【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか

文字の大きさ
37 / 69
第三章 三者同盟と忍び寄る悪意

37話 緊急事態発生

しおりを挟む
⸺⸺ある日の午後。幹部メンバーがガーネットのお屋敷で休憩しつつ情報共有をしていた時のことだった。

「フィル団長! ガーネット騎士団のフィル団長はいらっしゃいますか!?」
 お屋敷に突如駆け込んでくる一人の男。
「ど、どうしたの? 僕がフィルだよ?」
 玄関までお出迎えにいくと、その男は“ペリドット騎士団”の制服を着ていた。
 あれ、もしかしてアマツ山道の整備が始まるのかな? いや、彼の焦りようはそんな呑気なものじゃなさそうだ。

「あぁ、フィル団長、良かった……! 私はペリドット騎士団の伝令の者です。急ぎ、ガーネット騎士団へ応援の要請です!」
 その声を聞きつけて幹部のみんなも続々と玄関へ集まる。
「応援とは、何かあったのかの?」
 と、スズラン。
「はい、アカツキの国との国境のアマツ山からまるで噴火のように突如大量の魔障が噴き出し、大量の魔物がアマツ京とペリドットの町へと押し寄せています!」
「何だって!?」
 と、僕たちは一斉に声を上げる。アマツ山から魔障の噴火!? 一体全体どうしてそんなことに……。
 その時僕の脳裏に“人為的”という言葉がよぎった。
「以前にフィル団長がアカツキの国の火の神様の暴走を一人で鎮圧されたと聞き、ペリドット団長の命でこうして応援の要請に参りました!」

 今は、ここであれこれ考えても仕方がない。とにかく応援に駆け付けて自分の目で状況を確認しなくては。
「分かった。すぐに応援に向かおう。部隊が編成でき次第ペリドットの町へと向かう。お兄さんはこの事をペリドット卿に伝えて」
「ありがとうございます! すぐに伝えに戻らせていただきます!」
 ペリドット騎士団の伝令は、慌ててお屋敷を飛び出していった。

 さて、部隊編成をどうするか。全員で向こうにいってしまってお母様だけにするのは、このガーネット領内でもそういった緊急事態が発生したときに対処がしきれない。
 しかし、ペリドット騎士団の大軍でも対処できないということは、広範囲にバンバン攻撃できる人材を連れていかないときっと話にならない。

 つまり……。
 僕は団長らしく、ちゃんと名前で呼んでみる。
「ペリドットへ行くメンバーは幹部のグレン、レベッカ、スズラン、フウガ、ライカ。そして伝令役で補佐団員に一人来てもらいたい。残りの団員はおかーさまを指揮官として、領内の見回りを強化してほしい」
「了解!」
 と、幹部メンバー。お母様も「承知しました。すぐに補佐団員の確保と戦闘員の編成をして参ります」と言って、お屋敷から出ていった。

 お母様が連れてきてくれた補佐団員の“ボブ”を伝令役に迎え、それぞれ馬に乗ってペリドットの町を目指した。

⸺⸺

 向こうにアマツ山が見えてくると、ペリドット騎士団の伝令が言っていた通り、アマツ山のあちこちから黒い煙がモクモクと立ち上っていた。魔障があんなにも激しく噴き出しているなんて……!

⸺⸺ペリドットの町⸺⸺

 悲鳴や叫び声が飛び交い町の中にまで魔物が侵入し、町は混乱状態に陥っていた。
「何で町の中にまで魔物が!?」
 魔物の流れを見ると、こことは反対の出入り口から雪崩込んで来ているのが分かる。あっちはアカツキの方面でアマツ山がある方角。やっぱりアマツ山から来ているのか。

「小回りのきくぐれちゃとふうちゃは町の中の魔物の殲滅を。すずちゃとらいちゃは僕と一緒にアマツ山へ。れべちゃとボブはペリドット卿のお屋敷に行って、負傷者の手当とペリドット騎士団の手伝いをお願い! あと、ペリドット卿になるべく大きい“魔石”を集められるだけ集めてって言っておいて!」
「了解!」

 グレンとフウガはサッと町の中へと消えていき、レベッカとボブもペリドット卿の屋敷に一直線に向かった。
 そのため僕もスズランとライカと共に辺りの魔物を蹴散らしながらアマツ山の方角へと向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

処理中です...