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ダンスレポート 

アーノルド・クリストファー・キャンベル殿下
基本は完璧、リードが上手くこちらの苦手な部分を周りに気づかれないようにフォローをしてくれる。周りに魅せる事を意識している。

アラン・グレンスティッド殿下
基本は出来ているが、パートナーを気遣うより自分のペースを乱されたくない感じがする。パートナーが上手ければ、非常に見応えのあるダンスになると思う。

コレント先生
当然、基本は完璧。ただパートナーの力量を確認するためか女性側に少しリードをさせようと画策するのは、授業だけにして欲しい。

さて、このメモをいかにレポートレベルに上げられるか?
私はダンスのレポートという宿題を前に唸っていた。
パートナーを努めた相手にレポートを見せると言われているので、ある程度気を使わないとならない。

あれから、お姫様抱っこのまま午後の授業を欠席させられ、寮までアーノルドに送り届けられた私は、暇なのでダンスレポートを書く事にした。

というか、ボーッとしているとさっきのアーノルドの顔を思い出し、顔が赤くなり落ち着かないので、思考を別件に持っていくための作業だったりする。

アーノルド、優しかったな。

『でも泣くほど私が好きでやきもちを妬いてくれたなんて嬉しいよ。』

熱を帯びたあの甘い表情を思い出して、ひとり落ち着かなくなる。

ダメダメ。今はレポートに集中!集中!

「お嬢様。アルヴィン様が談話室にお待ちだそうです。」

メラニーに声をかけられ、もう放課後の時間になっていたことに気づいた。

談話室は、女子寮の入口横に設けてあり、女子寮室内に入れない男子生徒や家族が会いに来た時に使われている。
お兄様は、談話室のソファーで優雅にコーヒーを飲んでいたが、私に気付くと駆け寄ってくる。

「エイミー、カフェテリアで昼食中に倒れたと聞いたが、大丈夫なのか。」

どうやらカフェテリアでの一件は、私が具合が悪くなりアーノルドが部屋まで送るため抱き上げたと言う風に広まっているらしい。

まさか勝手にやきもち妬いて、泣き出したなんて言えないものね。

「お兄様、大丈夫ですわ。ご心配をおかけしました。」
「アーノルドが大丈夫だとは言っていたが、顔を見るまで心配で。」
「アーノルドは、なんて?」
「ランチの時に具合が悪くなったので、寮まで送ってメラニーに託したと。ダンスの授業がキツかったのか?」
「さぁ…でも少し休んで落ち着いたと思うから。」
「そうか。良かった。」

お兄様、ご心配をおかけしました。単なるやきもち妬いて泣き出したおバカな妹でごめんなさい。

心の中で謝っておいた。

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