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2 不思議なお城
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「カギは……カギはバーサーク様のお部屋にある、キャビネットの中の、一番上の棚にあります。たしか、そのキャビネットにカギはかかっていないはずです」
無理やり答えさせられたことがくやしいのか、低い声でムムが答えた。
「ただ、バーサーク様は、毎回カギを保管する場所を変えられているので、いまもそこにあるかどうかは保証できませんが」
「そうか、キャビネット……」
考えるように京一が言った。
「じゃあもしかして、外の世界に出られるカギも、その中に入っているのか?」
京一がそう聞くと、ムムはだまり込んだ。そして裏庭が静寂に包まれた。そんな時、風が吹く音だけが聞こえてきた。風は乙葉たちの髪を静かに揺らした。
「おい、どうなんだ?」
なかなか応えようとしないムムに苛立った京一は、ムムの尻尾を強く握りしめた。
「痛いっ!」
ムムがいまにも泣きそうな声で、悲鳴を上げた。
「うわあん、乱暴はやめてくださいって、さっき言ったばかりじゃないですか!」
「京一」
乙葉がおこって言った。
「ああ、すまん」
無意識だったのか、京一は素直にあやまり、尻尾をつかむ手を緩めた。
「それで、お前の答えは?」
あらためて京一が尋ねた。
「外の世界の鍵も、多分、キャビネットの中に入っていると思います。あそこにはいろいろな鍵が入っていますから、どれがどれなのか、僕にはわかりませんが……」
ムムが自信なさそうに言った。
「そうか、わかった」
京一が言った。
「じゃあ、すぐに久遠たちにも、このことを伝えよう」
そう言うと、京一はポケットからトランシーバーをとり出し、久遠につないだ。
「おい、久遠。聞こえるか? 俺だ」
無理やり答えさせられたことがくやしいのか、低い声でムムが答えた。
「ただ、バーサーク様は、毎回カギを保管する場所を変えられているので、いまもそこにあるかどうかは保証できませんが」
「そうか、キャビネット……」
考えるように京一が言った。
「じゃあもしかして、外の世界に出られるカギも、その中に入っているのか?」
京一がそう聞くと、ムムはだまり込んだ。そして裏庭が静寂に包まれた。そんな時、風が吹く音だけが聞こえてきた。風は乙葉たちの髪を静かに揺らした。
「おい、どうなんだ?」
なかなか応えようとしないムムに苛立った京一は、ムムの尻尾を強く握りしめた。
「痛いっ!」
ムムがいまにも泣きそうな声で、悲鳴を上げた。
「うわあん、乱暴はやめてくださいって、さっき言ったばかりじゃないですか!」
「京一」
乙葉がおこって言った。
「ああ、すまん」
無意識だったのか、京一は素直にあやまり、尻尾をつかむ手を緩めた。
「それで、お前の答えは?」
あらためて京一が尋ねた。
「外の世界の鍵も、多分、キャビネットの中に入っていると思います。あそこにはいろいろな鍵が入っていますから、どれがどれなのか、僕にはわかりませんが……」
ムムが自信なさそうに言った。
「そうか、わかった」
京一が言った。
「じゃあ、すぐに久遠たちにも、このことを伝えよう」
そう言うと、京一はポケットからトランシーバーをとり出し、久遠につないだ。
「おい、久遠。聞こえるか? 俺だ」
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