上 下
19 / 244
1 絶対絶命ゴーカート

19

しおりを挟む
「す、すみません」
 久遠は慌てて、ふたたび手を動かした。
 自分でも気づかないうちに、床を磨く手を止めてしまっていたようだ。久遠は心の中で、なにをやっているんだ、と自分を責めた。
 しかし、もう待ち受け画面に関しては、ルーカスに見られた直後に、別の写真に変えたから問題はない。これでもう安心だ。そしてこれを機に、二度と人に見られてはいけない写真を、待ち受け画面にはしない、と久遠は心に決めた。
 思い出しては悶々もんもんとしてしまう、先ほどあった恥ずかしいできごとを、久遠はなんとか頭の中で消し去り、掃除に集中した。

                 ♢♢♢
しおりを挟む

処理中です...