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逆に気味悪くなった私はトコトコと足早に進んだ。
もう小刻みに電話するのは止めるわ。
覚悟を決めて部屋の前で電話することにするわ。
商店街を抜けると長い坂道が続いた。
その両脇に住宅がなら並び,ある病院の真向かいに
それはひっそりと佇んでいた。
襖荘、木造2階建ての賃貸住宅だ。
看板は錆びれ、文字が消えかけている。
築10年は経っているだろうか、辺りには雑草が生い茂り
蛍光灯はチカチカと点滅をしていた。
そしてさび付いた手すりに今にも穴が空きそうな階段。
どうやら電話相手はこの2階に住んでいるようだ。
い、行くわよ待ってなさい(はああ、行きたくねえ……)。
私はゆっくり階段を上った。軽い私でさえ鈍い音を奏でた。
その内床に穴が明くんじゃないかと不安になる。
何事もなく2階に辿り着いた途端、冷酷で冷たい風が一気に
吹き荒れ、全身が逆立つのを感じた。
生きた心地がしない、心臓を握られているような感じ。
何よこの空気、やっぱり良からぬものがここにいるのね。
もう小刻みに電話するのは止めるわ。
覚悟を決めて部屋の前で電話することにするわ。
商店街を抜けると長い坂道が続いた。
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それはひっそりと佇んでいた。
襖荘、木造2階建ての賃貸住宅だ。
看板は錆びれ、文字が消えかけている。
築10年は経っているだろうか、辺りには雑草が生い茂り
蛍光灯はチカチカと点滅をしていた。
そしてさび付いた手すりに今にも穴が空きそうな階段。
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い、行くわよ待ってなさい(はああ、行きたくねえ……)。
私はゆっくり階段を上った。軽い私でさえ鈍い音を奏でた。
その内床に穴が明くんじゃないかと不安になる。
何事もなく2階に辿り着いた途端、冷酷で冷たい風が一気に
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生きた心地がしない、心臓を握られているような感じ。
何よこの空気、やっぱり良からぬものがここにいるのね。
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