げ母に、
「娘を連れて王宮へ戻れ。」と、命じた。
母は、王の妹であるが、すでに降嫁した身。
未亡人になったからと言って、全てを取り上げ王宮に戻らせるなど、ありえない命令だった。
「はい。お母様」
私は母の手を取ると、転移で領地の屋敷にとんだ。
「お待ちしておりました。」
王都にあるタウンハウス、領地のマナーハウス両屋敷で働く古参の使用人たちが勢揃いしている。
彼らも一緒に隣国に行く。
本当は父様も一緒に行くはずだった。
そのために準備に1年をかけた。
隣国の田舎町に購入した土地と屋敷。
婚約破棄を言い渡された時から、
密かに亡命の準備を始めた。
その無理もたたったのだろうか、
父様が冬の寒い日、帰宅してすぐ倒れ、
そのまま目を覚まさなかった。
婚約は、王命。
婚約破棄は、王子命令。
もう、知らない。
この国なんてどうなっても………
母様に手を差し出された。
お父様の王都での葬式も終わり、
女に相続権のないこの国を出ていく事に決めた。
侯爵の地位は、なぜか私の元婚約者が継ぐことが決定している。
理不尽な襲名は、王の独断で決められ、
さらに地位も領地も屋敷も取り上げ母に、
「娘を連れて王宮へ戻れ。」と、命じた。
母は、王の妹であるが、すでに降嫁した身。
未亡人になったからと言って、全てを取り上げ王宮に戻らせるなど、ありえない命令だった。
「はい。お母様」
私は母の手を取ると、転移で領地の屋敷にとんだ。
「お待ちしておりました。」
王都にあるタウンハウス、領地のマナーハウス両屋敷で働く古参の使用人たちが勢揃いしている。
彼らも一緒に隣国に行く。
本当は父様も一緒に行くはずだった。
そのために準備に1年をかけた。
隣国の田舎町に購入した土地と屋敷。
婚約破棄を言い渡された時から、
密かに亡命の準備を始めた。
その無理もたたったのだろうか、
父様が冬の寒い日、帰宅してすぐ倒れ、
そのまま目を覚まさなかった。
婚約は、王命。
婚約破棄は、王子命令。
もう、知らない。
この国なんてどうなっても………
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