箱入りの魔法使い

しゅん

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ジュリ

何回も

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リッカ達と離れてまだそんなに時間は経っていない。

彼らの助けが来るのはほとんど無いと考えた方がいいだろう。

私が一人でコイツを、イチバンを止めなきゃならない。

でも勝てる?イチバンは私が勝てないリッカをいとも簡単に倒していた。

手の震えが止まらない。この細い剣でさえ、イチバンの体には刺さらないだろう。

いや、やるんだ。ちょっかいでもいい。止めないと。

「おせぇんだよ」

イチバンは私の懐に入り、腹を殴ってきた。

「悪いな、質も大事だが、量も大事にするんだ俺は」

「ま、待って...!」

私は立ち上がる。

「寝てた方が良かったなぁ」

イチバンは難民の一人を捕まえて私の方に思い切りぶん投げてきた。

私はそれを安全に止めた。難民に怪我が出来ないよう。

「あぁ?早く死んどけよ」

私はイチバンに立ち向かう。

イチバンは固有魔法で風を手に纏う。

つむじ風、近づけば大量の切り傷擦り傷ができる。

それで殴られるのだ、きっと死ぬ。

イチバンは今度は目の前に飛んできた。
また腹を殴ろうとしてきたが今度は腕で止めたが、吹き飛ばされた。

「お前、ウザイな」

私は立つ。

腕には大量の傷。骨も折れている。

時間を稼ぐんだ、みんなが逃げる。
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