箱入りの魔法使い

しゅん

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適応者

暇人類

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この甲冑と剣はまさに至高のもの。

メソッドが最初から持っていたなまくらではビクともしない。

やるなら本体だ。

「そう来ると思ったよ、青年」

ベストリアは新たに出てきた騎士の方に乗っている。

騎士と言ってもガタイは象みたいだし、やけに腹が出ている。

「固有魔法か」

「そうだ、幾星霜雑兵エターナイト。俺はそう読んでる。今まだ生きているのは俺の情けだぜ?出そうと思えば、ここで戦争を起こすことだってできる」

「なぜフランケンシュタインを狙う。金目当てか?お前のような役職の人間がそんなもので動くとはな」

メソッドは騎士と鍔迫り合いをしながら言った。

「金ねぇ、半分そうだがもう半分は確かめに来たんだ」

「確かめる?何を」

「そいつは言えねぇ、ま、興味みたいなもんだ」

興味本位でフランケンシュタインを、人一人の人生を歪めるとは、外道めが。

「チッ、ここまで来てお預けとは」

ベストリアは耳に手を当てて騎士達を退かせた。

「悪いな、急用だ。青年、名はなんという」

「...メソッドだ」

「また会いに行くとしよう、それまで死ぬんじゃないぞ」

そしてベストリアは消えていった。

「なんだったんだ...」


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